投資信託の解約タイミングとは?利益確保と損切りのルール

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投資信託では運用を投資のプロに任せることができます。

しかし「プロにお任せだから、買った後はほったらかしでOK」と考えていると、予想よりも運用成績が悪くて知らぬ間に損が膨らんでいるかもしれません。投資信託は買ったあとに放置していいものではないのです。

定期的に持っている投資信託の状況を確認して、必要なら売却も検討すべきです。投資信託の運用成績が悪くなりそうなとき、損失が膨らみそうなときなどネガティブな売却理由もありますが、投資信託が値上がりしてきたので利益を確定するために解約する場合もあります。

最初に投資信託を買ってから時間が経つと資産クラスのバランスが崩れるので、それを元に戻すために投資信託の売却や買い増しをするのも大切な作業です。

投資信託を売るタイミングの見極め方や、売り方のコツをご紹介します。

資産規模の減少は要注意!危険な兆候を見極めて解約

投資信託を売るべきタイミングの見極めには、いくつかのポイントがあります。まずは損を出さない、あるいは損を小さくするための方法をご紹介します。

分配金配分で純資産残高が減少すると投資成績が悪化する

保有しているファンドの純資産残高が減っているときは要注意です。多くの投資家がその投資信託を解約して逃げているとか、分配金を払いすぎて資産が減っている状況が考えられます。

純資産残高が減ってファンドの資産規模が小さくなると、効率的な投資ができなくなり、運用成績が下がる可能性があります。

実は投資信託というのは、資産規模が大きいほど効率的な運用ができ、運用成績が良くなる傾向にあるのです。

出て行く資金が大きくても、新たな資金の流入が同じくらいかそれ以上にあれば問題ありません。

しかし、純資産残高が減り続けている場合は、現在の運用成績が良くても解約を視野に入れて検討しましょう。

類似ファンドより運用成績が悪い投資信託は信頼できない

運用成績が悪い場合も解約を検討しましょう。ただしリターンの大きさは投資する対象によって変わるので、期待するリターンに達していないからといって即座に「ダメなファンドだ」と決めつけることはできません。

問題なのは、類似するファンドと比較して成績が悪い場合です。

同カテゴリの投資信託の中で、他のファンドは20%のリターンを出しているのに、自分が持っているファンドのリターンは5%だったらどうでしょう。ファンドマネージャー※1の手腕に疑問が生じますよね。

ファンドが定めているベンチマーク※2の値動きと比較して、成績が極端に悪い場合も同様です。

※1:ファンドマネージャーとは

資産運用の専門家で、投資信託の運用を行う人。投資の計画を立て、市場の値動きを見ながら投資判断を下します。一般的には投資信託会社や投資顧問会社に所属しています。

※2:ベンチマークとは

投資信託が運用の目安にしている、市場の平均となる指数のこと。日経平均株価やTOPIX、MSCIコクサイインデックスなどが使われます。ベンチマークとしている指数の値動きを上回る運用成績なら、ファンドの目標は達成されています。

許容できるリスクの範囲を超えたら損が大きくなる前に解約

投資信託を選ぶときに、自分が許容できるリスク(損失)の範囲を決めましたよね。それを超えてしまったら解約しましょう。いわゆる「損切り」です。

「もう少し保有していれば、持ち直すかもしれない」と思ってダラダラ持ち続けるのは、初心者が陥りやすいダメパターンです。

持ち直すという確証があればいいですが、「持ち直すかも!いや、持ち直してくれ!」と根拠のない期待と希望を抱いて持ち続けているうちに、さらに値下がりして損が膨らむことが多々あります。

もともと「これくらいの損は許せる」と考えていたのですから、損失がさらに膨らまないうちに売ってしまいましょう。

投資信託を選ぶときに考えるべきリスク許容範囲についてはこちらの記事で解説しています。

松井証券の投信工房で資産運用を無料サポート

許容できるリスクの範囲といっても、なかには難しくて諦めてしまう人も。そこでおすすめしたいのが松井証券の投信工房です。

投信工房はロボアドバイザーがあなたにぴったりのポートフォリオを無料で作成してくれます。運用を開始した後も、金融市場や経済情勢に合わせてポートフォリオが随時変更されるので、初心者でも簡単に解約のタイミングがわかるんです。

自分でリスク管理ができない人は、手数料無料でサポートしてもらえる松井証券の投信工房をぜひ一度試してみてください。かなりおすすめのサービスです。

株でも投資信託でも、損切りは基本だ。損が出たとしても、売却して得た金で、別の投資信託を買えばいいだけのことだ。気を落とすな。

資産配分のバランスを元に戻してリスクとリターンを適正にする

投資信託を買うとき、自分が許容できるリスクと期待するリターンのバランスをとって、資産クラス(アセットクラス)を組み合わせました。

しかし、時間が経つと市場の値動きによって資産クラスの割合が崩れてきますし、生活の変化であなたが許容できるリスクが変わることもありえます。

市場の変化や生活の変化に合わせて、投資信託を売ったり買ったりして、投資信託の定期メンテナンスを行いましょう。具体的な考え方をご紹介します。

リバランスでリスクとリターンを自分に合う割合に戻す

投資信託を選ぶとき、自分がとれるリスクに合わせて資産クラスを組み合わせます。

例えば、リスクをとりたくない人は株式:債券=2:8としたかもしれません。リスクをとってでも高い利益を望む人なら、株式:債券=8:2にしているかもしれませんね。

しかし、時間が経つとそれぞれの投資信託の価値が変わってきます。例えば株式型の価値が上がってくれば、株式:債券=4:6とか、株式:債券=9:1になる可能性があります。

この崩れたバランスを元に戻すのがリバランスで、自分が取れるリスクと期待するリターンのバランスに修正することを言います。

リバランスの解説イラスト

図では株式型の値上がり分を売却して債権型を購入していますが、値上がり分を売らずに新たな資金を投入して債券型を買い増しする方法もあります。

リバランスを行うタイミングは2つあります。

    <リバランスのタイミング>

  • 最初の資産配分から一定の割合(5%や10%)でズレてきたらリバランスを行う
  • 定期的にリバランスを行う

定期的に行うほうが簡単ですから、半年または1年程度でリバランスを行いましょう。

ライフステージに合わせてリアロケーションを実施

投資信託のメンテナンスとしては、資産クラスの配分(アセットアロケーション)を見直すリアロケーションもあります。これは下の例のように、自分がとれるリスクと求めるリターンが変わったときに行います。

    <リアロケーションのタイミング>

  • 給料が増えて余裕資金も増え、よりリスクがとれるようになった
  • 退職したのでリスクをあまりとらない投資に変えたい

資産配分はコロコロ変えるようなものではありませんが、状況に応じて検討してください。

投資信託の種類が豊富で自分にピッタリの商品が見つかるSBI証券

リスクを考えてライフステージに合わせた投資信託の選び方について説明しましたが、証券会社によって取り扱いのある投資信託は違うため、できればより多くの投資信託を扱っている証券会社から探すのがおすすめです。

リバランスやリアロケーションのタイミングを考えて、自分にピッタリの商品を見付けるためにも、業界ナンバー1の投資信託取扱数をほこるSBI証券で探してみましょう。

SBI証券では投信本数2424本以上、手数料のかからないノーロード本数も1096本と充実の品揃えです。これだけあれば、リスクとリターンのバランスが自分に最適な投資信託が必ず見つかるはずです。

リバランスを行うのは半年~1年に1回ということですが、もっと頻繁にリバランスして、常に資産配分を一定にしたほうがいいのではないですか?
あまり頻繁にリバランスを行うと売買手数料がかさむというデメリットがある。手数料もバカにならんから、これくらいが適当だ。

目標金額を達成したタイミングで売る!利益確保のための解約

損を少なくするため、あるいはメンテナンスのための投資信託を解約することもありますが、利益を確定するために投資信託を解約して換金することももちろんあります。

投資信託の基準価額(価値)があがってきたら、売って値上がり益を得ることができます。利益を確保するための解約方法のコツを説明します。

目標金額達成で迷わず換金することが利益確保の鉄則

投資信託を買うときに、「この投資信託は○%くらい値上がりしそうだな」とか「○○円までの値上がりが目標」という個人目標をたてましょう。そして、その目標を達成したら、潔く売ってください。

もしそのまま持ち続けていたら、値下がりしてしまうかもしれません。そうなる前に、目標金額に達した時点で売ってしまいましょう。

ここまで値上がりしてきた投資信託を売るのはもったいない気もしますが、もっと値上がりするかもと思って持ち続けているうちに値下がりすることはよくあります。

当初の目標は達成しているのですから、満足できる結果のはずです。

当初基準価額の2倍になったら半分売って、元手を回収

利益を確保するテクニックとして、「投資信託が最初の値段の倍になったら半分売る」という方法もあります。

倍になった時点で半分売れば、元手を回収できますよね。残っている半分の投資信託はすべて「儲け」ですから、値下がりしても資産が減ることはありません。

この場合、基準価額が上昇傾向にある投資信託なら、複数回に分けて売ることがおすすめです。

買うときに時間を分散して購入すると購入単価を下げることができたように、売るときにも売却単価を平均化する効果が期待できます。特に基準価額が上昇傾向にある場合は、「もっと遅く売ればよかった」と悔やむこともなくなります。

それでも迷う人は楽天証券のロボアドバイザー「楽ラップ」を利用!

とはいえ購入するときや解約するときなど、利益確保のタイミングは難しいですね。また解約後、新しい投資信託の種類を選び直すのも大変です。

しかしそんな悩みを解決してくれるのが、楽天証券の「楽ラップ」という便利なサービスなんです。楽ラップではパソコンやスマホの画面上からロボアドバイザー※が利用できます。

ロボアドバイザーとは

どうやって資産運用したらいいか、どの投資信託を選べばいいかわからない、という人にロボットが資産運用の助言をするサービスです。人の手を介さないため人件費がかからず、対面サービスより割安に利用できるメリットがあります。

楽ラップではロボアドバイザーで資産運用のアドバイスを受けるだけでなく、最適な資産配分で自動的に運用してくれるので手間がかからず、特別な知識もいりません。

利用者はパソコンやスマホの画面上から、運用成績を確認するだけなんですよ。

    <楽ラップの特徴>

  • 簡単な質問に答えるだけ
  • 投資のプロが代わりに運用
  • 3ヵ月ごとの資産配分の見直しも自動
順調に値上がりしてきた投資信託なら、最初の目標以上に値上がりするかも!売らずに持っておくほうが儲けが増えそうな気がするー!
それが初心者が陥りやすいダメパターンなんだ。持ち続けているうちに値下がりするなんてザラだぞ。目標を達成したらスッパリ売れ!

投資信託は売りたい分だけ売却できる!投資信託の換金方法

投資信託を売るもうひとつのタイミングは、現金が必要になったときです。そのときは必要な分だけ売りましょう。

投資信託は口数や金額を指定して売ったり買ったりできるので、全て解約する必要はありません。

金額を指定して売買できるのは、株式売買とはちょっと違っていますね。投資信託の売り方についてご紹介します。

解約請求と買取請求は投資家にとっては同じこと

投資信託を売ることを「換金する」ともいい、換金方法には解約請求と買取請求のふたつがあります。

  • 買取請求:証券会社に投資信託を買い取ってもらう(証券会社が後から運用会社に解約請求する)
  • 解約請求:証券会社を通じて運用会社からお金を返してもらう

システムは違いますが、どちらも投資家にお金が返ってきますし、返ってきたお金に税金がかかる方法※も同じです。

ただし、どちらかの換金方法しか受け付けていない証券会社もあり、一般的なのは解約請求です。

投資信託の解約時にかかる税金とは

解約時に売却益が出れば譲渡所得(公社債投資信託なら利子所得)として20.315%が課税されます。源泉徴収あり特定口座なら確定申告の必要はありません。NISA口座ならもちろん非課税です。

投資信託の解約手続日から返金までは最低3営業日かかる

解約請求は、ネット証券ならネット上(「解約注文」の画面)で売りたい金額や口数を指定して行います。金額指定と口数指定のどちらかしか受け付けない証券会社や投資信託もあります。

投資信託の売却はブラインド方式で行われ、売却価格は「手続日または翌日の基準価額」になるので、手続きした時点ではわかりません。

国内株式型の投資信託なら当日夕方に基準価額が発表されますが、海外型などですと時差があるので、基準価額の発表が遅れます。いつの基準価額で換金されるかは目論見書に記載されています。

換金されたお金が口座に振り込まれるまでに必要な日数は、ファンドごとに違いますので目論見書で確認する必要があります。

投資家に人気のひふみ投信と朝日Nvestグローバルバリュー株オープンについて、換金単位や基準価額をまとめてみましたので参考にしてください。

項目 ひふみ投信 朝日Nvestグローバルバリュー株オープン
換金単位 1口以上の口数指定または1円単位の金額指定 販売会社が定める単位(みずほ証券の場合、1口以上1口単位)
換金価額 解約請求受付日の翌営業日の基準価額 換金申込受付日の翌営業日の基準価額から信託財産留保額を引いた額
換金代金 請求受付日から起算して5営業日目から 請求受付日から起算して5営業日目から

クローズド期間と解約の手数料に注意!目論見書で確認しよう

投資信託によっては、解約ができない期間(クローズド期間)を設けているものもありますので注意が必要です。

投資信託が運用を開始した直後に解約がたくさんあると運用できなくなってしまうので、資金の流出を防ぐために設けられているのがクローズド期間です。途中購入ができないタイプの単位型投資信託に多いので、目論見書で確認してください。

また、投資信託の解約時には信託財産留保額という手数料がかかるものもあります。

少額ではありますが、目論見書できちんと確認しておきましょう。例えば、先ほど紹介したひふみ投信には信託財産留保額はありません。朝日Nvestグローバルバリュー株オープンでは、基準価額の0.3%がかかります。

クローズド期間は運用開始後の一定期間としているものが多いが、運用期間中ずっと換金できない全期間クローズドもある。全期間クローズドだと、保有者が死亡したなど特別な場合を除いて換金不可だ。

投資信託を売るべきタイミング8つ

投資信託を売る(解約、換金する)べき理由やタイミングについてお伝えしてきました。

投資信託を売るべきタイミングをまとめておきます。

  • 保有しているファンドの純資産残高が継続的に減少している
  • 同カテゴリの類似ファンドよりも運用成績が悪い
  • 許容できるリスク範囲を超えた損失を出している
  • 資産クラスのバランスが崩れ、リスクとリターンが自分に合わなくなっている
  • 自分が許容できるリスクの範囲が変わった
  • 目標金額を達成した
  • 購入時の基準価額の2倍になった(半分売る)
  • 現金が必要になった(必要な分だけ売る)
売らないと実際には利益にならないのに、投資信託を売るタイミングについて知らないヤツが多すぎるぞ。出口の見極め方を知っておけよ!

投資信託の放置は危険!定期的なメンテナンスが必須です

投資信託は運用をプロに任せることができますが、買ったあと放置していいものではありません。

定期的にリバランスなどのメンテナンスが必要ですし、基準価額が下がってきたら、損が広がる前に手を打つ必要があります。運用レポートなどを参考に、運用実績や資産規模への注意を怠らないようにしましょう。

順調に利益が出ている場合も、利益確定のために基準価額の2倍になったら売るとか、何回かに分けて売るなどのテクニックがありました。

利益を手に入れるためには、買い方や選び方だけでなくて、売り方や売るタイミングもしっかりおさえておきましょう。

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