ビットコインの名著である「Mastering Bitcoin」著者:アンドレアス・M・アントノプロス氏が語る「お金のインターネット入門」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

このページは、Andreas M. Antonopoulos(アンドレアス・M・アントノプロス)氏が、ビットコインとパブリックブロックチェーンが金融だけでなく、インターネット自体を変革しようとしていることを説明している動画の、一部抜粋記事になります。

アンドレアス・M・アントノプロス氏とは、ブロックチェーンに基づく暗号通貨「ビットコイン」の本格的な解説書である「Mastering Bitcoin(マスタリング・ビットコイン)」の著者としても有名な人物。

下記の動画は、2017年11月中に「Internetdagarna」にて行われた講演の様子です。
全文英語なので、動画を見たくても理解できなかった方の為に、一部を抜粋して和訳で文字に起こしてみました。

暗号通貨はインターネットのような変化をもたらす

1992年、インターネットが世界を変えつつあると話したが誰も信じなかった。しかし、インターネットは世界を変えた。暗号通貨は同じようなスケールで世界を変え、インターネット自体にも変化をもたらすだろう。

ビットコインは2009年1月3日に匿名の人物によって創られ、オープンソースのプロジェクトとして公開された。人々は今、暗号通貨が犯罪に利用される何か以上のものだということに気づき始めている。ビットコインはプロトコルだ。ビットコインについて考える前に、まずは「マネーとは何か」という非常に難しい問いに答える必要がある。

マネーとは何か?

基本的なレベルになるが、マネーには価値はない。実際、私たちは製品やサービスのような価値のためにマネーを使うが、マネー自体に価値があるわけではない。そして、マネーは権威でもない。なぜならマネーは何らかの権威によって創られるものだからだ。

マネーの正体は価値について表現するための言語だ。言語によって、親族や部族を越えた交流や商取引が可能になる。マネーはそれを管理する者に大きな権力を付与する支配のシステムでもある。その結果、王や政府はマネーを厳重に支配するようになった。

マネーの変化

今、マネーが変化している。2009年1月3日、ある人がピア・ツー・ピアのプロトコルを創ったことで世界が変わった。これは、中央サーバーが無く、全てのクライアントがコンテンツタイプとしてマネーを表現するフラットなネットワークだ。

マネーは純粋にデータで表現され、情報伝達が可能なあらゆる媒体を利用して転送される。マネーがネットワーク上の純粋な情報だということは、同時に検閲不能で誰に対しても開かれており、中立かつグローバルだということだ。クライアントアプリケーションをダウンロードするだけで、誰もが利用可能なグローバルエコノミーに参加することができる。

マネーとは、誰もがどこにでも転送することのできるコンテンツタイプとしての、総合的なインターネットプロトコルなのだ。

スマートコントラクト

今日まであらゆる形態のマネーは、人や企業が所有および管理するものだった。しかし、ビットコインには人が不要で、匿名のエージェント自体がマネーを所有および管理することができる。

スクリプトに記述されたコードが運営する企業を想像してみてほしい。自己改良するランサムウェアや、自然災害を自動的に検知して寄付を行うチャリティーが現れるかもしれない。

燃料や費用を管理し暗号通貨による支払いを受ける自己所有自動車や、インテリジェントアーティクルも可能だ。このような例は、完全にプログラム可能で、スクリプトによって微調整することが可能なマネーだ。この新しい分野は今「スマートコントラクト」と呼ばれている。

暗号通貨の誕生と応用

暗号通貨の誕生によって世界は変わった。
それ以来、同様の設計を利用した多くの暗号通貨が、ほとんどはオープンソースのプロジェクトとして作成されている。その方向も千差万別で、あらゆるニッチを探求し、さまざまな機能を備え、新しい市場を創造する。世界中で数千のスタートアップ企業が資金調達し、多くのエンジニアが技術を学んでいる。大企業はインターネットを利用してイントラネットを作ったように閉鎖的なネットワークを作るだろうが、それは間違っているし失敗に終わるだろう。

この技術の本当の原理、本当に面白いことはブロックチェーンではなく、このプロトコルから作成されるデータベースだ。互いに信頼していない参加者の中で、中央の管理者や権威、仲介者を必要とせずに分散型の合意形成を行う能力を備えている。

現代の課題と解決策

現在でも海外送金には、特に送金先が貧しい国の場合、時間と費用がかかる。中央集権的で閉鎖的かつ不道徳な巨大ネットワークはもっとも貧しい国から搾取しているのだ。

現在、銀行サービスへにアクセスできるのは約10億人。私たちは20ドルのアンドロイド携帯で利用可能なアプリによって、残りの60億に銀行サービスを届けようとしている。これによって世界中の人々が繋がり、資金の送受信や貸し借りが可能になる。これは10年以内に実現可能だ。

しかし、銀行はそのような世界を望んでいない。では、どうすればよいのか。
今まで、PayPalやその他の金融サービスのアプローチは、慎重かつ礼儀正しく(銀行や政府に対して)認可を求めることだった。しかし、ビットコイン(BTC)は誰の認可も必要とせず、世界全体に銀行サービスを届ける。

もし今広がっているプロトコルが失敗しても、私の本を読んだ若い世代が週末を使って新しく再構築してくれるだろう。何度でも、成功するまで。金融は今やアプリケーションで、マネーはコンテンツなのだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加