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こんにちは、ヨーロピアン(@sen_axis)です。 またbitFlyerさんで記事を書かせていただいています。3度目ですね。

2017年のビットコインは驚異的なボラティリティを見せました。

僕が初めてビットコインを購入したのは2014年でしたが、その頃に比べるとビットコインに対する世間の風当たりや理解も大きく変化したと感じさせられます。こういうのを「キャズム越え」というのでしょうか?まだですかね……笑

さてさて、今回は少しばかり長いエントリなので、前置きは手短にしておきましょう。
今回はビットコインの持つ「価値」について深く考える記事になります。

小難しいことはさておき、大事なお金をビットコインやその他の暗号通貨に投資している皆さんが気になるのは、「ビットコインのフェアバリュー(適正価格)は一体いくらなんだ?」ということではないでしょうか。

結論から言うと、これは僕にも全く分かりません。
価格の「推移」だけを見てバブルだとする指摘も数多くありますが、このような新しいアセットクラスに「適正価格」という概念はほぼ存在しないと考えています。

しかし分からないなりにも「何故分からないのか」という理由を考えることはできますので、今回はその点について可能な限り丁寧にお話していきたいと思います。

しかしビットコインの価値を推し量るためには、そもそも貨幣とはなんなのか?ということを知る必要があります。まずはヒトと貨幣の歴史について振り返っていきましょう。少し長いですが、コーヒーでも飲みながらゆっくりと読んでいただければと思います。

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遠い昔、貨幣がなかった頃にもヒトはお互いの欲しい物品を融通しあっていたとされています。つまりコメや塩、お肉や魚、布切れや皮、農具などをお互いの需要に合わせて交換していたということですね。これは大半の方が歴史の授業などで習ったことのある内容だと思いますが、いわゆる「物々交換」と呼ばれるものです。

物品を直接交換する「物々交換」

しかしこの物々交換には限界があります。
例えば漁を行って魚を手に入れた人は、まず「魚が欲しい人」を見つけなくてはいけません。そして魚を欲しがる人を見つけられたとして、その相手が「そのとき自分が欲しい物を持っている」という条件も同時に満たす必要が出てきます。
うかうかしていると魚や肉は鮮度を失って交換価値が薄れてしまいますし、交換相手を見つけるのも大変です

そこでヒトはこれらの物品の「その時の価値」を保存しておける「何か」があれば良いと考えました。
こうすることで、魚を欲しがる人から直接「価値」を受け取れます。また、その「価値」は後々自分の欲しいものと交換することができます。

価値を保存するためには腐りやすいものでは困りますし、重かったりかさばったりすると携帯性を損ねます。そこでこれらを解決する手段として、貝を用いる方法が考えられました。
日本や中国で貝を貨幣としていたことから、お金に纏わる漢字には大抵「貝」の字が含まれています。「貯」「財」「貨」「贈」などですね。しかし面白いのは、アジアだけでなく同時多発的に世界各国でこの貝を貨幣とする動きが見られたことです。これらは総称して「貝貨」と呼ばれます。

ここで知っておきたいことは、貨幣として使われた貝はお腹いっぱい食べることも着ることも農業に役立てることもできませんが、それなりに希少品であり、簡単に大量に入手できる種類のものではなかったということです。(一部地域では宗教的・宝飾品としての価値はありました)
「この貝を自分で探すくらいなら他の仕事をして交換してもらった方が楽」と大抵の人が考えるくらいには「労力」を払わないと入手できないものだったのです。ここが一つの大きなポイントになります。

少し時代は進み、人は金属を自在に加工できる技術を会得していました。
金属は加工して武具農具他様々な活用方法があり便利ですが、鉱物の宿命として入手には採掘と精錬の必要があります。
つまり、金属はこの時代においてやはり希少品だったのです。なかでも金・銀・銅は展性・延性にすぐれていたため加工しやすく価値が高く、必然的にそれらが貨幣として通用するようになってきます。中でも金(ゴールド)は、銀や銅と比較しても化学的変化(酸化)に耐性があるため錆びず、常にキラキラと光ることから特に貴重とされました。

ゴールドは価値の保存の手段として長い歴史を持つ

※もちろん、この時代になっても未だ物品貨幣は有効でした。穀物や塩はある程度保存が効き、かつ実需があるために特に長く残り続けました。例えば古代ローマの兵士達の給与に塩が使われ、英語のSalary(給料)の語源がラテン語のsalarium(塩)であるというのは有名な俗説です。(実際にはほとんどが銀貨で払われていたとされ、確定的ではないようです)

これら金属は初めは秤量によって貨幣として利用されていましたが、次第に金貨・銀貨・銅貨といった硬貨へと加工され利用されることになります。

金属はコインへと加工された

また大量の金貨を運ぶのは現実的でないため、金の預り証を発行してそれを交換することで商談成立とする銀行の原型のようなものが誕生したり、少額面の決済が必要であるために信用取引が生まれたりしました。

しかし貴金属は産出量が少ないですから、金貨や銀貨を作ってもその流通範囲を広げるには絶対的に量が足りません。いくら信用取引があるとはいえ、やはり小単位のコインがないのは明らかに不便でした。
こうして深刻な貴金属デフレーションに直面した各国では、貨幣改鋳が行われます。つまり、金貨や銀貨に混ぜ物をして、コインにおける金銀の含有率を切り下げてしまうのです。
これには貨幣の大規模回収が必要となり、また改鋳そのものにも労力がかかります。それでも経済規模が広がる中で絶対量の少ない貴金属を貨幣として用いていく上では何度も必要に迫られたのです。

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時代はさらに移り変わり、国際的な金本位制が誕生していました。つまり十分な金を国家が保有していることを前提に、国家が発行する紙幣(金が信用の裏付けとなっている)を流通させることに成功したのです。

前述の金預かり証を交換する中で、「信用」さえあれば金属(価値の源泉)そのものを交換する必要がないことにヒトは気がついたのです。
これは大変革命的でした。デノミを行うのにコストのかかる貨幣改鋳を行う必要はもうありません。供給量の調整が難しいゴールドと異なり、サプライサイドでの調整が可能な紙幣はインフレ/デフレのコントロールもいくぶんやりやすくなります。以来現代にわたり、紙幣は貨幣の中心として広く流通されています。

長い貨幣史の中でとうとう誕生した「紙幣」
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さて、貨幣の進化の歴史として、ここまでは問題ありませんでした。

しかし、国家はとうとう気がついてしまいます。そう、紙幣は無制限に印刷できること、さらに大衆の多くは金と1:1であることを確認することはないということです。
アメリカでは政府支出の増加に合わせてドルを数倍・数十倍と増刷したため、当時一定であったドルと金の交換レートを維持することも当然できなくなります。各国との金本位制協調も崩れ、アメリカ政府は金とドルの交換を停止することを発表しました。これが有名なニクソンショックで、金本位制が根本から崩壊した出来事でした。

以来、各国で法定通貨として利用される不換紙幣は際限なく印刷されるようになったのです。これを「管理通貨制度」と呼びます。しかしゴールドとは異なり供給が自由自在となる紙幣は、そのままでは為政者の欲望のまま大量の供給に歯止めがかかりません。

こんにち、国という共同体はゴールドという絶対的な信用に代わり紙幣の信用を維持するために様々な工夫を凝らしています。
それは例えば司法や警察であり、それを支える徴税であるわけです。貨幣の信用を揺るがすような偽造、あるいは中央機関の汚職は懲罰によってコントロールされます。また税金を払うにも法定通貨が必要ですから、その原動力たる労働力は十分に法定通貨の価値の裏付けになっています。当然、徴税を無視すればこれまた我々共同体によって懲罰が与えられます。

振り返れば、貨幣の歴史とはつまり「信用」の歴史でした。信用はヒトが生み出した発明です。採掘量や採掘にかかるコストを裏付けとした絶対的な価値、その代替として人間社会のデザインで信用を醸成する、これもまたヒトの知恵なのです。

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さて、ようやく現代にまで話が戻ってきました。ここで登場するのが暗号通貨です。
ビットコインを代表とする暗号通貨はプルーフ・オブ・ワーク(PoW)というモデルによって動作しています。(異なるモデルを採用している通貨もあります)

PoWはあえて採掘の対価に多大なコンピュータリソースを要求することでネットワークを維持し、さらにそのコストそのものを価値保存の尺度(セキュリティの強度)とする非常に優れたモデルです。またビットコインの場合はその総発行数(埋蔵量)もプログラムによって予め規定されており、まさにゴールドによく似たデザインであると言えます。

人類史上初めて「地球上のどこからでも、誰でも入手することができる」という非中央集権的な側面と、「入手するのが難しい=入手に十分な労力を払う(仕事をする)必要がある」という価値を同時に実現したのです。

貝や金属がその入手コストを裏付けとした通貨として利用されてきたことを思い出してください。貝や金属そのものの直接的な需要は限界があり、実用面で必要とされていたわけではありません。「入手コストがある程度高いこと」そのものが通貨として必要な条件だったのです。
現代においてもゴールドには工業需要や宝飾品としての需要だけでは説明することのできない値付けがされています。それらの現実が全て、「入手コストそのものが価値の裏付けとされている」ことの説明足り得るでしょう。

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ビットコインはインターネットの徒花なのか?

さて、最近では「ビットコインの仕組みは非効率であり、計算資源(電力)の無駄使いではないのか」という声が一部から挙がることがありますね。

ビットコインネットワークの維持には多くの計算資源がつぎ込まれており、確かに価値移転のためのシステムとしてだけ見れば大変非効率です。例えば銀行システムや電子マネーに代表される中央集権的なデータベースにトランザクションを追加したり減少させたりするのは一瞬ですから、それと比較すれば何故数字の上げ下げにこのように無駄な計算資源を費やしているのだ、という考えになるのは自然でしょう。

しかしこれはあくまで一方向からしか見ていないために起こりうる批判です。ビットコインは「価値を移転する技術」「プログラムによる信用創造」の二点を要として構成されています。

前者は、平たく表現すればビットコインを「便利な送金システム」として理解することです。これはビットコインの仕組みを知らずともごくごく単純に理解できますし、日本におけるマーケティングでも前面に押し出されてきた部分でもあります。

しかしながら、もう一歩深く理解するには後者の「信用創造」に目を向ける必要があります。これまでの貨幣史を思い出していただければ理解しやすいでしょう。

「ビットコインは膨大な電力を消費しており地球に優しくない」と述べる人々は、我々が紙幣に信用を与えるためのコストを無視していると考えられます。紙を刷っただけでそこに信用が突然生まれるわけでも、ましてやそれを維持できるわけでもありません。適切に権力機関を監視・コントロールしないといとも簡単に崩壊するのです。

そのためのコントロールコストを社会全体で負担しているというのは既にお話しした通りです。これらの信用創造を「コスト」として捉えていないから「ビットコインは電力の無駄遣い」という話をするのでしょう。信用維持のため、あなたも決して安くない納税をしていることを思い出してください。

日本にいると忘れがちですが、社会システムによる維持がうまくいかずに法定通貨が信用崩壊した国はたくさんあります。ここ日本でも有名な例としてはジンバブエが挙げられますが、例えばベネズエラなどは既に政府が暗号通貨の導入を開始しています。

これでもなお人間社会の方がPoWよりもエコロジーだと思っているのであれば、ヒトが生きて仕事をすることで消費するエネルギーを甘く見積もりすぎています。これらのコストを全てコンピュータリソースに肩代わりさせることのできるビットコインは、十分にエコノミーでありエコロジーであると言えるでしょう。

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ビットコインが法定通貨を置き換える日は来るか?

我々が莫大なコストをかけている信用創造をコンピュータに任せ、自動的に維持できるのであれば十分にエコロジーであると同時に、人間はもっと異なる活動にリソースを割けるようになることが期待できます。

かといって法定通貨は不要でビットコインだけで良いのか、というと現実には未だ課題が残ります。真っ先に思いつくのは、インフレ/デフレのコントロールに必要不可欠なサプライサイドのコントロールができないことですね。
これはビットコインのデザインからすると必然です。仮に誰かがコントロールするようであれば結局その中央集権の監視・抑制に莫大なコストがかかってしまいます。
とはいえ、人間に岩石を掘る仕事をさせるよりはこちらの方が多少はマシだということになれば、少なくともゴールドが果たしている信用創造の一部を少しずつ代替することはできるようになるかもしれませんね。そう、ゴールドと交換できる証書を交換していた時代よろしく、BTCを裏付けとした証書を流通させるなんてどうでしょう。笑

頭の回転の速いあなたは「おや?」と思うかもしれません。その違和感は自然ですし、おそらく考えるほど深みに嵌っていくはずです。是非ひとつの思考実験として楽しんでみてください。

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その他、ビットコインにまつわる疑問など

最後にオマケとして、今回お話した内容を踏まえた上で理解しやすいであろうQ&Aを記載します。ビットコインとその価値についてさらに理解を深めたい方は読んでみてください。できるだけ平易にまとめたつもりですが、やや専門的な話も入ってくるので、出来る限りゆっくり読み進めていただくことを推奨します。

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Q. 何故フォークコインはビットコインに比較して小さな価値しか付かないのか

ビットコインのブロックチェーンをコピーし、独自の改変を加えて別のチェーンとして分岐させたものをフォークコインと呼びます。その性質上、分岐時点でのビットコインの残高がそのままコピーされることになります。代表的なものにビットコインキャッシュビットコインゴールドスーパービットコイン、などが存在します。今後もビットコインキャッシュプラスビットコインゴッドなど無数のフォークが計画されています。
このテーマは先程の信用創造の話から直接繋がってきます。ビットコインはその誕生から現在まで採掘に対して莫大なコストを支払い続けてきました。対してそのフォークコインは単にそれまでの採掘結果をコピーしただけですから、その時点で存在する全ての残高には裏付けとなる採掘コストが全く存在していないことになります。まさに無から産まれたコインです。コストをかけているのは分岐後の新規採掘分だけです。よって、あくまで対BTCに限りますが、ある程度フェアバリューも算出しやすいですね。

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Q. ビットコインの送金は何故遅いのか

これはビットコインのブロック生成間隔について挙がる代表的な非難の一つです(もちろんブロックの概念を理解していない方からも同様の非難が挙がることがあります)。

よくある誤解として、ビットコインの性能が低い(あるいは技術力が低い)ため、処理速度の限界のように捉えられていることがあります。これはまさに大いなる誤解で、ビットコインのプログラムがわざとブロックの生成を10分間隔に調整しているだけです。
時折多くのハッシュパワーが向けられると数分間隔でブロックが生成されるようになってしまう(送金速度が加速する)のですが、一定間隔で採掘難易度を調整することによってまたブロック生成速度を遅くするようにデザインされています。
要するにあらかじめ設定されたパラメータであり、性能や技術力とは全く関係がありません。アルトコインの一部では1分半や3分といった非常に短い時間に設定されている場合がありますが、これは単純に送金の信頼性とトレードオフになっているだけであり、どちらが優れていてどちらが劣っているという話ではないのです。現状のビットコインはその価値保存に重きを置かれ、強固なネットワークセキュリティを重視するデザインになっていると解釈してください。

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Q. 何故ビットコインはブロックサイズを1MBから変更しないのか

これも最近ビットコインの利用者が急増したことでトランザクション(送金)が詰まることが多くなり、たびたび話題にあがる疑問ですね。

実はこれには多少の誤解があります。ビットコインは既にSegwitという技術でブロックの実質的な拡張を行っており、最大4MB、実質1.6MB〜2MBほどのトランザクションを詰め込めるようになっています。ただし利用には対応したトランザクションを発行する必要があります。(bitFlyerは既に対応を行っています)

もちろんトランザクション詰まりを場当たり的に解決するだけなら、単純なブロック拡大の方が改変としては容易です。それでもわざわざSegwitを採用した理由の一つとしては、後方互換を重視したことを考えられるでしょう。

ビットコインは非中央集権であるがゆえに、ネットワークを構成するクライアントが全世界的に同時にノードをアップデートできるわけではありません。またビットコインは既にATMや決済システム、ウォレットが各所で採用されています。ブロック拡大の変更は後方互換を打ち切る「ハードフォーク」と呼ばれる手法を取らねばならずネットワークの分断を招く可能性が非常に高いため、これらシステムの障害となりうる危険性がありました。
Segwitによるブロック拡張なら古いクライアントと新しいクライアントの間でも問題なくネットワークを接続することができますから、この方法が採用されたと考えられます。

またもう一つの理由として、ブロックサイズを拡張すると比例してトランザクション数も増えるため、それだけブロックあたりの検証コストがかかるようになることが挙げられます。
この「検証」という作業は、例えば紙幣であれば1万円札の透かしを見て偽札かどうか判断するような行為に該当します。我々利用者が紙幣の贋金をすぐに発見・通報できることが日本円の信用の維持に役立っているように、ビットコインにおいても「誰でもブロックの検証を即座に行える」ことがネットワークの安全に貢献しています。
ところがその検証にかかる計算コストがどんどん拡大する場合、高性能なマシンが際限なく要求されることになります。そうするとビットコインのノードを維持できる主体がどんどん減っていき、中央集権化が進んでしまいます。
ビットコインは仕様上、トランザクションのサイズを大きくすると検証コストも二次関数的に大きくなってしまう問題がありました。これはSegwitにて解決しています。検証コストの増加に対する危機意識の高さの表れでしょう。

中央集権化が進むと何故危険なのか、それはビットコインの価値の本質が「価値の記録」にあるからです。世界中にマイナーが分散していて、一箇所を攻撃したり政治的に規制しても絶対に破壊できない、記録が消えることがないというビットコインの特性は、すなわち記録された価値が侵されないという高いセキュリティであり、人々が安心して利用できる礎となります。
仮に中央集権化が進んでしまった場合、ネットワークの脆弱性は高まります。トレードオフでトランザクションの処理効率は上がりますが、その究極系はPaypalのような集中処理モデルであり、その領域に近づけば近づくほどビットコインの価値の本質を失いかねません。

また、ビットコインはその設計上、誕生から現在に至るまで全ての取引をブロックに記録しています。どのみちブロックサイズを拡大したところで、将来的に全世界で爆発的に利用が増える(例えば現在のVISAが捌いているトランザクション数レベルまで)場合、その全てをブロックに記録することで対応すると、ノードが負担するストレージも莫大なものになってしまいます。これも前述した理由と同じく中央集権化が進むと同時に、チェーンの同期によるネットワークの帯域コストも跳ね上がり、インフラが耐えられなくなる危険性があります。

こうした懸念から、現在のビットコインはトランザクションを小規模なハブにまとめて処理させ、一定タイミングでまとめてブロックに記録させるという方式でネットワークの拡大を図ろうとしています。
この技術は「ライトニングネットワーク」と呼ばれ、既にメインネットでのテストも完了しています。実用化も時間の問題でしょう。

ライトニングネットワークにより瞬時に決済を完了させる様子

これはとても衝撃的な技術で、今まで承認に10分程度かかっていたビットコインの支払いが、瞬時に完了するようになります。決済処理をオフチェーンでまとめて行えるようになることで事実上ネットワークの拡大に技術的制限はなくなります。ハブの役目は決済システムを提供するサービスや、取引所等が担うことになるのかもしれません。
ビットコインはその歴史的経緯や暗号通貨の基軸としてのポジションから、最も数多くの優秀な開発者が集まって日夜最先端の開発を行っています。エキサイティングとしか言いようがありません。

今後ますます進化していくビットコインの歴史を肌で感じていける今の我々の立場は、もしかすると大変恵まれたものであるのかもしれませんね。
このエントリが投資・技術両面から暗号通貨を楽しむための一つの手助けになっておりましたら幸いです。来年も楽しんでいきましょう。