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EBITDAとは?計算方法や株式投資での活用法、知られざるデメリット

EBITDAとは?

上場企業の決算説明資料を見ていると「EBITDA」という用語を見かけることが多いです。

しかし、個人投資家である私たちにとってEBITDAという横文字はあまりにもわかりにくいと思います。

本来、EBITDAは経営学やMBAで学ぶ経営指標なのですが、最近は企業経営者が投資家に対する説明で述べることも多いため、今回は投資家視点に立ってEBITDAについて考えたいと思います。

EBITDAについてわかりやすく理解したい。どんなときに活用すればいいかわからない。

そういう方でも安心して読み進められるような内容になっています。

EBITDAを3分で理解する

キャッシュフロー

まず最初に、なぜEBITDAがこれほどまでに経営の世界で使われるようになったのかを考えてみます。

それは、EBITDAが「本業のキャッシュフローを手っ取り早く計算できる方法」だからです。

一般的に利益と言うと、営業利益や経常利益が有名です。

しかし、これらの利益は「会計上のルール」によって計算されているため、実際のビジネスで発生している「キャッシュフロー(現金利益)」との乖離が生じています

極端に言ってしまうと、損益計算書では営業利益100億円の黒字になっているのに、キャッシュフロー(現金利益)では50億円しか儲かっていないということが起こります。

こうした問題を解消するために、

  • 簡単に計算できる
  • 本業の利益を表している
  • キャッシュフローベースの真の利益がわかる

という条件を満たすEBITDAが重視されているのです。

EBITDAの計算方法

EBITDAの計算式

結論から言うと、EBITDAの計算式は「営業利益 + 減価償却費」となります。
(厳密には異なりますが、上記の説明をしている書籍が多いです。実際には経常利益+減価償却費の方が正しい数値が出ると思われます)

また、日本会計基準の場合は減価償却費にのれん償却費を含みますので「減価償却費 = ◯◯償却費の合計」だと考えてください。

▶補足
WikipediaによるとEBITDAの計算方法は以下の説明となっています。
EBITDA = 税引前利益 + 特別損益 + 支払利息 + 減価償却費(有形固定資産償却費と無形固定資産償却費の合計)

これまで計算方法として「営業利益+減価償却費」や「経常利益+減価償却費」と説明しましたが、これらはいずれも計算結果に大きな差は生じませんので、EBITDAの計算には、広義に使われている「営業利益+減価償却費」を使って問題ないと思います。

実際、EBITDAのことを「償却前営業利益」という人もいますし、その方がEBITDAがどういうものなのか覚えやすいと思います。

横文字で難しいイメージのある「EBITDA」ですが、日本語に訳すと「利払い前・税引き前・減価償却前利益」と呼ばれます。

このうち、減価償却費は横に置いておいて、まず最初に「利払い前・税引前利益」に着目します。利益に対して「支払利息」と「税金」を足し戻すと「営業利益」になります。

厳密には金融収益などが除外されているのですが、EBITDAにおける「利払い前・税引前利益」の部分を「営業利益」を考えて説明している書籍も多いです。

次に、営業利益に対して減価償却費を足し戻します。これで「営業利益+減価償却費」でEBITDAの計算は完了です。

減価償却とは?

減価償却費の簡単な説明

例えば、耐用年数(使える年数)が40年間の機械設備を100億円で購入した場合、設備の引き渡しのタイミングで販売者に100億円を支払います。

つまり、機械設備を購入するということは、その代金を支払った時点で「100億円の経費を使った」ことになり、利益から100億円の経費を差し引くのが普通です。

しかし現実には、会計上のルールというものがあって、耐用年数が40年の設備は「100億円を40年間に分けて経費計上しなさい」と決められています。

支払いは機械設備の購入タイミング(1年目)に終えているのですが、損益計算書ではその後40年間にわたって、「減価償却費という名目で2.5億円ずつ経費が計上される」のです。

しかし支払いは既に終わっていますから、「減価償却費は現金の流出を伴わない費用」と考えられているため、EBITDAの計算では減価償却費を無視して計算しています。

減価償却費については「J-REITの評価で気にしたいFFO倍率を3分で理解できるように解説」という記事で解説をしています。

EBITDAとは「キャッシュフローベースの現金利益を簡単に計算するための指標」です。

本業で生み出された利益に、本業とは関係のない支払利息と税金を無視する(足し戻す)、さらに現金流出を伴わない経費である減価償却費を無視する(足し戻す)ことによって計算することが可能です。

POINT

減価償却費は決算短信などの「損益計算書」に記載されています。

損益計算書を見て、営業利益の数字に減価償却費の数字をプラスするだけで、投資の初心者でも簡単にEBITDA(本業が生み出したキャッシュフロー)がわかります。

EBITDAの読み方は?

疑問

EBITDAの読み方は人によってさまざまです。

  • イービッダー(イービットダー)
  • イービットディーエー
  • イビダ(イビダー)
  • エビータ
  • イービッタ

私自身は一番上の「イービッダー」と呼んでいます。

なぜなら、私がこの指標を知るきっかけとなったソフトバンクの孫正義社長がプレゼンテーションで「イービッダー」と発言していたからです。

ちなみに、EBITDAは英語で「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization」の略です。

国際企業の比較を容易にする役割

グローバル企業の比較

これほどまでにEBITDAが広く使われている理由はいくつかあります。

それは前述の「簡単に計算でき、キャッシュフローベースの真の利益がわかる」ということの他に、「グローバルな比較ができる」というメリットです。

日本の企業とアメリカの企業では、たとえ同業種でも競争環境が違います。

法人税などの「税率」が違いますし、政策金利が違えば「銀行からの借入金利(支払利息)」も異なってくるでしょう。

また、減価償却費の扱いも国によって異なっています。日本会計基準では「のれん代」は最長20年以内の期間で償却しなければなりませんが、国際会計基準では「のれん償却費」はビジネスが正常に回っていれば償却の必要はありません。

EBITDAという指標は、税金や支払利息を無視することで、このような国際企業同士の比較を容易にするという役割もあるのです。

そして、EBITDAはM&A(企業買収)において、企業価値評価を行う場合にもよく用いられています。

EBITDAを企業価値評価に使う方法

続いて、EBITDAを企業価値評価に使う方法についてまとめます。

EBITDA倍率

EBITDA倍率

EBITDA倍率は、時価総額がEBITDAの何倍になるかを示すものです。

▶EBITDA倍率の計算方法
EBITDA倍率 = 時価総額 ÷ EBITDA

これをわかりやすく言い換えると「時価総額で対象企業を買収した場合、何年分のキャッシュフロー(現金利益)で買収額を回収できるか」ということです。

ちなみに、「時価総額で企業を買収した場合、何年分の当期純利益で買収額を回収できるか」という指標をPER(株価収益率)といいます。

PERは投資家にとって馴染みのある指標だと思います。

EBITDA倍率はPERの「利益」の部分をEBITDAに変えたものだと考えると良いでしょう。

PER(株価収益率)については下記の記事で詳しく解説しています。

EV/EBITDA倍率(簡易買収倍率)

EV/EBITDA倍率

EV/EBITDA倍率」は「簡易買収倍率」とも呼ばれています。

▶EV/EBITDA倍率の計算方法
EV/EBITDA倍率(簡易買収倍率) = EV(企業価値) ÷ EBITDA

EV = 時価総額 + 有利子負債 - 現金

「EV(エンタープライズバリュー)」は「企業価値」とも呼ばれており「時価総額に有利子負債を足し、現金をマイナスする」ことで算出できます。

有利子負債とは利子のつく負債、つまり「長期借入金・短期借入金・社債」などのことです。

例えば、時価総額が100億円、有利子負債が30億円、現金が10億円の企業があった場合、企業価値EVは「100 + 30 - 10 = 120億円」となります。

EV/EBITDA倍率の目安は6倍から7倍前後と言われています。つまりEV/EBITDA倍率が7倍以上であれば割高、6倍以下であれば割安と判断できます。

これは、負債を含めた企業買収コストが6年~7年で回収できることを意味します。

もちろん、企業価値評価の方法にはいろいろなやり方があるため、EV/EBITDA倍率による評価は企業価値を測る方法の1つに過ぎません。

実際のM&Aでは様々な方法を用いて企業価値を算出し、総合的に判断しています。

まとめ

PER = 時価総額 ÷ 当期純利益
PER(株価収益率)は株式投資で一般的に広く知られる指標です。

EBITDA倍率 = 時価総額 ÷ EBITDA
当期純利益を簡易キャッシュフロー(EBITDA)に置き換えたもの。

EV/EBITDA倍率 = 企業価値EV ÷ EBITDA
時価総額に有利子負債を足して現金を引いたものを企業価値とし、それをEBITDAで割ったもの。

EBITDAマージン

EBITDAマージン

EBIDAマージンは、いわゆる「営業利益率」の「営業利益をEBITDAに置き換えたもの」に相当します。

▶EBITDAマージンの計算方法
EBITDAマージン = EBITDA ÷ 売上高

EBITDA有利子負債倍率

EBITDA有利子負債倍率

これはソフトバンクがよく使う指標です。

ソフトバンクでは「純有利子負債EBITDA倍率」をプレゼンテーションで開示しています。

▶EBITDA有利子負債倍率の計算式
EBITDA有利子負債倍率 = 有利子負債 ÷ EBITDA

簡単にいうと、有利子負債(つまり借金)を何年分のEBITDA(簡易キャッシュフロー)で返済することができるか?という指標です。

有利子負債は利息の発生する負債、つまり短期借入金や長期借入金、社債などのことです。

ソフトバンクが「純有利子負債」を重視しているのは、手持ちの現金は有利子負債から差し引いても問題ないだろうという認識からです。

借金が100億円あっても、手持ちの現金が30億円あるなら、実質的な借金は70億円であると考えられます。これが純有利子負債です。

ちなみに、ソフトバンクの例を紹介すると「純有利子負債EBITDA倍率」は、

  • ボーダフォン買収時:6倍強
  • スプリント買収時:3倍強

でした。

アメリカの携帯事業者である「スプリント」買収時は、借金の絶対額だけで言うと「借りすぎ」と指摘されていました。

しかし、既存事業の利益が増えているため、倍率で言えばボーダフォンを買収して携帯事業に参入した時よりも安全だと、アナリストや投資家にアピールしていたことを覚えています。

EBITDAのデメリット

注意

これまでEBITDAについて計算方法やメリットを述べてきました。

しかし、EBITDAにはデメリットもあります。EBITDAの知られざる落とし穴を知っておくと、投資家としてより成長できるはずです。

EBITDAはよく「簡易フリーキャッシュフロー」として説明されますが、この記事では一貫して「簡易キャッシュフロー」と言っていました。

なぜなら、EBITDAが示しているのは「簡易フリーキャッシュフロー」ではなく「簡易営業キャッシュフロー」という認識の方が正しいからです。

これは、一般的に述べられている教科書の内容に対して、私が疑問を抱く点のひとつです。

EBITDAとフリーキャッシュフローの違い

学ぶ

フリーキャッシュフローとは、最終的に手元に残る現金のことです。

上場企業はキャッシュフロー計算書を開示していますので、「営業キャッシュフロー + 投資キャッシュフロー = フリーキャッシュフロー」として算出することも多いです。

※営業キャッシュフローはマイナスになることが普通なので、結果的に営業キャッシュフローから投資キャッシュフローの金額を差し引いたものがフリーキャッシュフローとなります。

EBITDAはこのうち「営業キャッシュフロー」の部分のみを算出しており、投資キャッシュフローに相当する部分を考慮していません。

例えば、営業利益が100億円、減価償却費が10億円の企業の場合、EBITDAは110億円となります。

減価償却費に相当する10億円は、設備を導入した数年前に一括で支払い終えているので、現金流出の伴わない経費として扱い、減価償却費を足し戻して計算します。

ここまでは、これまでのEBITDAの説明で述べてきたとおりです。

しかし、継続的に設備投資が必要な企業の場合、毎年設備を購入する資金が流出しているのが普通です。

多くの企業は、一度設備投資をしたら終わりではなく、ビジネスの拡大や競争力を維持するために毎年多額の設備投資を継続しておこなっています。

先ほどのEBITDA110億円の企業が、営業利益が100億円、減価償却費が10億円に加えて、競争力を維持するために毎年30億円の新規設備を導入しなければならないとすれば、

営業利益:100億円
会計上の利益
減価償却費:10億円
既に支払い終えているので現金流出はなし
新規設備の導入:30億円
減価償却費して経費計上するので損益計算書の経費には計上されないが、実際は30億円のキャッシュアウトとなっている

となるため、最終的な手残り現金であるフリーキャッシュフローは「100億円 + 10億円 - 30億円 = 80億円」となります。

しかし、EBITDAの成長をアピールする企業は、こうした「新規の設備投資の存在」を完全に無視しています

実はこの点について、著名投資家のウォーレンバフェットも警鐘を鳴らしています。

EBITDAを酷評するウォーレンバフェット

ウォーレンバフェット

企業が事業規模を拡大したり、ビジネスの競争力を維持していくためには「設備投資」が不可欠です。

しかし、投資には大きく分けて2つの種類があります。

投資額に対して価値の下がらない投資
M&Aによって買収した子会社が、その後も永続的に利益を維持・拡大できるのであればその買収は「のれん代」を踏まえても価値のある投資といえます。

また、耐用年数10年のソフトウェアに設備投資をした結果、10年後に減価償却が終わったあともそのソフトウェアが利益を生み続けているのであれば価値があります。

企業買収については「目利き」の部分が大きいですが、10年前に開発したソフトウェアが10年経ったあとも最先端のソフトとして活躍している可能性は低いでしょう。

少なからず追加の投資やメンテナンスが必要になるはずですが、EBITDAではこの部分が考慮されていません。

投資額に見合わない価値の下がる投資
M&Aで買収し、「のれん代の償却年数を最長である20年」に設定している企業は意外と多いです。

これは、買収した会社が生み出す価値が20年後も継続しているということを意味しています。

しかし、もし企業買収が失敗に終わり、買収した会社が3年後からは赤字を垂れ流す企業になった場合はどうでしょうか。

この場合、既に価値のない子会社の購入価格を20年に分割して先延ばしすることになります。(大抵の企業は途中で減損しますが)

同じように、ソフトウェアや機械設備のの多くは、購入して10年以内に競争力を失って使い物にならなくなったり、時代にそぐわない設備となってしまうため、企業は継続的に新しい設備を導入し続けなければなりません。

しかし、EBITDAはこれらを完全に無視した指標となっています。

投資家のウォーレンバフェットはこの問題についてうまく表現しています。

もし10年分先に支払ったのが従業員の給料だとしたらどうだい?

2年目以降の給料を『ノン・キャッシュ費用だから』となかったことにするのが正しい考え方だと思うかい?

減価償却費は複雑なテーマですが、だいたいは実際に費用がかかるものです。少なくともバークシャーではそうです。

減価償却費よりも実際の費用を少なくすればビジネスは競争力を保つでしょうが、51年間その方法を見つけることはできませんでした。

実際に、鉄道事業での減価償却費は、単に鉄道を正常に保つのに必要な額より低くなってしまっています。このミスマッチのせいでGAAPの利益が実際の利益よりも高くなってしまうのです。

CEOやインベストメントバンカーが、EBITDAなどの償却費を含める前の数字を使うとき、(ピノキオのように)彼らの鼻が伸びていないか注意してください。

EBITDAという言葉を見る度に、でたらめな収益という言葉で置き換えるべきだと私は思う。

チャーリー・マンガー(バークシャー・ハサウェイ副会長)

減価償却費はきわめて現実的なコストである。利益を計算するとき除外すべきではない。

EBITDAを導入した企業は、見かけ上増加したキャッシュフローを担保に、さらなる借入を行ない、レバレッジド・バイアウト(LBO)といった企業買収に手を染めて、楽しい金儲けにうつつを抜かしたのである。

ウォーレンが指摘するとおり、EBITDAを操るウォール街の専門家たちは、ひとつの事実を無視している。

印刷機の減価償却が終わったとき、新しい印刷機を買うために、実際に100万ドルの現金が必要になるという点だ

出典:史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力

Wikipediaでも同様の説明が行われています。

一方でEBITDAには、過剰な設備投資やM&Aによって生じた損失をマイナス要因として取り込むことができないという欠点がある。

実際、アメリカでは過去に「ワールドコム」という会社が巨額の破綻を引き起こしています。

ワールドコムはEBITDAの増加で高い評価を得ていましたが、実際は本来経費として計上すべき費用を「設備投資」という名目で計上していました。

EBITDAの計算において設備投資による費用(現金流出)はカウントされません。

ワールドコムはEBITDAの抜け穴をうまく突くことで業績を良く見せようとしていたのです。

教科書で説明されているように、EBITDAを「簡易フリーキャッシュフロー」として解釈するのではなく、EBITDAはあくまでも「簡易営業キャッシュフロー」であり、そこから設備投資である「投資キャッシュフロー」を差し引いたものが、フリーキャッシュフロー(手残り現金)となることを覚えておきましょう。

EBITDAを重視するソフトバンク

ソフトバンク

ソフトバンク(9984)は以前からEBITDAの増加を経営指標として掲げています。

目標とする経営指標
当社は、調整後EBITDAの成長および保有株式価値の増大を通じて、中長期的に企業価値の最大化を図っていきます。

調整後EBITDA = 営業利益(損失) + 減価償却費及び償却費 ± 企業結合に伴う再測定による利益 ± その他の調整項目

出典:ソフトバンク

ソフトバンクがEBITDAの増加を重視する理由は、同社がM&A(企業買収)によって大きな成長を遂げている企業だからです。

また、ソフトバンクは海外の企業を多数傘下に抱えるグローバル企業であり、海外投資家の注目度も高い企業です。

よって、国によって異なる税率や金利などを除外して計算するEBITDAを経営指標とするほうが都合がよいということなのでしょう。

EBITAを開示するオイシックスドット大地

オイシックスドット大地

かなりマイナーですが「EBITA」という指標も存在します。EBITDAから「D」を抜いたものですね。

このEBITAを開示しているのが、オイシックスドット大地(3182)という野菜宅配の会社です。

オイシックスではEBITAの計算を「EBITA = 営業利益 + のれん償却費」としており、EBITDAの計算式は「EBITDA + 減価償却費 + のれん償却費」としています。

オイシックスは、有機野菜を中心とした美味しい野菜を自宅に宅配するビジネスを展開している企業で、業界では大手の会社です。

「大地を守る会(非上場)」という同業の大手企業があり、両者はライバル関係にあったのですが、話し合いの結果、オイシックスと大地を守る会は経営統合することになりました。(2016年の話です)

オイシックスと大地を守る会が合併した結果、社名も「オイシックスドット大地」となり、引き続き上場を続けています。

この時に生じる問題を考えてみます。

オイシックスと大地を守る会はほぼ同じくらいの企業規模、売上、利益を創出している会社(そのように企業価値を評価した)でした。

両者が合併することによって、企業規模も2倍、利益も2倍、発行済み株式数も2倍になった結果、見かけ上の利益は倍増しているのですが、1株あたり利益(EPS)はほとんど変わらないという状況にありました。

なぜなら、企業買収によって生じた「のれん代」は減価償却しなければならないため、継続的な費用として決算書上の利益を圧迫することになるからです。

こうなると、1株あたりの利益(EPS)は「のれん償却費」という経費によって下がってしまい、株主から反感を買うことになります

営業利益の絶対額
大幅に増加する。見かけ上は利益が大きく増えたように感じる
1株あたりの利益(EPS)
発行済株式数も2倍になっているので変化なし。しかし、これに加えてのれん償却費が生じるため、実際のEPSは買収前よりも下がってしまう。

そこでオイシックスドット大地が買収とともに掲げたのが「EBITDA」です。

「のれん償却費」や「減価償却費」を無視して利益を計算することによって、大地を守る会を買収したことによって利益が増加していることを株主に伝えられます。

しかし、大地を守る会を買収したタイミングで、これまでは減価償却費として計上していた「オフィスの内装費」や「倉庫の設備」まで無視してしまうのはどうなのか?という声も聞こえてきそうです。

そこで、減価償却費に関しては経費として計上するものの「のれん償却費」については無視して業績を開示しているのが「EBITA(営業利益+のれん償却費)」となります。

これまでは減価償却費を含めた、営業利益や1株あたり利益を指標としていた

大地を守る会の買収によって、のれん償却費が負担となり1株あたり利益は減収となってしまう

しかし、本来であれば永続企業である「大地を守る会ののれん代」を償却費として計上する必要はない(日本会計基準ではのれん代の減価償却が必要だが、国際会計基準ではのれん償却費は原則不要)

そこで、1株あたりEBITDAを開示することで株主利益が増加していることを示した

日本会計基準だとM&Aをすればするほど、のれん償却費が重くなるために1株あたり利益(EPS)が下がってしまいます。

しかし、EPSが下がってしまっていては、株主からの理解は得られません。

そこで「1株あたりEBITDA」を重視することで、のれん償却費を除外し、株主からの理解を得ようとするのは企業側の立場になると当然のことのようにも思います。

今回はEBITDAについて長々と書きましたがいかがだったでしょうか。
認識不足の部分もあるかもしれませんので、質問やツッコミはコメントにてお願いいたします。

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つみたてNISAでひふみ投信とひふみプラスではどちらが良いか考えた

つみたてNISAでひふみ

つみたてNISAは、金融庁が厳格なルールを設定したことで「本当に顧客目線の良い投資信託」だけが販売されています。

以前から個人投資家に人気のあった「ひふみ投信」や「ひふみプラス」もつみたてNISAの対象商品と選ばれており、ますます「ひふみ」の勢いが加速しそうです。

今回は、つみたてNISAで長期の積立を行った場合、ひふみ投信とひふみプラスではどちらを選んだほうがお得か考えてみました。

ひふみ投信の利回り

利回りの計算式

ひふみ投信は国内株式に投資するファンドです。これまでに驚異的なリターンを記録し続けているため、テレビでの特集をきっかけに個人投資家から絶大な指示を得ています。

記事執筆時点(2017年12月)で過去5年間の年率リターン(利回り)は、

  • 過去1年間:年率43.66%
  • 過去3年間:年率21.53%
  • 過去5年間:年率28.64%

となっています。
特に直近1年間のリターンは驚くべき数値となっており、1年前にひふみ投信を1,000万円買っていた場合、たった1年で1,436万円になっています。

証券会社を通じて販売されている「ひふみプラス」も基本的には中身は同じです。

つみたてNISAの場合、最大20年間において投資利益が非課税となります。

過去5年間の利回りである28.64%を参考に、つみたてNISAでひふみ投信を20年運用するとどうなるか、積立シミュレーターで確認してみてください。

積立シミュレーター

毎月の積立額万円

利回り(年率)%

積立期間

ヶ月間

計算結果(グラフ)

計算結果(表)

つみたてNISAの年間投資枠は40万円なので、月換算すると毎月最大33,000円程度が積立できます。

仮に毎月33,000円を20年間、年率28.64%で運用した場合、20年後の資産は3億9,593万円になっています。

これが利益確定した段階で非課税になると思うと、ワクワクしてしまいます。

しかし、ひふみ投信が将来においてもこれだけの高リターンを出せるかどうかはわかりません。

ひふみ投信は和製バフェットになれるか

ウォーレンバフェット

投資信託は運用資産の規模が大きくなるほど、高いリターンを維持するのが難しくなります。

既にひふみ投信でも国内株式の投資に限界が出てきているため、マイクロソフトやアマゾンなどの外国株への投資をすすめています。

私は、これからひふみ投信の利回りは年々下がってくるのではないか?と考えています

しかし、先ほどのシミュレーターをもう一度試していただきたいのですが、仮に利回りが10%まで落ち込んだとしても、それなりに満足できる結果になるのではないでしょうか。

今後リターンの鈍化可能性が高いとは言え、やはりひふみ投信が期待できる良い投資信託であるという事実は今後も変わりません。

もちろん、ひふみ投信がこれからもずっと20%以上のリターンを維持し続ける可能性もあります。

なぜなら、著名投資家のウォーレンバフェットは、年間平均22.6%のリターンを37年間継続したことで世界一の大富豪になったからです。

ひふみ投信が「和製バフェット」と言えるほどの結果を出し続けることができるかどうかはわかりませんが、少なくともそこに賭けてみる価値はありそうです。

圧倒的に低い信託報酬で運営

インデックスファンドとアクティブファンドの違い

投資信託には

  • インデックスファンド
  • アクティブファンド

の2種類があります。
本来なら、コストの低いインデックスファンドに投資をするのが王道です。

しかし、ひふみ投信はアクティブファンドでありながら、高いリターンを出し続けていると共に、他のアクティブファンドよりも低いコストで運営されていることで知られています。

ひふみ投信の信託報酬は0.98%+税となっています。

2016年10月1日~2017年10月2日の第9期の実質コストを見ても、そのコストの低さは際立っています。

ひふみ投信の実質コスト

ひふみ投信の信託報酬以外のコストは税込ベースで0.294%程度と優秀です。

つみたてNISAでひふみ投信とひふみプラスを比較

年率リターンの比較

つみたてNISAで私たちは、2つのひふみ投信を選択できます。(もちろん両方投資しても良いですが)

ひふみ投信
資産運用会社のレオス・キャピタルワークスが販売している直販商品
ひふみプラス
証券会社や銀行などが販売している商品

基本的な中身はどちらも同じなのですが、ひふみプラスは販売会社が間に入るため、証券会社や銀行によっては購入時手数料がかかることがあります。

楽天証券やSBI証券であれば、ひふみプラスの購入時手数料は0円です。

また、両者は信託報酬に若干の違いがあります。

▶ひふみ投信
購入時手数料は0円

信託報酬は0.98%+税

保有期間に応じて信託報酬の減額が行われる。
5年~10年保有で0.78%+税
10年以上保有でさらに0.58%+税

毎月の積立金額は最低1,000円から

▶ひふみプラス
購入時手数料は販売会社によって最大3%+税(楽天証券やSBI証券なら無料)

信託報酬は0.98%+税

純資産総額によって信託報酬を減額
500億円を超える部分は0.88%+税
1,000億円を超える部分は0.78+税

最低積立金額は証券会社によって異なる
楽天証券なら最低100円からの積立が可能。楽天スーパーポイントを使っての積立も可能。

SBI証券の場合は最低100円から「毎日積立」が可能。

上記を踏まえて、つみたてNISAでは「ひふみ投信」と「ひふみプラス」のどちらがお得になるか考えてみました。

ひふみプラスの方がお得に

財布を持つ女性

直販口座のひふみ投信と、証券会社・銀行で購入するひふみプラスの比較では、ひふみプラスの方がお得になると考えています。

ひふみプラスは信託報酬の減額条件が「純資産総額が1,000億円を超える部分」となっています。

しかし、実はひふみプラスの純資産総額は記事執筆時点(2017年12月)ですでに4,000億円を超えている状態です。

つまり、スタート時点ですでに直販口座の「ひふみ投信」よりも信託報酬が低い状態で運用を始められるのです。

おそらく、ひふみプラスの純資産総額はこれからも伸び続けるでしょうから、基本的にひふみプラスの信託報酬は0.78%+税に近いコストであると考えて問題ないと思います。

一方で、直販口座のひふみ投信は、信託報酬の減額を受けるまでに最低でも5年間は待たなくてはなりません。

また、SBI証券の場合「投信マイレージサービス」というポイントバックの制度によって、年率0.1%が還元されます。

投資信託の合計運用資産が1,000万円を越えると、還元率が0.2%にアップします。

投信マイレージサービスのポイントバックは「年率」でもらえるため、実質的には毎年発生する信託報酬をさらにお得にする効果があります。

投信マイレージサービスはつみたてNISAも対象となっているため、SBI証券でひふみプラスを購入すると、さらに実質0.1%お得(運用資産が1,000万円以上の方なら0.2%お得)となります。

楽天証券もハッピープログラムによる同様のサービスを展開していますが、還元率が0.048%と見劣りします。

つみたてNISAの運用期間が最長20年であることを考えると、「SBI証券でひふみプラスを買う」というのが最もお得になると私は考えています。

また、SBI証券であればひふみプラスを最低100円から積立できますので、初めて資産運用する方でも安心して始められると思います。

SBI証券ならではのサービスとして「毎日積立」もありますので、より細かく積立をしたい方にも向いています。

SBI証券 公式サイトはこちら

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たわらノーロード先進国株式の評価、信託報酬や実質コストをニッセイと比較

たわらノーロード先進国株式

たわらノーロード先進国株式は、23カ国の先進国を投資対象としている投資信託です。

アップルやマイクロソフトのような名だたる企業をはじめ、1,300銘柄を超える株式に世界分散投資ができます

海外株式は資産運用において「ハイリスク・ハイリターン」と言われていますが、世界経済は長期的に着々と成長を続けており、長期の利回りでは年率7%前後の収益性が期待できます

この記事では、たわらノーロード先進国株式の利回りや信託報酬、そしてライバルであるニッセイ外国株式インデックスファンドと実質報酬を比較しました。

また、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して、たわらノーロード先進国株式をお得に購入する方法についても紹介しています。

信託報酬の低さで個人投資家に人気

信託報酬

たわらノーロードシリーズは、信託報酬の低さとノーロード(購入時手数料0円)を全面的に打ち出した投資信託です。

投資信託には大きく分けて2つのコストがかかります。(実質コストについては後ほど詳しく解説します)

  • 購入時手数料
  • 信託報酬

このうち、購入時手数料が0円の投資信託を「ノーロードファンド」と言い、最近この手の投信は増えています。

また、信託報酬は「資産運用会社(投資のプロ)や販売会社(投信販売のサポート)、信託銀行(顧客資産の管理)」に支払う手数料のことで、保有資産に対して年率で発生するのが特徴です。

たった0.1%の信託報酬が大きな影響を及ぼす理由は、信託報酬が年率で発生するために、運用資産が100万円なら毎年1,000円で済む手数料が、資産が1,000万円になると毎年1万円のコストになってしまうからです。

資産が大きくなればなるほど0.1%の信託報酬の差が無視できない金額となります。

このような中、信託報酬の低さを打ち出した「たわらノーロードシリーズ」がヒットし、個人投資家の人気を集めたのです。

たわらノーロード先進国株式は、インデックスファンドの中でも特筆して低い信託報酬を打ち出しています。

しかし、ニッセイ外国株式インデックスファンドなど、同類の他のファンドと比較するとやや見劣りします。

▶先進国株式インデックスファンドの信託報酬を比較

※信託報酬は税抜です
※いずれも購入時手数料0円のノーロードです

記事執筆時点(2017年12月)時点で信託報酬が最安である2つの投資信託と比較して大きな信託報酬差をつけられています。

理由としては、ここ数年で資産運用会社同士での「信託報酬の引き下げ競争」が起こっているからです。

以前はたわらノーロード先進国株式の信託報酬は最安クラスでしたが、現在は他社がそれに追従し、信託報酬が高く見えてしまうのはとても残念なことです。

ちなみに、0.036%の信託報酬の差は運用資産が1億円でも年間36,000円のコスト差にとどまるレベルです。

アセットマネジメントOneについて

たわらノーロードシリーズは、「アセットマネジメントOne(旧DIAMアセットマネジメント)」という資産運用会社が展開している商品です。

あまり聞き慣れない運用会社だと思って怪しいと感じる方もいるかもしれませんが、その心配は不要です。

アセットマネジメントOneはみずほフィナンシャルグループの資産運用会社であり、国内トップクラスの受託資産残高を有しています。

実質コストでは最安

投資信託の実質コスト

投資信託を比較する上で信託報酬が最も重要であることは間違いありません。

しかし、最近は一部の個人投資家が「実質コスト」に着目しています。

同じ種類の投資信託でも、

  • マザーファンドを有しているか
  • 純資産が大きいか

によって安定性が異なります。
マザーファンドを通じて運用を行っており、また純資産が大きくなるほどコスト効率が高くなったり、値動きがより安定し正しい基準価格を反映します。

たわらノーロードはマザーファンドを通じて運用が行われており、また純資産も外国株式インデックスファンドの中では大きめです。

こうした差は、「実質コスト」に跳ね返ってきます。

実質コストを調べるには運用報告書に記載されている「1万口あたりの費用明細」を確認する必要があるため、ある程度実績が出てからでなければわかりません。

記事執筆時点ではまだインデックスファンド各社のデータが出揃っていないため、もう少し待ってから本格的な比較を行いたいと思います。

しかし、現時点ではたわらノーロード先進国株式は実質コストの比較で最安となっています。

▶実質コストでの比較

たわらノーロード先進国株式
第1期:2015年12月18日~2016年10月12日
信託報酬:0.199%
その他費用等:0.03%
実質コスト:0.229%

ニッセイ外国株式インデックスファンド
第3期:2015年11月21日~2016年11月21日
信託報酬:0.260%
その他費用等:0.119%
実質コスト:0.379%

※税込です
※ニッセイ外国株式インデックスファンドは現在の信託報酬は上記時点よりも引き下げられています
※その他の投資信託は運用報告書が出揃っていない状態です

たわらノーロード先進国株式の会計期間が1年未満となっているため、正しい比較が難しい状況です。

しかし、「その他費用等」に目を向けてみるとたわらノーロード先進国株式が信託報酬以外の費用において非常に優秀であることがわかります。

ニッセイ外国株式インデックスファンドの方が信託報酬では一歩リードしていますが、実質コストで比較すると、どちらが良いとは一概には言えないです。

利回りは7%前後になる

リスクマップ

たわらノーロード先進国株式は「MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み)」という指数に連動するインデックスファンドです。

この指数は日本を除く世界の経済成長を反映しており、先進国23カ国の時価総額の80%をカバーしています。つまり、世界経済の成長に伴って、たわらノーロード先進国株式も値上がりすると言うことです。

利回りについては、短期的には大きく変動するため、儲かったり損したりすることもあります。

しかし長期的には、たわらノーロード先進国株式の利回りは年率7%前後になると考えています。

上記のリスクマップで示す通り、1970年~2015年の長期のデータでは、海外株式の年率リターンは7.4%となっています。

また、たわらノーロード先進国株式の投資対象国のうち6割以上が米国となっています。米国の代表的な指数「S&P500」の年率リターンを、2016年を軸として考えた場合は以下の通りとなります。

▶S&P500の2016年~過去の年率リターン

  • 過去50年:9.73%
  • 過去30年:9.89%
  • 過去20年:7.94%
  • 過去10年:6.98%
  • 過去5年:11.52%

このうち、過去5年の部分はリーマンショックからの復活による値上がり、過去10年の部分はリーマンショックによる落ち込みが反映されていますので特殊要因です。

しかし、長期のになればなるほど米国の指数であるS&P500は10%弱の利回りに落ち着いています。

たわらノーロード先進国株式は米国に一極集中するわけではなく、日本を除くその他の先進国にも投資を行いますので、S&P500のリターンをやや下回り、5%~9%程度の利回りで試算するのが妥当であると思います。

こちらのシミュレーターで将来の資産を予測できます。

積立シミュレーター

毎月の積立額万円

利回り(年率)%

積立期間

ヶ月間

計算結果(グラフ)

計算結果(表)

つみたてNISAを活用した場合、毎月最大3万3,000円の積立ができます。運用期間は20年間です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)は職業によって積立可能額が異なりますが、一般的なサラリーマンの方なら月23,000円が積立の上限額となります。

分配金有無について

記事執筆時点(2017年12月)では、たわらノーロード先進国株式は一度も分配金を出していません。

しかし、目論見書を見る限りでは将来、運用会社の決定によって分配金が発生する可能性もあります。

分配金をもらえると嬉しいものですが、投資リターンを最大にするためには「分配金を再投資」にすることが不可欠です。

たわらノーロード先進国株式による運用でリターンを少しでも大きくしたい場合は、分配金の受取を我慢して、再投資コースを選択することをおすすめします。

為替ヘッジあり・なしの選び方

為替ヘッジ

たわらノーロード先進国株式には、

  • 為替ヘッジあり
  • 為替ヘッジなし

の2つの投資信託が存在します。

外国株式に投資する場合、実際の投資損益に加えて為替変動による損益が発生します。円と外貨の為替レートが円安になれば利益が上振れし、円高になれば利益が下振れします。

これを回避し、純粋に投資損益だけを享受できるのが「たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)」の特徴です。

しかし、個人的には「為替ヘッジなし」をおすすめします。(実際、為替ヘッジなしの方が人気です)

理由としては、為替ヘッジを行うための「ヘッジコスト」が年率1%以上かかってしまうからです。

0.1%の信託報酬を気にすべき投信業界において、1%以上のヘッジコストをかけるという選択は、良いとは言い難いです。

為替ヘッジについての詳しい解説は「為替ヘッジあり・なしの違い!コストを考えて必要かどうか判断すべし」という記事で行っています。あわせてご覧ください。

たわらノーロード先進国株式をiDeCoで購入する

楽天証券のiDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して、節税メリットと将来の年金づくりを考えている方も多いと思います。

iDeCoは金融機関(銀行・証券会社など)によって取り扱い商品が異なるため、低コストな投資信託をラインナップに加えている金融機関を選ぶのがおすすめです。

iDeCoの運用商品として「たわらノーロード先進国株式」を扱っているのは、

です。

中でも、楽天証券のiDeCoは

  • 口座管理手数料が0円
  • 低コストな投資信託が充実している

という2つのメリットがあり、個人投資家に人気です。
楽天証券は「たわらノーロードシリーズ」を積極的にiDeCoに採用しているため、先進国株式だけでなく、国内株式や債券ファンドにおいてもトップクラスの商品が選択できます。

楽天証券のiDeCoでおすすめの投資信託はこちらの記事で解説しています。

▼iDeCoの金融機関の比較はこちらの記事で詳しく行っています▼

つみたてNISAで購入する

つみたてNISA

iDeCoが将来の年金づくりであるのに対して、つみたてNISAは将来の資産形成の役割を担います。

iDeCoとつみたてNISAの違いについてはこちらの記事で書いていますが、最長20年間の運用の中でいつでも途中売却できるのが「つみたてNISA」のメリットです。

楽天証券やSBI証券などのネット証券を筆頭に、たわらノーロード先進国株式は多くの証券会社で販売されています。(ただし、信託報酬の低さから大手証券会社では取り扱っていないことも多いです)

つみたてNISAでたわらノーロード先進国株式を購入する場合、おすすめの証券会社はSBI証券です。

SBI証券には「投信マイレージサービス」という仕組みがあり、投資信託の保有残高に応じて最大で年率0.2%のSBIポイントが付与されます。

このサービスの良いところは、「年率」でポイントが毎年もらえるため、実質的には投資信託の信託報酬をさらに引き下げることができる点です。

貯めたSBIポイントは、他社のポイントサービスや現金キャッシュバックと交換可能です。

たわらノーロード先進国株式の場合、投信マイレージサービスでの還元率は年率0.05%となっています。

つまり、本来は信託報酬が0.225%であるものの、ポイント還元を考慮すると実質0.175%の信託報酬で運用できるため、他の証券会社で投信を買うよりもお得です。

楽天証券も同様の仕組みとして「ハッピープログラム」を展開していますが、ハッピープログラムの場合、ポイント還元率がSBI証券よりも若干劣ります。

▼つみたてNISAのおすすめ商品はこちらの記事で解説しています▼

楽ラップで購入する

楽ラップ

これはあまり知られていない方法なのですが、実は「たわらノーロード先進国株式」には「為替ヘッジあり・なし」の他に「たわらノーロード先進国株式<ラップ向け>」というものがあります。

この商品は、楽天証券が展開しているロボアドバイザー「楽ラップ」の専用商品となっており、一般販売は行われていません。

また、楽ラップは自動的に分散投資を行うロボアドバイザーなので、たわらノーロード先進国株式<ラップ向け>だけを単体で買付することもできません

しかし、たわらノーロード先進国株式<ラップ向け>は信託報酬が0.205%+税と通常よりも設定されており、一般販売されているたわらノーロード先進国株式よりも0.2%ほど低コストとなっています。

やや特別な扱いにはなるものの、楽ラップにも低コストな投資信託が豊富に揃っていますので、ロボアドバイザーでおまかせ運用をしたい方は候補に入れても良いと思います。

楽ラップについての記事はこちらです。私の運用実績も公開しています。

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EXE-i(エグゼアイ)つみたてNISA対応ファンドの信託報酬が低すぎる

EXE-i(エグゼアイ)

SBIアセットマネジメントが展開している低コスト投資信託「EXE-i(エグゼアイ)」シリーズに、つみたてNISA対応ファンドが登場しました。

iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAのスタートに伴い、インデックスファンドは各社ともに信託報酬を大幅に引き下げ、コスト引き下げ競争が激化しています。

そのような状況で、競争優位性が失われつつあったEXE-iシリーズも、対抗策として本気度の高い「つみたてNISA対応ファンド」を出したきた状況です。

実はこの投資信託、かなり凄いことになっています。

SBI証券の投信マイレージがもらえない

泣く女性

SBI証券は「投信マイレージサービス」を展開しています。

これは、投資信託の保有残高に対して「年率」で毎年SBIポイントを付与するサービスです。

SBIポイントは1ポイント=1円の価値がありますから、投信マイレージサービスの料率分だけ、実質的な信託報酬をさらに引き下げる効果がありました。

つまり、同じ投資信託を保有するにしても、他の証券会社で購入するよりSBI証券で買った方がお得になるという評判のサービスでした。

しかし、投信マイレージはいわばSBI証券が利益の一部を顧客に還元する施策ですから、投資信託(特にインデックスファンド)の手数料引き下げによって利幅が低下する中で、付与される料率も下がりつつあります。

投信マイレージの付与率

▼通常のファンド

  • 投信残高合計が1,000万円未満:年率0.1%の還元
  • 投信残高合計が1,000万円未満:年率0.2%の還元

▼低コストなインデックスファンド

  • 投信残高に関係なく:一律で年率0.05%の還元

▼さらに低コストなインデックスファンド

  • 投信残高に関係なく:一律で年率0.03%の還元

楽天バンガード投信など一部の投資信託

▼EXE-iつみたてシリーズ

  • 投信残高に関係なく:0.00%の還元 ← NEW

EXE-i(エグゼアイ)つみたてシリーズについては驚くことに、投信マイレージのポイント付与率が0%になるという異例の事態が起こりました。

これは私たちにとって残念なことではありますが、逆に考えると「SBI証券が利幅ギリギリで販売する渾身の超低コスト投資信託」とも言えるのです。

楽天バンガード投信に対抗

バンガード

すでに、国内株式・国内債券に投資するインデックスファンドは信託報酬がかなり下がっていました。

しかし、先進国株式や新興国株式を投資対象としたインデックスファンドのコストは、まだまだやや高めの設定となっていました。

そこに一石を投じたのが楽天投信の「楽天バンガード投信」です。

楽天バンガード投信とは?

楽天投信投資顧問が、超低コストインデックスファンドとして世界的に有名な「バンガードETF」とタッグを組んで販売する商品。

中身はバンガードETFを買付するというだけの単純なものだが、バンガードETFのコストがあまりに低すぎるため、これまでになかった外国株投信として話題となった。

この商品は私も購入している商品です。

楽天バンガード投信の詳細は「バンガードETF「VT」と「VTI」の自動積立を実現、楽天・全世界株式インデックス・ファンドと楽天・全米株式インデックス・ファンドが凄い」という記事で解説しています。

楽天バンガード投信が外国株式インデックスファンドの低コスト化を実現したことで、SBIアセットマネジメントのEXE-i(エグゼアイ)をはじめ他社も追従をはじめました。

信託報酬を比較

比較

記事執筆時点(2017年12月)の各社の状況は下記の通りです。(いずれも税抜、購入時手数料0円のノーロードファンド)

先進国株式インデックスファンド

EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド
信託報酬:実質0.139%
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.109%
ベンチマーク:FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド
信託報酬:実質0.222%
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.192%
ベンチマーク:FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)

eMAXIS Slim先進国株式インデックス
信託報酬:実質0.1095%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.139%
ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)

ニッセイ外国株式インデックスファンド
信託報酬:実質0.189%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.139%
ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)

新興国株式インデックスファンド

EXE-i つみたて新興国株式ファンド
信託報酬:実質0.180%
投信マイレージ還元率:0.00%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.180%
ベンチマーク:FTSE エマージング・インデックス(円換算ベース)

楽天・新興国株式インデックス・ファンド
信託報酬:実質0.250%
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.220%
ベンチマーク:、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース)

eMAXIS Slim新興国株式インデックス
信託報酬:実質0.190%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.140%
ベンチマーク:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)

ニッセイ新興国株式インデックスファンド
信託報酬:実質0.339%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.289%
ベンチマーク:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)

現在、手数料の引き下げ競争が激化しているため、今後さらに他社が追従する可能性もあります。

EXE-iと楽天バンガードがほぼ同じ指数、eMAXIS Slimとニッセイが同じ指数となります。

MSCIインデックスとFTSEインデックスの違いについては、「バンガードのETFを徹底比較、VT・VTI・VWO・VYMの違いと利回り」という記事で詳しく解説しています。

若干の違いはあるものの、概ね同じ方向性の指数と考えて問題はありません。

上記を比較してみると、SBI証券での投信マイレージを無視した場合、EXE-iのつみたてシリーズが最強であることがわかります。

ちなみに、SBI証券の「投信マイレージサービス」は(つみたてNISAを含む)NISA口座で購入した投資信託も対象となっています。

EXE-iつみたてシリーズの評価

管理人の評価

結論からいうと、

  • EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド
  • EXE-i つみたて新興国株式ファンド

の2つはかなりおすすめできる商品です。

EXE-i(エグゼアイ)の評価についてはこちらの記事で紹介したとおりです。

エグゼアイは一般的な投資信託ではなく、複数のETFに投資するファンド・オブ・ファンズです。参考までに各社の違いをまとめます。

EXE-i(エグゼアイ)
複数のETFに投資するファンド・オブ・ファンズ
楽天バンガードETF
バンガードETF1本に投資するファンド・オブ・ファンズ
eMAXIS Slim・ニッセイ
株式に直接投資して運用するタイプの投資信託

これが、ベンチマークとしている指数や実質コスト面でどのように出てくるのかは運用結果をしばらく見てみないことにはわかりません。

しかし、未来の運用結果はともかく「コスト」の低さだけは間違いありません

EXE-iつみたてシリーズは、「つみたてNISA」対象商品として販売されていますが、一般販売も行われていますので、今後

  • EXE-i グローバル中小型株式ファンド
  • EXE-i 新興国株式ファンド

といった「つみたてシリーズではないファンド」は、選ぶメリットが薄くなってくると思います。

積極的な乗り換えは推奨しません

注意

つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の登場によって、投資信託業界のコストが次々と引き下げられている状況です。

特にインデックスファンドは元々低コストだったものを筆頭に、資産運用会社の利幅は小さくなるばかりで、「これ以上下げることができるのか?」といつも驚いています。

信託報酬が下がることは、私たち個人投資家にとっては嬉しい限りです。

しかし、すでにコストは下がりきっているのも事実。

信託報酬に0.1%以上の差があるのであれば、現在保有している投資信託を売却して、同じ指数をベンチマークとしている新しい投信に乗り換えるのも良いと思います。

しかし信託報酬が0.01%違うからと言って乗り換えをするのは「やりすぎ」の状態です。

投資信託は解約した時点で「投資利益に対する税金」がかかります

この税金が無視できない金額であり、税金を支払うことによって大切な「複利効果」が失われてしまうのです。

長期の資産形成を考えている場合は、複利効果を最大化するためにも、より低コストな投信が出てきた場合は、「現在保有中の投資信託はそのまま保有したまま、新規により低コストな投信を買付する」ことをおすすめします。

あくまでも以前から持っていたファンドの保有を継続したまま、新しいファンドに乗り換えていくというスタンスです。

EXE-iつみたてシリーズの登場で、少なからずこの商品を購入する人もいるでしょう。

しかし、今後楽天バンガード投信やニッセイ・eMAXIS Slimなどがさらにコストを引き下げてくる可能性も十分考えられます。

つみたてNISAで購入できるおすすめの投資信託は、「2018年スタート!つみたてNISA対象商品でおすすめの投資信託を厳選」の記事で案内しています。

また、iDeCo(個人型確定拠出年金)に関する記事は、「ローリスクde資産運用」のカテゴリで解説しています。

本記事でも取り上げた、eMAXIS Slimについても過去記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

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四半期配当を出している銘柄一覧、年4回の株主配当金を出す企業の調べ方

株主配当

上場企業の中には1年に4回(3ヶ月ごと)に株主配当を出している「四半期配当」の銘柄があります。

多くの企業は年2回(中間決算・期末決算時)が配当金を出すタイミングですが、株主としては3ヶ月に一度、投資先から配当金がもらえると嬉しいですよね。

今回は、四半期配当を出している銘柄一覧と、四半期配当を実施している企業の調べ方を紹介します。

四半期配当銘柄の一覧

東証

最近は、国内企業でも四半期配当を実施する企業が増えてきました。

と言っても米国と比べてその数はまだ少なく、日本では「年2回の配当金」という考え方が定着しています。

四半期配当を実施している代表的な企業としては大手自動車メーカーの「ホンダ」が有名です。

ホンダ(7267)

自動車やバイクで有名な日本を代表する企業の一社です。

最近ではロボット分野にも進出しており、様々な種類のロボットを開発しています。中でもホンダの「Asimo(アシモ)」は有名ですよね。

あおぞら銀行(8304)

店舗数はそこまで多くありませんが、東京を拠点としている普通銀行です。

旧「日本債券信用銀行」であり、経営破綻した後に外資系ファンドのサーベラスに買収されました。

長らく「外資系」の銀行となっていましたが、現在はサーベラスが保有株を売却し、普通の銀行となっています。

同じく四半期配当を実施しているGMOインターネットグループと、新しいネット銀行を開業する予定なので楽しみです。

ホギメディカル(3593)

医療用不織布や医療用キットなどを販売する大手メーカーです。

株主優待としてクオカードやカレンダーなどを進呈しており、株主還元に積極的な印象を受けます。

光通信(9435)

携帯販売など営業でのし上がったことで有名な光通信も四半期配当を実施しています。

法人営業や通信回線、ウォーターサーバーまでとにかくなんでも売るという営業に強い会社です。

GMOインターネット(9449)

レンタルサーバーやドメイン事業をはじめ、さまざまなインターネットサービスを展開するGMOインターネットグループ。

「総還元性向50%」を掲げており、配当性向と自社株買いを合わせて、利益の50%を株主に還元する姿勢を示しています。

最近では、仮想通貨のマイニングや取引所(GMOコイン)の事業に進出していることでも知られています。

GMOクリックホールディングス(7177)

同じくGMOグループの金融会社も四半期配当です。

この記事で、GMOクリック証券の会社四季報について取り上げていますが、まさにそのGMOクリック証券を運営しているのが、GMOクリックホールディングスです。

FX(外国為替証拠金取引)などでも有名な証券会社ですね。

リソー教育(4717)

高所得な家庭を中心に、個別指導の塾「TOMAS」を展開している教育事業会社です。

株主還元100%を実施しており、余った利益は内部留保せずに株主にきちんと返すという姿勢が好感できます。

リンクアンドモチベーション(2170)

やる気を高めるために組織向けのコンサレウティングなどを手がけている会社です。

高い成長を誇っているため、内部留保が優先ですがわずかながら配当金は年4回に分けて支払っています。

スミダコーポレーション(6817)

車載や通信用にコイルの製造開発を行っている会社です。

消費者向けの商品を製造しているわけではないので、あまり馴染みがないですが、四半期配当を実施することで株主還元を意識した経営をしていることがわかります。

日本創発グループ(7814)

旧「東京リスマチック」が、持株会社に移行したことから、グループ企業となりました。

主にDTP(コンピューターを使った印刷)を手がける企業です。

四半期配当実施企業の調べ方

分析

上記が四半期配当を実施している銘柄です。

四半期配当を実施している銘柄の調べ方として私が知っているのは「会社四季報」を活用する方法です。

また、情報の鮮度はわかりませんが、Wikipediaに「四半期配当実施企業一覧」を記載したページもあります。

会社四季報と言えば、本屋さんで書籍として購入するか、証券会社によって無料で提供されているものを使っている人がほとんどだと思います。

しかし、デジタル版の会社四季報である、

  • 会社四季報CD-ROM
  • 会社四季報オンライン

は、検索機能やスクリーニング機能が充実しているのでとても便利です。

例えば、会社四季報のデータを元に「3期連続増益銘柄」を絞込検索したり、話題のキーワード(例えば「人工知能」など)を入力するだけで、四季報の紹介文に「人工知能」というキーワードが入っている銘柄を絞り込めます。

この方法を使って、「会社四季報CD-ROM」または「会社四季報オンライン」で「四半期配当」とキーワードを入力して検索すると、四半期配当を実施している銘柄が調べられます。

無料で調べることもできる

会社四季報オンライン

キーワード検索を無料で行いたい場合は、会社四季報オンラインを使います。

しかし、会社四季報オンラインは有料のコンテンツとなるため、無料のままでは一部のデータしか閲覧することができません。場合によっては、入力したキーワードが検索にヒットしても、その紹介文が見れないこともあります。

私自身は、会社四季報CD-ROMを使っています。
会社四季報CD-ROM

会社四季報CD-ROMは7,000円程度で、四季報自体が年4回発売されるものなので、毎回購入していると年間28,000円程度の出費となります。

決して小さな金額ではないですが、先ほど紹介した「キーワード検索」や「強力なスクリーニング」、そして「過去の四季報のデータとの比較」ができるので、金額以上の価値があると思って買っています。

会社四季報CD-ROMは、書店やAmazon.co.jpで販売されています。最近はダウンロード販売も行われていますので、ネットですぐに買うことが可能です。

1年間の配当回数を調べるには

疑問

特定の企業の1年間の配当回数を調べる程度であれば、本屋さんでの立ち読みや、証券会社が口座開設者に対して無料で提供している四季報のデータでも十分です。

無料で見れる会社四季報のデータは、GMOクリック証券が一番見やすくておすすめです。

企業の年間配当回数は【配当】欄で確認できます。
GMOクリック証券の会社四季報

上記は、トヨタ自動車(7203)の配当実施状況です。

過去の配当と、会社四季報を作っている東洋経済新報社の予想する将来の配当について記載されています。

上記では、「16.3、16.9、17.3、17.9…」と書かれていることから、トヨタ自動車では、2016年は3月と9月に、2017年も3月と9月に株主配当を実施しているとわかります。

つまり、トヨタは3月と9月の年2回、配当を出している企業ということになります。

これは、トヨタの本決算(3月)と中間決算(9月)にあたります。実際に配当金の支払いが行われるのは、決算日から約2ヶ月後ですので、5月・11月ごろに配当支払いの通知が届きます。

また、上記のデータから、中間配当では1株あたり100円、期末配当では110円、年間を通して210円の配当を支払っていることもわかります。

トヨタ自動車の株は100株単位で購入できますので、トヨタ株を100株保有していれば、年間21,000円の配当金がもらえることになります。

「18.3予」「18.9予」というのは予想数値であり、確定したものではありません。

業績が好調で増配が予想される企業の場合、将来受け取れる(可能性のある)配当の金額も記載されています。トヨタの場合は安定配当のようですので、将来も変わらず年間210円の配当実施を行うようですね。

ちなみに、書店や会社四季報CD-ROMではこのように表示されます。
会社四季報の配当欄

アメリカでは四半期配当が主流

ニューヨーク証券取引所

アメリカでは四半期配当が主流です。

よって、マイクロソフトやAT&Tといった米国株に投資をすると、年4回の配当金が得られます。(ただし、アメリカは無配当の企業も多いです)

日本では年2回の配当実施が主流です。先ほどのトヨタ自動車のように、中間決算と本決算のタイミングで配当金が支払われます。このような企業のことを、「中間配当実施企業」と呼びます。

繰り返しますが、実際の支払いが行われるのは、決算日の約2ヶ月後となります。

また、日本では配当金の支払日を年1回としているところもあります。もちろん、ベンチャー企業のように成長を重視する場合は無配当とするケースも少なくありません。

配当利回りが高くなるわけではない

注意

1年間に4回、配当金の支払いをするからと言って「配当利回り」が高くなるわけではありません。

配当利回りは「1年間の配当総額 ÷ 株価」で計算します。

四半期配当は単純に、1年間の配当を4回に分けて支払っているだけですので、その他の年2回配当を実施している企業や、年1回の配当実施企業と比べて、配当金が多いということではありません。

もちろん、3ヶ月に1回配当金がもらえるので嬉しいというのは大きいですが。

四半期配当のメリット・デメリット

1億人の投資術 管理人の評価

四半期配当にはこれといって大きなメリットやデメリットはありません。

3ヶ月に1回配当がもらえるほうが嬉しいということくらいだと思います。

特に日本では毎月分配型投信が人気で、「毎月のインカムゲイン(安定収入・不労所得)」に対して魅力を感じる人が多いです。

一方で、企業側にとってはその分手続きが煩雑となり、配当支払いの通知を行うためのコストが増えると考えられます。

あくまでも個人的な意見ですが、私としては四半期配当を実施して企業側に負担をかけるよりも、配当の支払い回数は少ない方がいいと思っています。

株主へのコストを削減し、本業に集中してもらいたいというのが私の考えなので、株主総会のお土産とかもあまり賛成ではない派です。

もちろん、配当金や株主優待、総会のお土産などをもらえるとうれしいですけどね。

次の記事は「配当利回りが高すぎる銘柄に投資すると失敗するのはなぜか?」です。

株式投資で配当金を手に入れたいと考えている人の多くが「配当利回りの高い銘柄」に飛びついてしまいます。

しかし、配当利回りが極端に高い銘柄を安易に買ってしまうと、思わぬ損失を被ってしまう危険性があります。次の記事では、「高配当銘柄の隠れた落とし穴」について詳しく解説します。

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ニッセイ外国株式インデックスファンドの評判と利回り、実質コストを調査

ニッセイアセットマネジメント

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、信託報酬の低いインデックスファンドの代表格として、個人投資家に絶大な人気を誇る投資信託です。

ニッセイアセットマネジメントのインデックスファンドはいずれも、購入時手数料0円のノーロードであり、また信託報酬が低いため低コストでの資産運用ができます。

特に外国株式インデックスファンドは、投資信託の中でも最も定番な商品のひとつとなっています。

今回は、ニッセイ外国株式インデックスファンドの利回りや評判、そして実質コストについても調査しました。

また、つみたてNISAで投資をするべきか、それともSBI証券が扱っている個人型確定拠出年金(iDeCo)専用の「DCニッセイ外国株式インデックス」を選ぶべきかについても考えてみたいと思います。

ニッセイ外国株式インデックスファンドの評価

ニッセイ外国株式インデックスファンド

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)という指数に連動する投資信託です。

MSCIコクサイ・インデックスは世界的に最も知られる指数のひとつです。世界の先進国23カ国に投資を行うことで、各国の時価総額の80%以上カバーしている指数となっています。

つまり、ニッセイ外国株式インデックスファンドのようなMSCIコクサイ・インデックス指数に連動する投信を1本購入するだけで、世界経済の成長を果実として得ることができます

時価総額をベースに算出される指数なので、ニッセイ外国株式インデックスファンドも当然、投資対象の60%以上がアメリカです。

また、組入銘柄の上位はアップルやマイクロ・ソフト、アマゾンやフェイスブックと言った米国株が占めています。(もちろんその他の国々の企業にも分散投資を行っています)

MSCIコクサイ・インデックスのもう一つの特徴は「日本株式を投資対象から除外している」ことです。

となると当然、ニッセイ外国株式インデックスファンドも先進国である日本には投資を行いません。

もし、日本株式も資産運用のアセットアロケーションに加えたいと考えているなら、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動する投資信託への分散投資も必要です。

為替ヘッジは行わない

ニッセイ外国株式インデックスファンドは「為替ヘッジ」を行いません。

海外を投資対象としている場合、為替変動リスクが生じます。つまり、投資した企業の株価以外に、為替の動きによっても損益が変動するということです。

この「為替変動リスク」を回避するために「為替ヘッジ」が存在しますが、一般的にはニッセイ外国株式インデックスファンドのように「為替ヘッジなし」を選択することが多いです。

理由としては「為替ヘッジあり・なしの違い!コストを考えて必要かどうか判断すべし」の記事で詳しく解説していますが、為替ヘッジにかかるコストが大きいため、ヘッジのコストと為替変動リスクを天秤にかけた場合、「為替ヘッジなし」の方がメリットが大きいためです。

利回りは年率7%程度

リスクマップ

上記は1970年~2015年までの資産クラス別のリスク・リターンを示したものです。

一般的に、外国株式は最もハイリスク・ハイリターンな資産であると言われており、上記のリスクマップでは利回り(年率リターン)は年率7.4%になっています。

ニッセイ外国株式インデックスファンドの場合、記事執筆時点(2017年12月)で、

  • 1年間:22.31%の年率リターン
  • 3年間:5.60%の年率リターン

となっています。投資信託の設定日が2013年12月なのでまだ5年間の運用実績はわかりません。

しかし、ニッセイ外国株式インデックスファンドと同じ指数に連動する「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」を参考にすると、

  • 5年間:18.91%の年率リターン
  • 10年間:5.44%の年率リターン

となっています。
過去10年のリターンということは、リーマンショックの暴落も含まれていることになりますから、長期の年率リターンは5.44%をやや上回るのではないかと思われます。

一般的に、株式の長期の年率リターンは7%と言われているので、信託報酬などを考慮しても、長期的には概ね5%~8%程度の利回りに落ち着くのではないか?というのが私の考えです。

短期的にはブレが大きく、年によって儲かったり損したりするのが株式の特徴ですが、長期的には経済成長を反映するため、上記の利回りで資産が増えていくと考えられています。

こちらの積立シミュレーターを使うと、将来の資産の増加を試算できます。

積立シミュレーター

毎月の積立額万円

利回り(年率)%

積立期間

ヶ月間

計算結果(グラフ)

計算結果(表)

今回の場合、毎月の積立金額は任意、利回りは保守的に見て5%、強気で見る場合は8%、運用期間は自分が年金世代となる60歳~70歳をターゲットに設定するのがおすすめです。

ちなみに、つみたてNISAの月々の積立上限は3.3万円です。(年間40万円 ÷ 12ヶ月 = 33,333円)

マザーファンドがあるので値動きが安定している

投資リターン

ニッセイ外国株式インデックスファンドのように「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する投信はたくさんあります。

例えば、

などが該当します。

これらは投資信託の名称こそ違うものの、基本的にはどれを購入しても同じです。

手数料についての比較は後ほど詳しく行いますが、それ以外の相違点として「マザーファンドの有無や純資産の大きさによる違い」があります。

一般的に投資信託は、

  • マザーファンドがあると値動きが安定する
  • 純資産が大きいほど値動きが安定する

と言われています。
つまり、同じ「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する投資信託でも、マザーファンドの有無と純資産の大きさによっては、目指している指数との乖離が大きくなる可能性があるのです。

最も優れたインデックスファンドは、目標としているインデックス指数(今回の場合はMSCIコクサイ・インデックス指数)とのズレをできる限り小さくしながら、連動させることです。

ニッセイ外国株式インデックスファンドが個人投資家から高い評価を得ている理由は、

  • 信託報酬が低い(低コスト)
  • マザーファンドがある
  • 純資産の規模が大きい

からです。
参考までに記事執筆時点(2017年12月)での外国株式インデックスファンドの比較表を載せておきます。

ファンド名 信託報酬(税抜) マザーファンド 純資産
ニッセイ 外国株式インデックスファンド 0.189% あり 719億円
eMAXIS Slim先進国株式インデックス 0.1095% あり 25億円
たわらノーロード先進国株式 0.225% あり 177億円
iFree外国株式インデックス 0.190% あり 9億円

※一般販売されていない確定拠出年金専用ファンドは除く

上記の表で比較をしてみても、ニッセイ外国株式インデックスファンドの人気が高い理由がわかります。

特にeMAXIS Slimとニッセイは信託報酬の引き下げ競争を行っており、手数料が段階的に引き下がっている状態です。

▼低コストなインデックスファンドの比較はこちらの記事でも行っています▼

個人投資家の評判

個人投資家のクチコミ

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、他の資産運用会社との競争などの理由もあり、段階的に信託報酬が低くなっています。

信託報酬が増えれば投資家のメリットは大きくなりますから、より多くの資金が集まります。多くの資金が集まればより効率的な運用ができ、さらに信託報酬を下げられるという好循環となります。

ニッセイ外国株式インデックスファンドつみたてNISAにも採用されており、これまで保有していたETFなどを売却して、ニッセイ外国株式インデックスファンドをつみたてNISAで購入するという意見も見られました。

個人投資家の口コミでも名前のあがっていた世界経済インデックスファンドについてはこちらの記事で解説しています。

信託報酬の比較と実質コスト

投資信託の実質コスト

投資信託には大きく3つのコストがあります。

購入時手数料
投資信託を購入する場合に一度だけ必要な手数料
信託報酬
資産運用会社や販売会社への報酬など。年率で発生する
その他費用
売買委託手数料や有価証券取引税などをすべて含めたものを「実質コスト」という

ニッセイ外国株式インデックスファンドの場合、購入時手数料は無料です。いわゆるノーロードファンドとなります。

また、信託報酬についても同じ「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する外国株式インデックスファンドの中ではトップクラスの低さです。

信託報酬の比較
  • ニッセイ 外国株式インデックスファンド:0.189%
  • eMAXIS Slim先進国株式インデックス:0.189%
  • たわらノーロード先進国株式:0.225%
  • iFree外国株式インデックス:0.190%

※税抜で比較しています

中でも、eMAXIS Slimとニッセイインデックスファンドは熾烈な信託報酬の引き下げ競争をおこなっており、現在も信託報酬は段階的に引き下げられています。

また、「通常は信託報酬の低いインデックスファンドを選ぶべき」との意見が多いのですが、個人投資家の中には「売買手数料なども含めた実質コスト」を気にする方もいます。

なぜかというと、「低コストな信託報酬」をうたっていても、実際に費用明細をチェックしてみると、無視できない「その他費用」が上乗せされているケースが出てきたからです。

実質コストの中身は主に「売買委託手数料」、「有価証券取引税」、「その他費用等」などです。

実質コストを調べるには投資信託の運用報告書に記載されている「1万口あたりの費用明細」を見る必要があります。

運用報告書を見なければならないことや、一定期間の運用実績が必要となることから面倒な作業ですが、信託報酬が同じでも実質コストで比較すると、その差がより明確にわかるようになります。

ニッセイ 外国株式インデックスファンドの実質コスト

ニッセイ 外国株式インデックスファンド
2015年11月21日~2016年11月21日
信託報酬:0.260%
その他:0.119%
実質コスト:0.379%

※税込みです
※ニッセイは期中に信託報酬の引き下げを行っているため、現在の実質コストはさらに低くなるはずです。

eMAXISやiFreeなどその他の外国株式インデックスファンドの報告書が揃い次第、実質コストでの比較も行ってみたいと思います。

DCニッセイ外国株式インデックスとの比較

iDeCoの疑問

ニッセイアセットマネジメントが展開している外国株式インデックスファンドにはもうひとつ「DCニッセイ外国株式インデックス」があります。

どちらも「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する投資信託なので、中身は全く同じと思って問題ありません。

ただし、DCニッセイ外国株式インデックスは確定拠出年金専用ファンドで一般販売は行われていません。

しかし、私たち個人投資家も個人型確定拠出年金のiDeCoを通じて購入可能です。

SBI証券のiDeCoでDCニッセイ外国株式インデックスの取り扱いがあります。

ただ、現在では「DCニッセイ外国株式インデックス」を選ぶメリットは薄れています。なぜなら、信託報酬を比較した場合に

  • ニッセイ 外国株式インデックスファンド:0.189%
  • DCニッセイ外国株式インデックス:0.210%

※税抜

となっており、一般販売されているニッセイ 外国株式インデックスファンドの方がコストが低いからです。

以前は、DCニッセイ外国株式インデックスの方が信託報酬が低かったのですが、昨今の信託報酬引き下げ競争によって、いつの間にかニッセイ 外国株式インデックスファンドの方がメリットが大きい状況となりました。

もしiDeCo(個人型確定拠出年金)での運用を考えるならば、「DCニッセイ外国株式インデックス」は非常に良い選択肢だと思います。

しかし、iDeCoとつみたてNISAを問わず、良い投信を選択したいということであれば、つみたてNISAでニッセイ 外国株式インデックスファンドを買うほうが良いです。

つみたてNISAとiDeCoの比較については下記の記事で解説しています。

つみたてNISAで購入する

つみたてNISA

ニッセイ 外国株式インデックスファンドは「つみたてNISA」の対象商品です。

つみたてNISAは、金融庁が厳格な制限を行っており、本当に良い投資信託だけが販売される仕組みとなっています。

よって、資産運用の経験がない方や投資信託初心者の方でも、つみたてNISAで販売されている商品であれば安心して購入できます。

つみたてNISAでおすすめの投資信託はこちらの記事で紹介していますが、ニッセイ 外国株式インデックスファンドも非常におすすめできる投信のひとつです。

つみたてNISAで投資信託を購入する場合は、楽天証券かSBI証券がおすすめです。

私も普段から両方の証券口座も利用していますが、投資信託の豊富さだけでなく、ツールの使いやすさや株式取引手数料についても大手証券会社を圧倒しています。

楽天証券

楽天証券

楽天証券は、ハッピープログラムというサービスを展開しています。

ハッピープログラムは事前にエントリーが必要ですが、無料で参加でき、楽天グループにおけるさまざまな特典を受けられる制度です。

例えば、ハッピープログラムに無料登録しておくと、楽天銀行のATM手数料が毎月最大7回、他行あて振込手数料も毎月最大3回まで無料になります。

また、銀行や証券取引に応じて楽天スーパーポイントが付与されるため、より効率よく楽天ポイントを貯められます。

つみたてNISAで楽天証券をおすすめできる理由は、ハッピープログラムの特典の1つに「投資信託の残高に応じて毎月楽天スーパーポイントを付与する」というものがあるからです。

楽天証券では、投資信託の保有残高10万円ごとに楽天スーパーポイントを毎月4ポイント付与しています。

これは、NISAやつみたてNISAで購入した投資信託も対象です。

ポイントは毎月もらえるので、投信の保有残高が10万円なら年間48ポイント、100万円なら480ポイント、1,000万円になると4,800ポイントが自動的に獲得できます。

楽天スーパーポイントを1ポイント=1円換算すると、還元率は0.048%となり実質的にはこの分だけ他社で投資信託を購入するよりも信託報酬が低くなると考えることができます。

楽天証券の公式サイトはこちら

SBI証券

SBI証券

SBI証券も楽天証券と同様に、投信マイレージサービスというものを展開しています。

投信マイレージサービスも、NISA・つみたてNISAともに対象です。

投信マイレージサービスは、少し複雑な仕組みとなっており、商品によって還元率が異なります。

  • 通常は年率0.1%のポイント還元
  • 投信保有残高がトータルで1,000万円になると年率0.2%還元率にアップ
  • 一部の投資信託は年率0.05%のポイント還元(保有残高に関係なく)
  • 一部の投資信託は年率0.03%のポイント還元
  • 一部の投資信託はポイント還元なし

このうち、ポイント還元率が0.03%のものとポイント還元がないものはほんのわずかの投資信託のみです。

また、低コストなインデックスファンドのほとんどは「0.05%のポイント還元」の対象となっています。

ニッセイ外国株式インデックスファンドも保有残高に関係なく0.05%のポイント還元です。

SBI証券の投信マイレージサービスも楽天証券のハッピープログラムと同じく、年率でポイントがもらえるのが特徴です。

また、楽天証券のハッピープログラムよりも還元率が少し高くなっているため、どちらかと言えばSBI証券の方がお得度は大きいです。

SBI証券では「SBIポイント」を付与しています。貯めたSBIポイントは現金キャッシュバックと交換できるので、楽天で買い物をする機会がない方は、SBI証券の方が良いと思います。

SBI証券の公式サイトはこちら

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是川銀蔵から投資を学ぶ!「最後の相場師」の成功と失敗からわかること

是川銀蔵

先日、是川銀蔵の「相場師一代」という本を読みました。

是川銀蔵は1970年~80年代にかけて活躍した投資家(とうよりも投機家)で、「最後の相場師」と呼ばれている人物です。

おそらく一般の知名度はそれほど高くないと思いますが、株式投資の世界では知る人ぞ知る有名人であり、その実績や生き様から間違いなく日本の歴史に残る偉大な人物だと思っています。

「相場師一代」は是川銀蔵に関する本の中でも、是川銀蔵自身が書いた2冊の書籍のうちの1つです。

今回は書籍「相場師一代」の中で是川銀蔵が語った名言をヒントに、投資で成功するための方法を探ってみました。

投資に対する心構え

相場のサイクル

是川銀蔵が「相場師一代」の中で何度も語っているのが、株式投資の心理学についてです。

株式市場や経済の動きには一定のサイクルがあり、大きく下げればそれだけ大きな反発が起こること。そして、そのチャンスを上手く掴むことが投資で成功するためのコツだと言っています。

どんな下げ相場であっても、必ず底に落ち着き、下げ幅が大きいほどそれだけ上げ相場の反動は大きい、というのも株式相場の鉄則である。

経済の波が下降線を辿っていても、それは永久的な下降ではなく、下ることが次への状態に移行する、エネルギーになる。また、経済が上昇線を辿っていれば、それは次の状態として下降へのエネルギーを貯えつつある。

これは、よく言われる「上がり続ける相場はない、下がり続ける相場もない」ということですが、是川銀蔵が言うと説得力がありますね。

おそらく、多くの人がこの言葉を聞いて「当たり前のこと」と思ったと思います。

しかし、是川銀蔵は株式市場や経済の上下動に上手く乗ることがいかに難しいかについて語っています。なぜなら、人間には恐怖と欲望という心理があるからです。

株式投資は、誰でも実力以上のものをやればとまどい、不安心理がつきまとう。それが失敗につながるのである。

株式市場では下げ相場は売り手にとっては打撃だが、一方で、買い手は最大のチャンスを迎えていることになる。これも株式投資の真実なのである

いかに相場に熟練した投資家でも、下げ相場の過程では不安にかられ、持ちこたえられずに手持ちの株を投げ出してしまう。事実わたしも何度かこうした心理状況の中で痛い目にあわされたことがある。

不安に襲われ、持ちこたえられず安値で投げてしまうために大損を出すのだ。しかし、手持ちの余剰資金で投資活動をしていれば、不安はあっても投げるまで追い込まれることはない。投げない限り実損はないわけである。

どれだけ経験を積んだプロの投資家でも、リーマンショック級の下げが永遠に続いたら、「経済が崩壊するのではないか?資本主義はこれで終わりなのではないか?」などと考えてしまうものです。

素人だろうとプロだろうと関係なく、下げ相場でポジションを抱えていれば大きな不安に襲われます。

これに対する是川銀蔵のアドバイスは、「余剰資金で投資をすること」です。心理的な余裕を確保しておくことで、相場を冷静に見ることができます。

いつの時代も破綻するのはレバレッジをかけて取引をしていた人間だけであり、余剰資金で投資をしている人は破産することはありません。さらに言えば、投資に興味がない人はどれだけ株価が暴落しようとも関係のない話なのです。

過去にも、ヴィクター・ニーダーホッファーやジェシー・リバモアのような神がかった実力を持った投機家が、レバレッジによって破綻に追い込まれています。(是川銀蔵も何度も破産を経験しています)

▶得られた学び
株式投資で勝つための鉄則は、「自制心を保つこと」であり、自制心を保つためには冷静さや心理的な余裕が不可欠であり、そしてそれを作り出すのは「余裕を持ったポジション」という資金管理だということです。

カメ三則

カメ三則

カメ三則」とは、是川銀蔵が意識している投資で成功するための方法です。

1.銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっと待つこと
2.経済、相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強する
3.過大な思惑はせず、手持ち資金の中で行動する

投資にはさまざまなスタイルがあります。相場が動き出してからその波に乗る人もいれば、波に対して逆行(逆張り)する人など。

是川銀蔵は、経済や相場の動きを徹底的に勉強することで未来を予測し、「次はこの銘柄が上がる」という想定のもと、先回り買いをして、その株が上がるまでじっと待つスタイルでした。

この投資方法は自分の予測が当たれば、一番乗りで相場の上昇に乗ることができます。

しかし、あくまでも予測に基いて行動しているため、100%の当たりが保証されているわけではありません。

是川銀蔵のカメ三則では、どれだけ自分の相場予測に自信があっても、レバレッジをかけて全力で勝負するのではなく、手持ち資金の範囲で投資をすることの重要性も語られています。

大量の読書・勉強をする

読書する男性

是川銀蔵は、とにかく勉強家・努力家であることを自称しています。

気になったことは自分で納得がいくまで調べないと気がすまない性格で、3年間も図書館にこもって勉強をしたり、入院中に医学書を読み漁ったりしていました。

この時、是川銀蔵には妻と2人の子供がいましたが、彼女たちに極貧生活を強いながらも、自分自身も図書館の水道の水で空腹を満たし、勉強に励んだそうです。

三度目の倒産を経験した後、図書館に三年間通い、独学で日本をはじめとする世界経済とそれをとりまく諸問題を徹底的に勉強したことだ。

米代も払えない貧窮生活の中で三年間、毎日のように嵐山から大阪の図書館へ通いつづけ、経済関係の本や資料をあさりつくした。

経済に係る著作をすべて読破した。世界各国の数十年にわたる経済統計を調べ、物価、景気、株価の変動や消費動向を徹底的に分析した。  初めは一、二年で結論がでるか、と思っていたのだが、二年経ってもまるで先が見えてこないまま三年間も図書館通いが続いた。

想像を絶する貧困生活の中で、私は将来の自分の生きる道を見つけるために、必死で勉強を続けた。図書館から帰った後も毎晩、家で十二時、一時過ぎまでノートを整理し、自分だけの資料を作っていった。こういった生活を夢中で三年間続ける間、十キロもやせてしまったが、徐々に見えてきたのである。

ちなみにですが、是川銀蔵は中卒です。(14歳の頃から働いているので、もしかすると中学を中退していたのかもしれません)

学歴がなかったとしても、独学を続けていれば驚くような結果を生み出すことは可能なのです。

そして経済の勉強だけではなく、簿記や会計などとにかく大量の本を読み、勉強の虫であったことが、本書で何度も語られています。

勉強は仕事以上に夢中でやった。何も学校だけが勉強のできるところではない。仕事の終わった後、ソロバン、簿記、会計をはじめ、社会、経済まで毎晩深夜まで勉強をした

ともかく、自分で研究し、確信を得たことに対しては、いかなる力にも屈しなかったし、その信念を貫き通した。

自分で一度確信したことを他人の横槍で曲げてしまうことは結局、研究、分析、判断がまだそこまで行きついていないということなのだ。

こうした信念を突き通す頑固な考えは特に、株式市場で成功を手にする上で必要不可欠だと思います。

あらゆるニュース、ネットの情報が「下げ」だと言っていても、自分の分析で株価が「上がる」と思えた時にそちらに張れるかどうか、このような場面で相場師としての真価が問われます。

真面目で女遊びはしない

誘惑

私も本書を読むまで知らなかったのですが、是川銀蔵は酒も女もやらないというほど真面目な性格でした。このような生真面目な性格が、相場師としての魅力を高めているのでしょう。

肺結核と診断され入院生活を送っていた是川銀蔵は、大量の医学書を読み漁り、人間の生命について勉強をはじめました。

その結果、人間は自然の法則に従って生活をすれば100年以上は生きられる構造になっているものの、

  • アルコール
  • 梅毒

が原因で寿命を縮めているとの結論に至りました。

また、食生活についても見直し「野菜、果物、穀類」を主食として、肉類をなるべく避けるようにしたそうです。

是川銀蔵は当初、肉中心の生活で野菜はほとんど摂っていませんでしたが、この一件があってから食生活を大きく見直しました。結局、(当時は不治の病と考えられていたであろう)肺結核が改善し、是川銀蔵はその後も95歳まで長生きしています。

アルコール類についても、元々苦手だったようですがこの時の学びによって完全に止めました。

「人間の生命は自然の法則に従って生活していれば百年以上生きられる構造になっている。それが、六十年、七十年、八十年生きただけで長生きしている、といわれるようになったのは人間が自然の法則に反する生活をするようになったからだ」  と結論づけている。  なぜ自然の法則を破り始めたのか。それは人間の生活が向上し、贅沢をするようになったため、人間の生命は本来の生命力だけで生きられないようになってしまったのだ。

10代の頃から社会に出て様々な事業を経営し、時には相場で大成功を納めて大金を手にしたとあれば、当然、夜の誘惑も増えるはずです。

しかし、是川銀蔵は昔から女遊びは一切せず、そういった誘惑があっても手を出さなかったと語っています。

梅毒の方はまったく心配なかった。若い時から事業を経営していたからやる気ならいくらでも女道楽はできたが、いっさいその道には走らずにいた。おかげで梅毒にもならずにすんだ。今後も女道楽はしちゃいかんと強く自分を律した。

社長だから、酒や女の誘惑はのべつ声がかかった。しかしそういう極道はいっさい相手にしなかった。

もしそういう極道を立場にまかせしておったら、私はとうの昔に棺桶に入っていただろう。なんぼでも極道ができる立場にいながらしなかったのは、いま考えてみても、やはり、私は普通じゃなかったと思うのだ。私は、おそろしく意志の強い性格を先天的に持っていたことは間違いないようだ。

私は十六歳で独立して以来、女極道と酒だけは絶対にやらないと心に誓っている。酒がなくちゃあなりたたない付き合いは、にべもなく断わったし、芸者の色目にも乗らなかった。これまでそれを正真正銘押し通してきたのである。だから、連中と一緒に飲んでバカ騒ぎするなんてことにはいや気がさしていたのである。やることは他にいくらでもあった。

少し話は変わりますが、私が好きな投資家であるウォーレン・バフェットはこのように言っています。

人生はとかく最も弱い部分から侵食される。これは、ほとんどのビジネスとほとんどの人間にあてはまり、今のところまだだれも深く考察していない面白い発見だ。

自分の経験から言うと、人間の大きな弱点はふたつある。それは酒とレバレッジだ。わたしは、多くの人びとが酒と借金によるレバレッジで失敗するのを目のあたりにしてきた」

一般的に、人生を台無しにしてしまう要素として語られるのは、「酒・女遊び・薬物」などです。

しかし、人には誰しも「弱い部分」があり、そうした弱点から人生が侵食されていくのでしょう。

酒や女遊び以外にも、「金銭欲」だったり「見栄」だったり、はたまた「自分の能力を過大評価する癖」や「自分を過小評価しすぎる癖」、そして「ネガティブに考えすぎてしまう癖」なども人間によく見られる「弱点」のような気がします。

弱点は人によって異なりますが、自分自身では「これをやっちゃいけない、こういう部分が自分の悪い癖だ」とはなんとなく理解しているものです。

しかし、頭ではわかっていてもやめられない、ついやってしまう。だからこそ弱点なのです

是川銀蔵が「相場師一代」で「女遊びは一切やらなかった」と何度も語っているのを見て、私はこう思いました。

是川銀蔵は女遊びに興味がなかったわけではなく、(一般の多くの男性と同じように)興味はあった。しかし、それにハマってはいけないと考えていたため、あえて遠ざけるよう強く意識していた

これが、本書で是川銀蔵が「女遊びは一切しなかった」と何度も書いている理由ではないかと思います。

誰にでも弱点はあるものです。しかし、その弱点を防ぐように強い意志を持つことが、成功できるかどうかにかかっている。是川銀蔵はこう言いたかったのではないでしょうか。

これだと思ったら、どんな困難があってもやり通す。しかし、やっちゃあいけないことはどんな誘惑があっても手を出さない。この意志の強さがいまの相場師・是川銀蔵を作ったのだと思っている。

株で成功することの難しさ

金の卵

実はこの「相場師一代」という本ですが、最初の出だしはこのような内容で始まっています。

そこで私は自らの人生を自らの手で綴ることにより、株で成功することは不可能に近いという事実を伝える使命があると思い、筆をとることにした。

世間の人達は、私があたかもこの〝不可能〟を覆して株の売買で成功し、巨万の富を得たと思っているであろう。しかし、決してそうではない。私は実際、今でもすっからかん。財産も何も残ってはいない。このことを著書で警告したいのである。

是川銀蔵はこれまでに、事業家として何度も破産、そして投機家としても破産または破産寸前の経験をしています。

是川銀蔵 投資五ヵ条

チェックリスト

最後に、是川銀蔵が「相場師一代」の中で記した、「投資五ヵ条」をまとめます。

前述の「カメ三則」は投資の具体的な手法に近いものですが、「投資五ヵ条」は投資全般に対する考え方をまとめたものです。

1.銘柄は人が奨めるものでなく、自分で勉強して選ぶ
2.二年後の経済の変化を自分で予測し大局観を持つ
3.株価には妥当な水準がある。値上がり株の深追いは禁物
4.株価は最終的に業績で決まる。腕力相場は敬遠する
5.不測の事態などリスクはつきものと心得る

いずれも、これまでも、そしてこれからも役立つ普遍的な内容だと思います。

次の記事は、現代もっとも著名な投資家の一人でもある、ひふみ投信の藤野英人氏について書いた記事です。
ひふみ投信の藤野英人氏が書いた本を読んでわかったファンドマネージャーの投資手法

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PIMCOインカム戦略ファンドの評判と利回り、債券投資の投資信託はおすすめか?

PIMCOインカム戦略ファンド

債券投資に特化した投資信託として人気が高い「PIMCOインカム戦略ファンド」。

日経ヴェリタスの一面広告などでも毎週見かける投資信託なので、以前から気になっており、どのようなファンドなのかをチェックしてみました。

PIMCO(ピムコ)は、Pacific Investment Management Company(パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー)の略称で、債券投資ファンドの中では世界トップクラスの運用規模を誇っています。

現在はドイツのアリアンツグループの資産運用会社として営業しており、日本でもPIMCOインカム戦略ファンドをはじめ、いくつかの投資信託を販売しています。

PIMCOが販売しているのは主にアクティブ投信(プロが目利きで運用する投資信託)ですが、投資対象が債券に限定されているため、株式などと比較して利回りは低めです。一方で、債券なので安定性が高いという特色があります。

PIMCOインカム戦略ファンドの評価

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PIMCOインカム戦略ファンドは、PIMCOが選んだ債券投資から得られるインカム収入(債券の場合、利払い収入)が原資となり、分配金を出す投資信託です。

年2回型や毎月分配型などが選べます。

PIMCOインカム戦略ファンド(円建て・年2回決算)の信託報酬は1.7%+税、購入時手数料は3%+税となっています。解約手数料に相当する信託財産留保額はありません。

また、円通貨、米ドルなど通貨選択型のファンドも登場しており、投資家によってリスク調整ができるのが特徴です。

円建ての「円インカム」を選択した場合は、為替ヘッジ(限定)が行われます。

2017年10月時点での利回りは4.87%となっています。

運用資産全体の6割以上が、米政府関連債、米政府系住宅ローン担保証券、米非政府系住宅ローン担保証券で運用されています。

円インカムの場合、4.87%の最終利回りに約1.69%のヘッジコストがかかります。(おそらく課税前)

ここに、年1.7%の信託報酬と購入時手数料3%を5年間で分割した0.6%を考慮すると、投資家が受取る利回りかかなり低くなるのではないかと思います。(後述する野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドと同じです)

ちなみに、PIMCOインカム戦略ファンドを組成しているのは「三菱UFJ国際投信」です。販売会社は「丸三証券」のみとなっています。

PIMCO運営のその他のインカムファンド

PIMCOインカム戦略ファンドの他にも同社が展開している投資信託があります。

野村アセットマネジメントとSBIアセットマネジメントとの提携によるファンドです。

野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド

野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド

通常のPIMCOインカム戦略ファンドよりも、野村アセットマネジメントが販売する「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」の方が知名度は高いと思います。

野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは、A・B・C・Dの4つのコースに分かれており、それぞれ

  • 年2回決算型か、毎月分配型か
  • 為替ヘッジありか、為替ヘッジなしか

の違いとなっています。

債券投信なので、毎月分配型を希望される方が多いと思いますが、リターンを最大化するのであれば、年2回決算型の選択をおすすめします。

また、為替ヘッジの有無に関しては、昨今の金利情勢を見る限り「為替ヘッジなし」が妥当な選択だと思います。

為替ヘッジの詳細解説については「為替ヘッジあり・なしの違い!コストを考えて必要かどうか判断すべし」の記事をご覧ください。

ただ、A・B・C・Dコースの純資産を比較してみると、「野村 PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース(為替ヘッジあり・年2回決算型」が最も人気となっているようです。

すべてのコースの純資産を合わせると、記事執筆時点(2017年12月)ですでに4,000億円もの純資産を築いていることからも、その人気ぶりが伺えます。

運用戦略としては、世界中の債券市場の中からピムコが良いと判断したものに分散投資を行います。

債券は安定性の高い資産ですが、リスクの高い高利回り債券(ハイイールド債)から、先進国の国債のような確固たる安全性を誇る債券まで様々です。

これらの債券をピムコが選別し、上手く組み合わせて運用するのが、野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドの戦略です。

野村アセットマネジメントは、「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」の他にも数多くのPIMCOの債券投信を販売しています。

Aコースの場合で、購入時手数料は3%+税、信託報酬は年1.68%+税です。

2017年10月時点で、1,636銘柄に投資をしており、米ドル建て(課税前)で4.9%の利回りを確保しています。

しかし、Aコースは「為替ヘッジあり」なので、ここから課税が行われ、さらに為替ヘッジコストが約1.69%、そして信託報酬が1.68%、購入時手数料3%を5年間で分割した0.6%を差し引くと、最終的な投資家利回りは1%を下回ってくるのではないかと思います。

後述するSBIアセットマネジメントの「ベタイン」は、日系企業の発行する債券が主な投資対象となっていますが、「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」は同じA格でもハイイールド債や新興国の社債などを含みます。

リスクリターンを考えると、このファンドでよく4,000億円を集めたなというのが私の正直な感想です。

ベタイン

ベタイン

SBIボンド – SBI PIMCOジャパン・ベターインカム・ファンド(愛称:ベタイン)は、SBIアセットマネジメントが販売するピムコの債券投信です。

決算頻度を年1回とし、購入時手数料や信託財産留保額も0円にしています。信託報酬も比較的抑えられています。

ベタインが投資対象とするのは、主に日系企業が発行する債券や、金融機関や政府などが発行する劣後債です。劣後債はデフォルト発生時の返済順序が後回しになるものの、その分高い利回りが得られる債券のことです。

外貨建資産に関しては為替ヘッジを行い、A格以上の安全な債券に絞って投資します。

2017年7月時点のデータを見てみると、米ドル建ての債券など利回りの高い債券を中心に54銘柄に投資を行っています。

組み入れ上位5位銘柄は、三井住友銀行(劣後債)、中日本高速道路、地方公共団体金融機構、中国電力(シニア社債)、日本生命保険、いずれも米ドル建てとなっています。

ドル建てになると当然利回りは高くなるのですが、ベタインの場合「為替ヘッジ」を行うため、リターンは以下のようになっているようです。

  • 最終利回り:2.66%
  • 為替ヘッジコスト:1.69%
  • 為替ヘッジ後利回り:0.97%

為替ヘッジコストが非常に高いものになっているため、ヘッジ後の利回りは0.97%となっています。(これでも国内債券を買うより高利回りですが)

しかし、この数値には信託報酬は加味されていないため、ここからさらに年率0.53%+税の信託報酬が発生します。

そうなると、最終的な投資家利回りは年0.44%程度となり、複雑な仕組みを使って債券に分散投資をしている割には、一般的な国内債券への投資利回りと大きく変わらない結果となっています。

投資信託の購入におすすめの証券会社

財布を持つ女性

今回取り上げた「PIMCOインカム戦略ファンド」は丸三証券のみが販売する投資信託です。

「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」は多くの証券会社で販売されています。

また「ベタイン(SBIボンド – SBI PIMCOジャパン・ベターインカム・ファンド)」はSBI証券、マネックス証券、楽天証券の3社だけで販売されています。

ベタインはアクティブ型の債券投信の中ではコストを抑えているファンドなので、やはり多くの証券会社が扱いたがらないのでしょう。

このうち、投資信託の購入でおすすめの証券会社は「SBI証券」と「マネックス証券」です。

SBI証券には、投信マイレージサービスがあるため、投資信託の保有金額に応じて最大0.1%のSBIポイントが還元されます。(年率なので毎年もらえます)

野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドをSBI証券で購入した場合、通常で年率0.1%、(他のファンドも含めた)投信残高が1,000万円を越えると年率0.2%のポイント還元が受けられます。

ただし、ベタインに関しては(低コストであることから)特別扱いとなっており、保有残高に関係なく年率0.05%のポイントバックとなります。

「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」や「ベタイン」の購入については、マネックス証券がおすすめです。

マネックス証券は、ゼロ投信つみたてというサービスを展開しています。

投信積立を設定した場合、購入時手数料を0円にするというものなので、購入時手数料が3%の高めのPIMCOのファンドを購入するにはうってつけです。

ゼロ投信つみたてはNISA口座も対象となっているため、その他の投資信託についてもすべて購入時手数料0円で買付できます。

マネックス証券 公式サイトはこちら

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クラウドリースで店舗オーナーを支援しよう、高利回りの投資案件が豊富

クラウドリース

クラウドリースは主に店舗ビジネスをしている事業者に対して融資を行うソーシャルレンディング業者です。

ソーシャルレンディングを通じて投資家から集めた資金を、店舗ビジネスを展開している会社の設備資金などとして融資します。

高利回りのキャンペーンファンドが多く、美味しい案件はすぐに募集が埋まってしまうほどの人気で、その勢いを感じさせています。

クラウドリースは記事執筆時点(2017年7月)ですでに成立ローン総額37億円を実現しており、そのうち17億円は分配金として返済実績を持っています。

この返済割合は他のソーシャルレンディング業者と比較しても高く、クラウドリースが確実に投資からからの信頼を築いていることの裏付けにもなっています。

店舗運営事業者への設備資金を応援

クラウドリースが手がけているのは、店舗運営事業者への融資です。

店舗ビジネスと言うと多岐に渡りますが、現状はアミューズメント事業者(おそらくパチンコ店運営事業者)への貸付が中心です。

ソーシャルレンディングではパチンコ業界への貸付案件が少なくありません。

なぜかというと、ソーシャルレンディングは投資家が期待する高利回り案件を募集する必要があるため、高収益なビジネスへの貸付けを求めています。

一方で、パチンコ店は新機種導入時に多額の出費をし、導入したパチンコ機をお客さんに遊んでもらうことで売上を回収するビジネスです。

新機種導入時には短期の借入が必要となるため、ソーシャルレンディングは資金調達手段としてうってつけなのです。

もちろん、クラウドリースは店舗事業であれば業種を問わずに貸付けを行うソーシャルレンディングですので、アミューズメント事業者以外への貸付案件も存在します。

短期の高利回り案件が魅力

クラウドリースの特徴として、

  • 短期間の案件
  • 高利回りの案件

が多いというものがあります。

ソーシャルレンディングは少なからずリスクがありますから、投資家は比較的短期で償還を向かえる案件を好みます。(ソーシャルレンディングにおいて、運用期間が12ヶ月を超える案件はリスクが高いと個人的には考えています)

また、クラウドリースは他のソーシャルレンディング業者よりも利回りが高い案件が多く、中には利回り10%の案件も存在します。

これは逆にいうとリスクが高いとも言えるのですが、過去の融資先を見る限りでは規模が大きめのアミューズメント事業者に対して融資をしているようなので、安心感はあります。

もちろん、貸し倒れ案件を掴んでしまうとダメージが大きいので、しっかりと担保や保全のある案件かどうかを確認しておくことが重要です。

クラウドリースの社長について

社長

クラウドリースの社長は武谷 勝法氏です。

武谷 勝法氏は、もともと東証一部上場の株式会社ワキタにてベンチャー企業の支援をしていました。

その後、独立開業をし実際にレストランビジネスを展開することで、店舗事業の運営に関するノウハウを身につけます。

その後、飲食店を始めとする店舗運営事業者のサポート事業を行う、株式会社ダーウィンを設立。

クラウドリースの直接的な貸付先は、この株式会社ダーウィンとなっているようです。

株式会社ダーウィンは2000年に設立された会社で、資本金は4,300万円、従業員数も80名在籍しています。

ダーウィン本体が行っている事業としては、下記のようなものがあります。

出店総合サポート事業
新しく店舗を出店する事業者に対して、物件開発、資金調達、海外進出支援などのアドバイスを行う事業です。

レンタルサービス事業
店舗運営事業者向けに、フレグランス(印象に残る良い香り)を出す機械のレンタル、サロンやクリニック向けにセルフホワイトニングシステムを貸し出すサービスを展開。リース事業に近いビジネスです。

商業店舗事業
株式会社ダーウィンが実際に店舗を運営する事業。飲食店やフィットネスクラブを展開。

また、グループ会社として複数の会社を傘下におさめており、その中の1社にソーシャルレンディング事業の「クラウドリース」があります。

上記の実績や武谷 勝法氏を見ても、クラウドリースが全うなソーシャルレンディング業者であることがわかりますね。

クラウドリースの注目案件

管理人が現在注目しているクラウドリースの投資案件を紹介します。

調査中です。

管理人の評価

管理人の評価

店舗事業に特化したソーシャルレンディング業者として注目を集めているクラウドリース。

現状はアミューズメント事業者への融資案件がほとんどですが、運営している親会社の株式会社ダーウィンが飲食店やフィットネスの事業支援に強みを持っていることからも、今後様々な業種への融資案件が展開される可能性があります。

平均利回りを見てもソーシャルレンディング業界全体を上回っていることから、隠れた人気業者として評判です。

特にキャンペーンファンドのお得度が高く、募集開始後すぐに満額達成で募集を締め切ってしまうことも多いので、気になる案件があったら早めに投資の意思決定をすることをおすすめします。

続いての記事は「(怪しい業者も含む)ソーシャルレンディング業者を案件や手数料で比較」です。

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ROA(総資産利益率)の計算方法、ROEやROICとの使い分け

ROA(総資産利益率)の計算方法

ROA(総資産利益率、Return On Asset)は企業の収益性を測るための便利な指標です。

ROC(株主資本利益率)やROIC(投下資本利益率)と比較されることの多いROAですが、どう使い分けて良いかわからない方も多いと思いますので、それぞれの違いについてまとめます。

また、ROAの計算式についても複数の意見や方法があるため、具体的な計算方法について解説します。

この記事を最後まで読んでいただくことで、投資をする上でどのようにROAを活用すればよいかが理解できるようになるはずです。

ROAの計算方法

計算

ROAは「総資産利益率」と呼ばれており、利益と総資産を割り算することで求めます。

総資産とは、企業が持っている、借金などを含んだすべての資産のことで、貸借対照表の一番下の数字です。

また、当期純利益は税金などを引いて最終的に残った利益で、こちらも同様に損益計算書の一番下の数字となります。

ROAの計算式

ROA = 当期純利益 ÷ 総資産

しかし、ROE(株主資本利益率)とは違い、ROAの計算方法には複数の意見があります。

私自身はROAの計算式を「当期純利益 ÷ 総資産」とするのが最もしっくりくると考えているのですが、人によっては当期純利益の代わりに「経常利益」を使うこともあります。

経常利益を使ったROAの計算

学ぶ

最初に説明した「当期純利益 ÷ 総資産」以外の計算方法としては以下のようなものがあります。

人によってROAの計算方法に対する考え方はさまざま

  • ROA = 経常利益 ÷ 総資産
  • ROA = EBIT ÷ 総資産
  • ROA = 営業利益 ÷ 総資産

※EBITとは:金利・税引前利益のこと

これらの計算方法は微妙にニュアンスが異なりますが、本質的には同じです。(いずれも間違っているわけではありません)

ちなみに、経常利益を使った計算方法は勝間和代さん、利益のEBITを使っているものは経産省のコラムに書かれていた考え方、そしてROAの計算に営業利益を使うと言っているのはモーニングスターの朝倉 智也社長です。

ROAに経常利益を使うのは、国際企業と比較した場合に国によって税率が異なることを回避するためです。

私が最初に紹介した「当期純利益 ÷ 総資産」の場合、税引き後の利益を使っているため、当然ですが税率の高い国のROAは下がりやすく、税率が低い国のROAは高くなりがちです。

しかし、経常利益であれば税金を除外して利益を計算するので、国際企業間での比較ができるメリットがあります。

また、EBIT(金利・税引前利益)というのは、実は営業利益とほぼ同じです。両者の違いは投資収益などの非事業資産から生まれた損益を含めるかどうかです。

EBITには、金利を除いた非事業資産の損益(投資損益など)を含めますが、営業利益には含めません。

経常利益(税引前)からさらに金利を除外するのは、やはり金利も国際間によって差があるからです。政策金利の高い国は全体的に借入利率も高くなり、そうでない国は低金利でお金を調達できます。

私がROAに当期純利益を使う理由

一方で、私がROAの計算で当期純利益を使うことをおすすめしている理由は、国際企業と比較するケースが少ないからです。

例えば、国産のミクシィと外資のフェイスブックのROAを比較するなら、税金を除外した経常利益などを使ったほうが良いかもしれません。

しかし、私が主に投資対象としているのは国内株であり、また国内企業同士で比較することのほうが多いというのが理由の1つです。

2つめの理由は、ROAの計算に当期純利益を使うことで、ROEとROAの比較が行いやすいからです。ROEは「当期純利益 ÷ 株主資本」で計算できます。

同じ利益を使って両者を計算することで、見えてくるものがたくさんあります。(詳しくは後述します)

3つめの理由として、(税引き後の)当期純利益は投資家利益であるということです。

当期純利益は、投資家への配当金と企業成長の再投資に回すことのできる利益であり、いわば投資家のリターンと言えます。

営業利益やEBITのような金利を除外した利益は、そこから銀行の取り分がさらに差し引かれます。また、経常利益のように税金を除外した利益は、そこから国税庁の取り分がさらに差し引かれます。

このように考えると、私たち投資家の立場で考えるならば当期純利益をベースにROAの計算を行うのが最も都合が良いことになります。

もちろん、ROAの計算に当期純利益を使うことを勧めているのは私だけではなく、多くの書籍でも「ROA = 当期純利益 ÷ 総資産」と記載されています。

ROAの分解

分散投資

ROE(株主資本利益率)が3つの要素に分解できることは、「デュポンシステムのわかりやすい解説、ROEを分解して投資や経営に活かす」という記事で詳しく紹介しました。

ROEは「当期純利益 ÷ 株主資本」で計算できますが、これらを分解すると別の公式として「売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ」という計算が成り立ちます。

3つの要素に分解することによって、ROEを高めるには、「利益率」を高め「回転率」を高め「借金を増やす」ことが有効だと説明しました。

また、見かけ上はROEが高く見えても、実際は借金を増やしたことでROEがかさ上げされていることへの注意点についてもまとめました。

ROAも同じく「売上高純利益率 × 総資産回転率」という公式で計算できます。

両者を比較してみると、ROEとROAの違いが見えてきます。

ROEやROICとの違い

「デュポン式」に分解したROEとROAを比較してみると、両者の違いは借金を含めるかどうかにあることがわかります。

  • ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ
  • ROA = 売上高純利益率 × 総資産回転率

以前、ROE(株主資本利益率)の解説記事でROAとの違いについてこのように説明しました。

ROEは「当期純利益 ÷ 自己資本」で計算できるので、利益を増やすだけでなく自己資本を減らすことでも高めることができます。上場企業でもたまに行われている最悪なケースは、見かけのROEを向上させるために、借金を増やして、そのお金で自社株買いをして自己資本を減らす方法です。

ROEは著名投資家のウォーレン・バフェットが愛用していることでも有名な、とても優れた指標です。

また、伊藤レポートの登場によってROEを8%に高めるべきだという上場企業への圧力が強まっています。

しかし悪質な上場企業が考えたのが、とにかく借金を膨らませ、そのお金で自社買いをして株主資本を減らすことによって、見かけ上のROEを高めるという愚策です。

借金を増やしただけでは、本質的な経営効率である「利益率」や「回転率」に変化がなくてもROEは向上できます。結果、借金が増えた分だけリスクが大きくなってしまいます。

このようにROEは優れた指標でありながら欠点もありますが、借金を含めたトータルで計算するROAと比較することで、真の経営効率が見えてきます

ROEとROAに大きな差があった場合、それは借入金(財務レバレッジ)が影響している度合いが大きいことを表します。(もちろんこの差は、借金ありきの業種では大きくなりがちです)

ROICとROAの違い

ROICとROAの違い

ROIC(投下資本利益率)も、借金ありきで収益性を測る指標として有名です。ROAとROICは計算方法が似ているので、よく比較対象となります。

両者の違いについては、「ROIとROIC・ROE・ROAの違いとは?投資の収益性を測る押さえておきたい指標」で解説した通りなのですが、簡単にまとめると以下のようになります。

ROIC(投下資本利益率)
企業単位で使うこともありますが、主に「投資するプロジェクト単位」の投資効率を測る時に使われます。

計算方法
ROIC = (営業利益 × (1 – 実効税率)) ÷ (株主資本+有利子負債)

計算方法がややこしそうに見えますが、簡単に説明すると「税引き後営業利益 ÷ 借金を含めた株主資本」となります。

ROICは本業のリターンを表す営業利益をベースに計算しているため、経営者が目標とすべき指標であり、経営者目線で見る収益性を測る指標と言えます。

ROA(総資産利益率)
企業分析で使う指標であり、投資するプロジェクト単位で使うことはありません。

計算方法
ROA = 当期純利益 ÷ 総資産

ROAは最終利益を表す当期純利益をベースに計算しているため、投資家目線で見た場合の収益性を測る指標となります。

ROICについては「ROICツリーとは?経営や投資に活かせるバリュードライバー分析のやり方」でも詳しく取り上げています。

合わせてご覧ください。

ROAを投資に活かす

ここからは、ROA(総資産利益率)をどのように投資に活かしていくかについて考えます。

多くの投資家が好む指標としてはROE(株主資本利益率)が有名ですが、ROAも合わせて確認しておくことで、前述の「借金によって作られたROEではないか?」などを見抜くことができます。

めやすはどれくらい?

ビル群

ROAのめやすは業種によって大きく異なりますので、一概には言えません。

ROEと同様に、一般的には継続して20%を超えていれば優秀と言われます。しかしROAは、

  • 時価総額の小さいベンチャー企業
  • 無借金経営をしている企業

などはおのずと高くなりがちです。

逆に、三井不動産のように「時価総額の大きい大企業」かつ「借金ありきの不動産ビジネス」をやっている場合、どうしてもROAは低くなります。

三井不動産の2017年3月期のROAは2.4%と極めて低い数値となっています。しかし、大手不動産会社3社で同じ期のROAを比較してみると、

  • 三井不動産:2.4%
  • 三菱地所:1.9%
  • 住友不動産:2.1%

となっており、実は三井不動産が同業・同規模の会社の中では最もROAが高くなっているのです。

前述の伊藤レポートによって、上場企業は8%のROEを目指すべきだと言われていますので、実際の平均的なROAの目安は8%をさらに下回るのではないかと考えています。

高すぎるROAは参入障壁が低い事が多い

参入障壁

ROAが高いほど収益性が高く経営効率が高い企業です。

しかし、ROAが高いということを逆手にとって考えると、「大きな資本が不要なビジネス(少ない資本で利益が出るビジネス)」と言い換えることができます。

これは悪い表現をすると「参入障壁が低いビジネス」であることが少なくありません。

インターネットビジネスがまさにその典型です。ネットビジネスは大きな資本を必要としないため、利益率が高くROAやROEといった指標も高くなりがちです。

しかし、そのような美味しいビジネスには競合他社が続々と参入し、また小さな資本でビジネスに参入できるため、参入障壁が低いです。

また、大きな資本を必要としないということは、将来的に大きな資本を入れて成長できる投資先がなくなってしまう可能性があり、規模が大きくなるにつれてROAが下がってしまう可能性も十分考えられます。

著名投資家のウォーレン・バフェットがこの点について語っていますので引用します。

「価格の問題は別にして、所有すべき最も良い企業というのは、長期間にわたり大量の資本を利用し、非常に高い利益率で増やしていくことのできる企業です。

最も所有してはいけない企業というのは、その逆のことをしなければならない、あるいはすることになる企業です。すなわち、大量の資本を使い続けながら、一貫して非常に低い利益率しか上げられない企業です。

残念なことに、最初のタイプの企業は見つけることが非常に難しいものです。

利益率の高い企業のほとんどはそれほど多くの資本は必要としません。こうした企業の株主は通常、大半の利益が配当として支払われるか、大規模な自社株買いによって利益を得るということになるでしょう。」

出典:バフェットからの手紙 第4版

「利益率の高いほとんどの企業は多くの資本を必要とせず、こうした企業は配当金や自社株買いによって利益を返す」というのは一見、良いことのように思えます。

しかし、バフェットがこの部分で言いたいのは「多くの資本を必要とせず、ただ利益率が高いだけの企業はたくさん存在する。そういう企業はいずれ高成長を続けることが難しくなり、配当や自社株買いによって株主に利益を返すことになる。利益率が高く、かつ大量の資本を利用できる企業はほんのひとにぎりだけ」ということです。

バフェット的には、株主へのリターンとして良いものを順に並べると「高成長を続けること > 自社株買いをすること > 配当金を出すこと」であり、自社株買いや配当金によって株主に報いるのは本望ではありません。

あまりにも高い総資産利益率は、競争優位性の脆弱さを表わしている場合がある

アナリストの多くは、総資産利益率が高いほど良いと主張する。しかし、ウォーレンが発見したとおり、あまりにも高い総資産利益率は、競争優位性の脆弱さを表わしている場合もある

例えば〈コカ・コーラ〉に対抗すべく430億ドルを集めるのは不可能だが、〈ムーディーズ〉に対抗すべく17億ドルを集めるのは、可能の範疇に入ってくる。

こうした点から〈ムーディーズ〉の根源的経済性は〈コカ・コーラ〉を凌駕(りょうが)している一方、〈ムーディーズ〉の競争優位性は〈コカ・コーラ〉よりもはるかに脆弱であると言える。

出典:史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール

ROAとROEを様々な角度から見ていくことで、単に指標の数値だけにとらわれない、一歩進んだ投資判断が行えるようになると思います。

ROAが継続して下がっている場合

右肩下がり

多くの投資家は、営業利益や経常利益が右肩上がりになっていると安心します。場合によっては売上が伸びていればよいという人もいるかもしれません。

しかし、もし利益が右肩上がりになっていても、継続してROAが下がっている場合は注意が必要です。

ROAが下がるということは、資産効率が低下しているということであり、これを言い換えると「収益性の低い無駄な資産が増えている」ことになります。

収益性の低い無駄な資産とは主に以下のようなもののことです。

あり余る現金
毎年の利益の積み上げによって純資産が膨らみ、その結果としてROAが低下してきた場合。

この場合、企業はM&Aや新規事業などの「新しい投資先」を開拓して成長率を維持するか、もしくは自社株買いや株主配当によって純資産を減らすかを考えなくてはなりません。

いずれの方法もROAの改善に繋がりますが、リスクを取らずに新しい投資先を開拓しない、自社株買いや株主配当も行わない場合、無駄な現金が増えていくことになります。

失敗した企業買収
M&A(企業買収)をすると、「のれん」という無形資産が積み上がります。

子会社となった買収先がしっかりと利益を稼いでくれると、この「のれん」は有益な資産としてROAの維持・向上に貢献してくれます。

しかし、企業買収が失敗して、買収した会社が期待していた利益を生まない場合、「のれん」がゴミのような状態となり、結果的に経常利益には変化がない(むしろ下がっている)のに総資産だけが膨張してROAが下がるという現象が起こります。

その他の資産
「のれん」以外の無形資産が膨張している場合も注意が必要です。

例えば、「ソフトウェア」という項目が異常に増加しているのに、利益に変化がなくROAがどんどん低下していく、キャッシュフローもマイナスになっている。

このような場合、粉飾決算の疑いすら出てきてしまいます。いずれにしても、(ROAが元々低い業種は別にして)継続的にROAが下がり続けているというのは、悪い兆しです。

今回の記事ではROAについて詳しく解説しましたが、本文中で「自社株買い」について何度か言及しました。

自社株買いは配当金よりも優れた株主還元の方法で、ROAが継続的に低下するなど成長率を維持できなくなってきた企業には積極的な自社株買いを期待したいところです。

次の記事は「自社株買いで株価が上がる理由、配当金よりも嬉しい最高の株主還元」です。

自社株買いのメリットと、あまり知られていないデメリットについても言及しています。

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ソニー銀行の投資型クラウドファンディング「Sony Bank GATE」超入門

Sony Bank GATE

ソニー銀行はこれまで、ネット銀行としてATM手数料の無料化や他行あて振込手数料の無料化といった顧客サービスを展開してきました。

また、良質な投資信託を積極的に取り扱うなど、個人的にも好きな銀行です。

そんなソニー銀行が新しい取り組みとしてスタートさせたのが投資型クラウドファンディングの「Sony Bank GATE(ソニーバンクゲート)」です。

最近は低金利の影響で定期預金を組んでも利息がほとんど得られない状況ですが、Sony Bank GATEであれば年率8%程度の高い利回りが期待できます。

クラウドファンディングまるわかり

クラウドファンディングの分類

クラウドファンディングというのは「Crowd = 多くの人から」「funding = お金を集める仕組み」という意味です。

資金を必要としているプロジェクト(例えば起業資金や新製品の開発資金など)を、多くの人が少額ずつお金を出し合って支援し、そのプロジェクトが成功したらその見返りをお金を出してくれた人に還元する仕組みです。

上記の図が、クラウドファンディングの大まかな分類となります。

たくさん種類があってわかりやすいのですが、クラウドファンディングは大きく3つに分けられます。

寄付型
見返りを求めずに、応援したいプロジェクトに資金を提供する仕組み
購入型
資金を提供した見返りとしてそのプロジェクトが生産した商品を受取る
投資型
資金を提供した見返りとして金銭的なリターンが得られる

投資型クラウドファンディングは3つある

分類

そして、投資型クラウドファンディングはさらに3つに分類されます。

貸付型クラウドファンディング」に分類されるのが、maneo(マネオ)をはじめとするソーシャルレンディングの仕組みです。

ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)については当サイトでも何度か取り上げています。

お金を必要としている企業に短期の「融資」を行い、その見返りとして貸付金に対する利息収入が得られるのが特徴です。

貸付型クラウドファンディングはあくまでも融資なので、「利回り(金利)」と「元本の返済期限」が決められています。

株式投資型クラウドファンディング」に分類されるのが、ファンディーノエメラダ・エクイティなどです。

融資ではなく「出資」となるため、未公開株に投資をするイメージです。

基本的に、投資先企業はIPO(上場)や大企業から買収されることを目的としており、長期間の投資が求められます。

また、これらのすべての企業が上場や企業買収されるとは限りません。中には長期の投資期間中に業績が悪化し、倒産してしまうリスクも十分考えられます。

このように、株式投資型クラウドファンディングはハイリスク・ハイリターンな投資であることから、「個人投資家がインターネットで未公開株を購入できるのは1社あたり年間50万円まで」と法律で決められています。

基本的にはお金は戻って来ないが、もし無事に上場を果たした時には大きなリターンが得られる、というのが株式投資型クラウドファンディングの特徴です。

そして、「ファンド型(みなし有価証券)クラウドファンディング」となるのが、ソニー銀行の展開する「Sony Bank GATE(ソニーバンクゲート)」で、ソーシャルレンディングと株式投資型クラウドファンディングの中間に位置するタイプの商品となります。

Sony Bank GATEは「出資」となるため、ソーシャルレンディングのようにあらかじめ「利回り」と「元本の返済期限」は決まっていません。

しかし、出資はあくまでも「事業者の特定の1プロジェクトの支援資金」に限定されます。

つまり、最初から「プロジェクトが成功した場合のおよその利回り」と「プロジェクトが終了する予定の期間」が提示されています。

そして、事業者が私たち投資家から集めた資金を使って計画通りにプロジェクト(例えば新商品の開発など)をすすめ、その結果、そのプロジェクトの成功度合いによってリターンの大きさが決まるという仕組みです。

逆に言うと、そのプロジェクトが上手く行かなかった場合は、当初予定していたリターンが目減りしたり、最悪の場合は1円も戻ってこない可能性もあります。

また、プロジェクトのスケジュールがずれ込んだことによって、返済期限が当初の予定よりも遅延することもあります。

このように、ソーシャルレンディングと株式投資型クラウドファンディングの両者を合わせた柔軟なスタイルが、Sony Bank GATEの大きな特徴です。

姉妹サイトのネット銀行100の活用術でもソニーバンクゲートについて解説しています。あわせてご覧ください。

1号案件でわかるSony Bank GATEの利回り

利回りの計算式

Sony Bank GATEの第1号案件を例に、具体的にどのような仕組みでリターンが決定するのか、またリスクはどの程度あるのかについて解説します。

▶第1号案件 - 株式会社リンクジャパン
スマホから家電の電源のON/OFFを確認できたり、複数の家電の電源操作を行えるIoTデバイス「eRemote pro」の開発資金をSony Bank GATEで集めるプロジェクトです。

会計期間は「2017年09月01日~2018年07月31日」となっており、約1年でプロジェクトが完了する見込みです。(プロジェクトの進捗状況によってはスケジュールがずれる可能性もあります)

目標募集金額は1,000万円で、1口あたりの募集額は5万円でした。(最速で募集額に達してしまい、私も投資タイミングを逃してしまいました)

気になるのは投資家リターンですが、利回りは8%に設定されています。

Sony Bank GATEの説明では、投資額の1.07倍(税引き後1.05倍)という説明です。(このように投資額に対する倍率でリターンを説明することをマルチプルといいます)

この投資案件に100万円出資した場合、税引前で107万円を受取る計算です。(分配金は20.42%の税金が差し引かれて支払われます。預金利息と同じです)

年換算利回りで年利8.013%(税引後6.377%)となります。

また、出資特典として1回の申込4口につき、eRemote proが1台もらえます。こうした株主優待のような特典も、ソニーバンクゲートの魅力です。

投資型クラウドファンディングには当然、元本割れのリスクはありますが、ソニー銀行が審査をして「問題ない」と判断した案件が公開されている安心感はあります。

第1号案件に選ばれた株式会社リンクジャパンについても、現在3期目のベンチャー企業であり、2期目にはすでに黒字化を達成しています。

直近の業績などを示した事業計画書が閲覧できるため、投資判断の有効な材料として活用することが可能です。

また、リスクがあると言っても、その見返りとして年換算利回り8%のリターンが得られる投資案件なら悪くありません。

詳しくは後述しますが、ソニーバンクゲートは手数料無料で利用でき、入出金の費用も一切かかりません。手にするリターンにかかる税金のみが差し引かれます。

事業計画の達成によってリターンが変化する

Sony Bank GATEは、融資ではなくファンドを通じた「出資」です。

あらかじめ、ある程度のリターンと元本の返済期限は提示されているものの、それらは保証されたものではなく、場合によっては元本割れになったり、返済期限が伸びる可能性もあります。

Sony Bank GATEでは、募集段階でプロジェクトの事業計画売上高を示しており、目標とする売上高の達成率に応じて分配金が決まります。

目標通りの売上高(事業計画売上高)を達成した場合は、当初予定していたとおりの分配金が支払われます。

しかし、目標売上を下回るにつれて、分配金が目減りします。

売上が当初の見込みを大幅に下回ってしまった場合は元本割れが生じる可能性もありますが、基本的には少なからず売上が計上できれば、全額損失になることはありません。(売上0円というのはありえないので)

もちろん、企業が倒産してしまった場合は、投資額が全損となる可能性がありますが、その点は過去の業績やソニー銀行の審査を通過している点を踏まえると、確率としては極めて低いと思います。

透明性が高さが強み

管理人の評価

これまで、1年程度の短期の投資で高利回りを得るには、ソーシャルレンディングが最も適していました。

私自身、ソーシャルレンディングへの投資を行っていますが、大きな問題だと思っているのが「透明性の低さ」です。

ソーシャルレンディングの場合、貸付先の具体的な企業名が(法律上)公開できないため、どうしても貸付先の簡単な事業概要や資金使途の説明にとどまります。

しかし、投資型クラウドファンディングのSony Bank GATEの場合、具体的な企業名、集めたお金を何に使うか、事業計画などが詳細に説明されています。

つまり、顔の見える企業・社長に対して投資ができるという点でソーシャルレンディングとは大きく異なります。

そして何よりも、プロジェクト開始後の定期的なヒアリングによって進捗状況を確認できるので、実際に自分が魅力的だと感じた企業が成長していく姿を応援しながら、投資の果実を得られます。

このような「透明性の高さ」と、ある程度会計期間が決まっており、短期的な資金回収が期待できる投資商品というのはこれまでになかったと思います。

また、募集案件はすべて事前にソニー銀行の審査が入っているということも、多くの投資家にとって安心材料の1つだと思います。

まだ始まったばかりのSony Bank GATEですが、今後どのような案件が出てくるのか楽しみです。

手数料は完全無料

金の卵

投資型クラウドファンディングのSony Bank GATEですが、手数料は完全無料です。

Sony Bank GATEへの入金や出金はソニー銀行を経由するので、こちらも無料です。

ソーシャルレンディングや株式投資型クラウドファンディングの場合、入金・出金手数料がかかることが多いので、この点はとてもありがたいです。

ソニー銀行の入出金は、コンビニATM(セブン銀行やイオン銀行など)から行います。

セブン銀行とイオン銀行のATMなら、毎月何回使っても手数料は0円です。それ以外のコンビニATMや提携ATMでは、入金は何回でも無料、出金は月4回まで無料で使えます。

私も普段の生活資金の出し入れはソニー銀行で行っていますが、他行あて振込手数料も含めて、手数料をほとんど支払った記憶がないほどです。

どうやって儲けているの?

では、完全無料で利用できるSony Bank GATEはどうやって利益を生み出しているのか。

Sony Bank GATEは、私たち個人投資家(資金の出し手)からではなく、資金の借り手である事業会社から手数料を得ることで利益を生んでいます。

Sony Bank GATEで資金調達を実施した場合、

  • 資金調達額の5%
  • 会計期間中における本匿名組合事業の売上高に対して1%

を手数料として支払うことになります。

Sony Bank GATEの第1号案件の場合、「資金調達額が1,000万円」「事業計画売上高が4,248万円」でした。

この場合、集めたお金1,000万円のうち50万円と、会計期間(1年間)で予定通りの売上高を達成した場合、4,248万円に対して1%に相当する42.48万円となる、合計92.48万円を手数料として支払います。

もちろん、これを支払うのは事業者側ですので、私たちの負担はありません。

登録方法

スマホを見る女性

また、Sony Bank GATEが利用できるのはソニー銀行に口座を開設している20歳以上の方のみとなります。

まず最初にソニー銀行に口座開設をし、その後Sony Bank GATEの登録手続きを行います。

銀行口座開設 → Sony Bank GATEの登録手続き」という手順が必要なので、口座開設には時間がかかります。

私も実際にやってみましたが、新規投資案件の募集がスタートしてからの口座開設だと(ほぼ確実に)間に合わないので、興味のある方は事前に口座開設とSony Bank GATEの登録手続きを済ませておくことをおすすめします。

実際、第1号案件は募集開始からすぐに予定額に達してしまい、私も応募には間に合いませんでした。

やはり、高い利回りとプロジェクトの具体的な計画を確認した上で投資判断ができるというのが、投資家にとって魅力的に映っているのだと思います。

ソニー銀行 公式サイトはこちら

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