CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)

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ラガルド総裁、ステーブルコインは金融セキュリティへリスクと指摘

要点

・ヨーロッパ中央銀行総裁であるラガルド氏がステーブルコインが広く採用されると金融の安全を脅かす可能性があると語っていたことが雑誌に掲載されました。
・掲載された記事の中でラガルド氏は、Facebook社が計画しているLibraプロジェクトにも言及しており、ヨーロッパの競争力と技術的自律性にリスクをもたらす可能性があると指摘しています。

欧州中央銀行総裁の発言が雑誌に掲載される




欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)総裁は11月30日(月曜)、雑誌L’ENA hors les mursのインタビューの中で、ステーブルコインが広く採用されることになれば「金融の安全を脅かす」可能性があると述べた記事が掲載されました。


デジタル時代へと突入し、お金の性質だけでなく、商品やサービスの性質も急速に変化している今、デジタル化と技術の進歩は、社会のすべての分野を変革し、非物質化のプロセスを加速させている。そのような中で、現金以外の支払いが増え続けており、ユーロ圏では、昨年8.1%増加し、980億ユーロが現金以外で支払われていると述べています。

これらの取引のほぼ半分はカードで行われ、続いてクレジット送金などによるものではあるものの、コロナウイルスパンデミックは、オンライン決済の急増と非接触型決済への移行に拍車をかけ、デジタル化傾向を加速させました。

このような背景から、デジタル決済手段の需要を満たすため、ユーロ圏では、ユーロシステムの監督メカニズムにより、商業銀行と決済サービスプロバイダーが効果的かつ安全になっており、私的資金として挙げられているCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)への自信を覗かせています。

CBDCに対して強気の姿勢を強調するラガルド氏




掲載された記事の中でもラガルド氏は、仮想通貨やステーブルコインなどのライバルに陰を投げかけながら、デジタル資産の価値は法定通貨に固定されていることもあり、デジタルユーロに対して強気な主張をしています。

同氏は、仮想通貨の主なリスクとして、仮想通貨ユーザーがプラスと見なす機能であると述べ、仮想通貨は純粋にテクノロジーに依存しており、識別可能な発行者や主張はありません。
その結果、仮想通貨は流動性、安定性、信頼性の欠如に苦しんでおり、お金のすべての機能を果たしていないと述べています。

ステーブルコインはこれらの問題を解決しようとしており、支払いにさらなる革新をもたらす可能性があることに留意しつつ、“深刻なリスク”をもたらすとラガルド氏は述べています。

ラガルド氏の発言に関してECBの責任者は次のように語っています。

ステーブルコインを価値のあるストアとして使用すると、銀行預金がステーブルコインに大幅にシフトする可能性があり、銀行の業務や金融政策の伝達に影響を与える可能性があります。

 


さらにラガルド氏は、ステーブルコイン発行者が固定値を保証できない場合、もしくは損失を吸収できないと見なされた場合、実行をトリガーする可能性もあると述べました。

Facebook社が2019年6月に発表したLibra(リブラ)プロジェクトの様に実現の可能性が高いと思われるものの中で、ラガルド氏はステーブルコインについて以下のように述べています。

特にグローバルテクノロジー企業に支援されたものは…、ヨーロッパの競争力と技術的自律性にリスクをもたらす可能性がある。彼らの支配的な立場は、競争と消費者の選択を害し、データのプライバシーと個人情報の悪用に対する懸念を引き起こす可能性があります。

 

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サウジアラビアとアラブ首長国連邦、デジタル通貨トライアル結果発表

要点

・サウジアラビア中央銀行とアラブ首長国連邦により実施されていた、CBDC合同テストの結果が発表されました。
・テストは成功を納め、今後の展開拡大への道が開かれたものの、いくつかの懸念も議論されました。

中東2カ国で実施されたCBDC共同テスト終了




SAMA(Saudi Arabian Monetary Agency=サウジアラビア中央銀行)とCBUAE(Central Bank of the United Arab Emirates =アラブ首長国連邦中央銀行)は、日曜日の公式発表によると、CBDC(Central Bank Digital Currency=中央銀行デジタル通貨)共同プロジェクトテストに成功したと述べました。

今回実施されていた「ProjectAber(プロジェクト・アーベル)」と呼ばれる3段階に分かれていたCBDC共同テストは、国境を越えた支払いシステムを構築しながら、世界中のデジタル通貨に対応するように設計され、開始から終了まで1年をかけて実施されていたとのことです。

共同テストで得られたメリット




サウジアラビア、クウェート、オマーン、アラブ首長国連邦などの中東諸国は、長い間石油資源に依存していました。
しかしここへきて、埋蔵量の減少やアメリカの新油田発見などにより、これらの国々は自国経済保護を目的にテクノロジーと観光セクターへ多くの投資を行うよう、依存脱却に向けて歩み始めています。

テストは、CBUAEとSAMA間の国際決済、サウジアラビアとUAEの銀行間の国内決済、および両国の商業銀行間の国際決済を対象としていたとのこと。

参加型銀行は、決済の速度・時間・正確さの点で好結果を報告し、さらにセキュリティやシステムのサードパーティの決済プロバイダーとの相互作用により重点を置く手段として、「リアルマネー」を使用していました。
各銀行はブロックチェーンデータが保存・更新される独自ノードを実行。
これらは最新ネットワークデータと継続的に同期されており、これによってネットワークに単一障害点がないことが保証され、1つまたは少数ノードがオフラインの場合でも、ネットワークは機能し続けることが分かりました。

さらに、テストはプライベートサーバーで実行され、CBUAEとSAMAは、スケーラビリティとセキュリティを向上させるため、最終ネットワークをクラウドベースのサーバーに展開する可能性が高いと述べています。

テストはデメリットも浮き彫りに




プロジェクト・アーベル共同テストは好評だったものの、いくつかの欠点も明らかになりました。


CBDCは法定通貨であるサウジアラビアリヤル(通貨コード:SAR)とUAEディルハム(通貨コード:AED)によって平等に支援されていたため、為替レートは絶えず異なっていることが大きな懸念事項でした。

テストでは固定レートのステーブルコインを使用しましたものの、通貨の価値が変化すると、実際の設定でも50:50の比率を継続的に変更する必要が生まれました(CBDC自体が固定値のままであることを確認するため)。

もう一つの懸念点は、異なる都市や管轄区域が異なる税金を適用したり、異なる金利を課したりする点だった事を明かしています。
これにより、アビトラージ(※裁定取引)の機会が開かれ、広く受け入れられましたが、使用されている単一通貨システムには存在してはならないもので、資金の蓄積やさまざまな金利の不当な利用につながる可能性があるとの懸念点が浮上しました。

さらにもう一つの懸念事項として、発行された資金のトレーサビリティ(※生産から最終消費まで追跡が可能な状態)が潜在的な問題として指摘されました。
中央銀行は理論的に、多くのお金を印刷し、他の法域でより高い価値と引き換えることができると銀行は述べ、これに対して提案された解決策は、CBDCに結び付けられた資金の額に制限を設けることだったと明かしています。

両中央銀行は、国境を越えた二重発行通貨は技術的に実行可能であり、集中型決済システムよりも大幅に改善された分散型決済システムを設計することが可能であるとの結論でまとまりました。
そのため、次のステップとして、サウジアラビアとアラブ首長国連邦両政府は、ブロックチェーン技術の開発と金融セクターへのさまざまな応用に貢献することが期待されています。

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米・諜報機関が世界をリードする中国・デジタル人民元に強い懸念

要点

・アメリカの諜報機関は、中国がデジタル通貨を推進し、発行を急いでいることを懸念しています。
・地元メディアでは、SECが諜報機関の懸念を詳述した通信を受け取ったと報じられています。
・中国のデジタル通貨開発は、2014年から始まっています。

米・諜報機関がデジタル人民元に懸念




アメリカの諜報機関は、中国のデジタル通貨の影響についてSECに懸念を表明しています。


アメリカの地元メディアが報じた内容によると、国家情報長官のジョン・ラトクリフ(John Ratcliffe)氏は、SECのジェイ・クレイトン(Jay Clayton)会長に、今月初め、中国のDCEP(Digital Currency/Electronic Payments=デジタル人民元)の影響について懸念を公に表明した。


中国は、当時中国人民銀行の総裁であった周小川(Zhou Xiaochuan)氏がデジタル通貨研究所を設立した(と言われている)2014年以降、デジタル通貨発行に関して世界でトップの道を歩んでいます。
一方のアメリカは、中国とは逆で、より慎重なアプローチを取る姿勢を保ったまま、あらゆる角度からCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を探っています。
先月、アメリカ連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、最初になるよりも正しく理解することが重要だとアメリカ国内に向けてメッセージを送っています。

中国CBDCに透明性と支配感の懸念!日米欧主要7カ国が警戒露わに」でもお伝えしたように、現在、アメリカは中国がCDBCにおいて、先を急ぎ過ぎていることを懸念していることが徐々に明らかになりました。
アメリカの企業と中国企業が公平に競うことは悲観的に近いほど難しく、競うのであればアメリカ国内の証券法の見直しと規制緩和が必要だと考えている事をKomodoプラットフォームの事業開発ディレクターであるジェイソン・ブラウン(Jason Brown)はメディアに語っている。

ブラウン氏の発言から、アメリカは中国デジタル人民元に毛権を持っているものの、見方を変えると、アメリカ企業がデジタル通貨の競争の中で追いついたり勝つためには、法律で定められている規制そのものに大幅な激変がなければならない事を意味しています。
さらに、ブラウン氏によると、消費者保護を目的とした規制がアメリカ国内では設けられているが、これらの規則が他国で守られていないもしくは設けられていない場合、アメリカの競争力は一気に損なわれるとみられています。
ブラウン氏はこの様な状況に対して次のように述べています。

市民の日常生活を保護することを目的としたこれらの規制は、グローバル資本にアクセスするアメリカ人の能力を効果的に損なう米国企業に課せられた不必要な負担です。


中国の仮想通貨ホールド




アメリカ国内では、デジタル通貨の規制上の制限以外にも、中国のデジタル人民元の発行・保有についても懸念点を抱いているようです。

これらについてアメリカの地元メディアは、諜報機関の高官が、ワシントン・エグザミナー(Washington Examiner:保守系ニュースウエブサイト)に、中国のビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の管理について、深刻な国家安全保障上の懸念があると語っています。

中国のDCEPはビットコインに挑戦できるのか


先ほども述べた様に、中国はCBDC会で世界を一歩リードしていますが、形態の異なる分散型のライバルと言えるビットコインにはどのような影響があるのでしょうか。


昨年、中国政府はCBDCシステムの計画を推進し、大手銀行で大規模なテストを開始しました。
その後、「中国CBDC(デジタル元)が300万件の試験的取引で11億元の移動に成功」、「中国が2回目のデジタル人民元トライアルを蘇州で開催する予定」でも報じた様に、初回は深セン市明に、2度目は蘇州市でトライアルを実施しています。

これは、これまでに国内で最も野心的な金融技術ソリューションとして請求されており、中国が米ドルを世界の準備通貨となるのを廃止するのに役立つ可能性があることを示唆するものもあります。
それらに対し、アメリカ上院議員らが立ち上がって注目する見通しであるとアメリカの地元メディアは報じています。

ビットコインのような仮想通貨支持者にとって、DCEPのようなデジタル通貨の台頭はさまざまな祝福を得る一方で、CBDCの集中型の性質は、ビットコインなどの仮想通貨の分散型の精神に完全に反していると言えます。

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中国、国内における仮想通貨の保有と取引は法的に違法と報じられる

要点

・中国の政府系メディアとして広く知られる人民日報が、中国国内における仮想通貨の保有および取引が違法であると報じました。
・デジタル人民元の実質的な流通を視野に入れ、CBDCについては仮想通貨がもたらした恩恵であると認めています。

中国での仮想通貨保有と取引は違法




2020年11月3日で報じた中国政府系メディアの人民日報の「中国で仮想通貨を持つことに関する法的見解」によると、仮想通貨(暗号通貨)は、「通貨」または「金融投資商品」として位置付けられていますが、金融分野では「仮想通貨」は「通貨」ではないことは確かであると報じました。

中国には実質的な仮想通貨に関する法律はないものの、2017年9月4日に中国人民銀行を含む7つの省庁が発行した「トークン発行資金調達リスク防止発表(通称94、以下94と表記)によると、仮想通貨は
・通貨当局によって発行されていない
・法的補償や強制などの金銭的特性がない
・通貨と同じ法的地位を持っていない
これらを理由に、市場で通貨として使用できないとされました。

また、「ビットコインリスク防止に関するお知らせ(※以下、サーキュラー289と表記)によると、ビットコインは特定の「仮想商品」であり、通貨に相当する法的地位は、市場で通貨として使用することはできず、使用すべきではない。
したがって、94やサーキュラーNo. 289などの中国の現在の金融規制政策で仮想通貨は法的に認められていません。
仮想通貨の法的位置づけ問題については、金融および投資の属性を含む問題であり、仮想通貨は、取引または融資取引の発行の中心的なカウンターパーティとして金融セクターでの法定入札による交換、売買は禁止されていると報道されました。

中国政府も消去できない仮想通貨の勢い




仮想通貨の分散化やオフライン取引における特性上、技術や監督の観点から完全に消滅させることは困難です。

近年、中国で仮想通貨を保有・取引する人は現在でも年々増えており、現在はまだニッチな市場ではあるものの、デジタル経済の急速な発展に伴ってますます多くの人々が仮想通貨に関与し続けており、中国の財政監督と社会秩序に影響を与える可能性があると指摘しています。

この記事で言及されている「仮想通貨」には、さまざまな国で発行された、または発行される予定の合法的なデジタル通貨は含まれていないほか、従来のビジネスを購入、投資、または運営するための支払いまたは回収の手段としての「仮想通貨」の使用は含まれていません。

仮想通貨の取得について




中国では、マイニング、空中投下(Airdrop)、贈答品の受け取りなどを通じて仮想通貨を取得することは考慮されておらず、発表94および通達289を明確に禁止されていませんが、財政的監督レベルは上記のアクティビティをサポートしていません。また、法定入札の支払いを通じて組織または個人から取得した仮想通貨についても、94および通達289で明確に禁止されていないものの、仮想通貨を販売する組織または個人が法定通貨と仮想通貨の間の交換を提供することは違法の疑いがあります。

さらに、中国国外ので合法的に資金を流出させ、仮想通貨を購入する事について94および通達289では明確に禁止されていません。しかし、当事者自身が合法的に取得した特定の仮想通貨を保有し、通貨取引を通じて別の仮想通貨を取得することについて、94および通達289は、マネーロンダリングを法によって禁止されています。

一般的に、中国で仮想通貨を購入して保有したい場合は、比較的合法的に購入できるものの、売却の過程で違法となる可能性が高くなります。

多くの地方裁判所の判決文書では、仮想通貨は資産として認識され、保護されています。
また、仮想通貨を取得するためのマイニングは、発表94および通達第289号の禁止規定に違反していないものの、現金にするためのチャネルが必要です。
マイニング企業から仮想通貨を個人的に取得することは、94 及び通達289の禁止条項に違反しませんが、取得後の再販売の過程において、マネーロンダリング防止および違法資金調達防止などの法的責任が生じると人民日報は報じています。





仮想通貨はブロックチェーン技術の普及に非常に前向きな意味を持ち、各国で合法的なCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の活発な研究と促進を加速させています。
CBDCの普及は、資本循環の効率を大幅に促進し、ビジネスの世界に大きなプラスの影響を与えるとみられています。
これらすべては、仮想通貨業界の革新と実験からも恩恵を受けており、CBDCと仮想通貨の主な違いは、オフライン資産に法的に関連付けられているかどうかにあると人民日報は指摘しています。

仮想通貨がブロックチェーン技術の普及にどれほど前向きであったとしても、実際には仮想通貨の保有と取引については、各国の法律と規制に厳密に従わなければならず、無意識のうちに法律に違反しないように、一般の人が適切な知識なしに関与しないことをお勧めすると報じています。

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日本銀行、デジタル円の実証実験を2021年度中にも第2段階へ移行か

要点

・日銀はデジタル円の実証実験を、2021年度中にも第2段階へ移行したい考えを明らかにしました。
・日銀の神山一成決済機構局長は、CBDCを発行するにあたって、いくつかの懸念材料が残っている事を明かしています。

デジタル円は2021年度中に第2段階へ

世界の政府や中央銀行がCBDCへ向かうなか、実用化へ向け、すでに一般利用における実用実験段階に突入した中国を筆頭に、いくつかの国でCBDC発行を目指している国が登場している中、日本では、日本銀行(※以下、日銀と表記)の黒田東彦総裁が10月12日に、デジタル円の実証実験を2021年の春にも開始すると表明しました。

ただし、日本のスタンスとして、現時点での発行計画はなく、万が一に備えて必要性や実現の可能性などを探るための実証実験であることを強調しています。

DeFiブームが一定の落ち着きを見せ始めている今、仮想通貨市場で最も注目されているのがCBDC発行に関する各国の動向と言えます。
日銀の神山一成決済機構局長が15日に、CBDC(=Central Bank Digital Currency中央銀行の発行するデジタル通貨)を発行する場合、民間銀行の現金預金からのシフトを抑制するために発行額や保有額に上限を設けることも選択肢の1つだと語った事を大手ロイター通信が報じました。

10月9日付で発表された「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」の中で日銀は、CBDCの発行検討は「ありそうもない」と何度か述べています。
その一方で日銀は、今後、CBDCのニーズも急速に高まる可能性があり、環境変化に的確に対応できるよう、しっかり準備しておくことが重要だと考えている事を明かしており、2021年度中にも実証実験を開始させたい意向を明らかにしました。

ビットコイン谷の「日本銀行、万が一に備えて2021年のデジタル通貨トライアルの準備中」でお伝えしたように、日銀では2021年度に開始する要諦の実証実験フェーズ1でシステム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBDCの中核をなす、発行、流通、還収の基本機能に関する検証を実施する予定です。

日銀の描くCBDC実証実験プロセス

今回、日銀の神山一成決済機構局長は15日に明かした実証実験の第2段階とはこのフェーズ1ノ次の段階で、フェーズ2にあたります。

フェーズ2では、フェーズ1で構築された実験環境に、CBDC周辺機能を加え、実現の可能性などが検証される予定です。
また、フェーズ2が終了すると次の段階としてパイロット実験が実施される予定です。

神山決済機構局長はすでにフェーズ1の準備に取り掛かっている事を明らかにしているものの、あくまでも日銀内における検討段階であり、現時点では政府を含めた日本国としての判断ではない事を強調しており、議論の段階でもない現状だと語っています。

CBDCを検討するにあたっての懸念材料

日銀は、CBDCを検討するにあたって

民間の取り組みおよび金融仲介機能に悪影響を与えないことが重要である。

と神山決済機構局長は指摘しています。

その理由として、銀行預金よりCBDCの利便性が高くなると銀行預金が大きく減少しかねず、銀行の信用創造そのものが崩壊する恐れを招くためと考えられる。
さらに、民間預金で金利がつくのに対し、CBDCには金利が付かないルールを設けた場合、金利が上がった際には民間預金に資金が大きくシフトする恐れもあり、民間預金の金利が下がり、CBDCへ預金がシフトした場合、金融システンの安定性に問題が生じる懸念が生まれる事を明かしています。

このような事態を避けるためには、CBDCの発行額や保有額に制限を設けてCBDCへの資金シフトをコントロールし、発行額や保有額に上限を設けることも選択肢の中にあり、今後、利便性なども含めて慎重に検討していくと語っています。

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中国・デジタル人民元プロジェクト、深セン市民5万人に抽選配布


要点

・中国広東省深セン市が、抽選で市民5万人に1,000万元相当分のCBDCを配布することを発表しました。
・世界で一歩リードをしてきた中国CBDCプロジェクトが、さらにリードし、現実味を帯びてきました。

中国・深セン、5万人にCBDCを抽選で配布

中国広東省深セン市が深センの羅湖区とPBoC(中国人民銀行)と協力し、計1000万元(約1億6,000万円)相当分のCBDC(Central Bank Digital Currency=中央銀行デジタル人民元)、通称“赤い封筒”を付与すると発表したことを、現地メディアの新浪財経 https://finance.sina.com.cn/blockchain/coin/2020-10-09/doc-iivhvpwz0960147.shtml が報じています。

新浪財経によると、香港のマカオグレーターベイエリアの建設を促進するため、地元の消費促進政策と併せて、深セン市人民政府と中国人民銀行によってデジタルRMBの赤い封筒プロジェクトを開始したとのことです。
この赤い封筒プロジェクトは、試験運用の一例として、スマホアプリなどでアプリをダウンロードして利用でき、深セン市に住む市民の中から、抽選で5万人に“赤い封筒(=デジタル人民元)”が配布される予定です。

赤い封筒プロジェクトの内容

赤い封筒プロジェクトによって配布されるデジタル人民元は、一人当たり200元、日本円で約3,000円相当で、深セン個人用デジタル人民元専用ウォレットに分配され、市内の指定店舗にて利用可能とのこと。
全ての市民がデジタル人民元が入手できるというわけではないとしており、10月9日からオンライン申し込みが開始されています。

同テストプロジェクトは、深セン羅湖(らこ)地区内のケータリングやスーパーマーケット、ガソリンスタンド、地下鉄、デパートなどの幅広い分野で利用でき、10月12日の18:00から10月18日の24:00までデジタルRMBシステムの変換を完了した3,389店の指定店舗内で利用できるとしています。

ただし、同プロジェクトによって規制されているルールに従い、万が一、赤い封筒を他の人に譲渡していたことが発覚したり、故人の銀行口座へ資金を預金していたことが発覚した場合、当選資金は市によって回収されるとのことです。
また、使い切れずに期限が終了した場合も残りの資金が回収される仕組みになっているとのことです。

実用化に向けて本腰を入れ出した中国

10月に入り、中国のCBDCプロジェクトは一気に現実味を帯び始めています。

10月5日、ファン・イーフェイ(Fan Yifei:範一飛)中央銀行副総裁が、DCEP(Digital Currency Electronic Payment=デジタル人民元)のパイロットプログラムで約170億円以上をすでに国内で資金移動させ、成功させていたことを明らかにしており、世界に先駆けて中国が世界初のデジタル通貨を発行する現実味が増しています。

新浪財経の報道によると、中央銀行が発行するデジタル通貨について、中国ではすでに5年近く研究と準備がすすめられており、その機能と属性は、形式がデジタルであることを除き、紙の通貨と似ていると公表しています。
中国政府は将来的に、中央銀行のデジタル通貨を銀行口座、アリペイ(Alipay)、ウィチャット(WeChat)ウォレットなどに保管出来たり、既存の銀行ATM機から実際に現金を出し入れできるようにしていきたいと考えていると報じています。

デジタル人民元の拡大は段階に計画されており、最初の段階として、複数決済方法とアカウント管理機能をサポートし、主な追加機能として、モバイルチップ支払いのデュアルオフライン支払い方法を実施。
第二段階で、ある程度の匿名性を確保するため、携帯番号やメールアドレスを登録することで、追加された4種類のアカウントを完成させることを目標にしています。
さらに、最終段階として中央銀行のデジタル通貨を賃金の支払いや公共サービス料金の支払いを目指しており、中国内の4大主要銀行から開始させ、徐々にインターネット企業や事業者に拡大するという、段階的なプロモーションを改革しているとのことです。

北京大学国立開発研究所副学部長の黄義平氏によって、中央銀行の限られたデジタル通貨が現在のデジタル金融情勢にどのように影響するかを詳細に観察する必要があると指摘されているものの、大奥の中国内企業がデジタル人民元プロジェクトに参加しており、今後、中国に追随したいと考えている海外のある種の手本になることは間違いなさそうです。

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日本銀行、万が一に備えて2021年のデジタル通貨トライアルの準備中

要点

・日本銀行は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の発行予定はないとしています。
・しかし、日本銀行ではCBDC発行問題について、真剣に検討していることが分かりました。また、2021年中にはトライアルの計画を予定していることもわかりました。
・発行予定はないものの、日本銀行がCBDCのトライアルを検討している背景には、近隣諸国が独自のCBDC計画を進めていることが少なからずあるとみられています。

日本銀行が2021年にCBDC検討か

日本銀行(※以下、日銀と表記)は、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC= Central Bank Digital Currency)の発行計画は当面ないとしているものの、万が一に備えて準備を進めていることが分かりました。

19ページに渡るレポート『中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針』が本日、瀬式に公表されました。
情報通信技術が急速な進歩を遂げている今、内外のさまざまな領域でデジタル化が進み、それらのスピードを考慮すると、今後、CBDCのニーズも急速に高まる可能性があり、環境変化に的確に対応できるよう、しっかり準備しておくことが重要だと考えていると述べています。

日銀は報告書の中で、CBDCを導入する場合に期待される機能と役割について

現金と並ぶ決済手段の導入
民間決済サービスのサポート
デジタル社会にふさわしい決済システムの構築

以上の3点を挙げたほか、基本的な特性については

ユニバーサルアクセス
セキュリティ
強靭(じん)性
即時決済性
相互運用性

の点を挙げています。

日銀側は現段階での発行検討について否定

CBDCの発行を検討する条件は「ありそうもない」と何度か述べており、現段階で日銀がCBDC発行の検討はしていない事を明確にしており、2021年4月に開始される可能性のある作業には2つの概念実証フェーズがある事を明らかにしています。

世界の政府や中央銀行のほとんどで独自デジタル通貨構築を検討している今、最も早くCBDCを発行すると言われている中国で、世界最大規模のデジタル通貨プロジェクト「DCEP(Digital Currency Electronic Payment=デジタル人民元)」と呼ばれる独自のバージョンをすでに試しています。

日本の国際問題担当副財務相である岡村憲司氏は木曜日に開催されたフォーラムで、「デジタル人民元は比較的速いペースで動いている。おそらく彼らは先発者の優位性を利用することを目指している。」と述べました。
続けて同氏は、中国が初のCBDCを発行することは、基準を設定する事につながりかねず、この様な事態は日本が“恐れるべきである”と述べたことをロイター社が報じています。

レポートでは、CBDCについて詳しく解説するとともに、日銀は、流通現金が大幅に減少する可能性は低いと考えていますが、2021会計年度の初めから、デジタル通貨の2つの概念実証フェーズを展開していく予定で、世界銀行は、事態をさらに強化する必要があると判断しています。

日銀の提示する実証実験案とは

日銀は、これまでのようなリサーチ中心の検討にとどまることなく、実証実験を実施し、より具体的で実務的な検討を行っていくと表明しています。

まずは、概念実証PoC(Proof of Concept)プロセスを通じて、基本的な機能や具備すべき特性が技術的に実現可能かどうかを検証し、そのうえで必要と判断された場合、パイロット実験の要否について検討すると今後について具体的に述べています。

■概念実証
・フェーズ1
フェーズ1では、システム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBDCの中核をなす、発行、流通、還収の基本機能に関する検証が行われます。
・フェーズ2
フェーズ1で構築された実験環境に、CBDC周辺機能を付加し、実現の可能性などが検証されます。
概念実証フェーズ1と2が終了した場合、次の段階としてパイロット実験が実施されます。
必要と判断された場合、民間事業者や消費者がパイロット実験には実地に参加すし、パイロット実験を行うことも視野に入れて検討されています。

また、概念実証フェーズ1は、早ければ2021 年度の早い時期にも開始することを目指していると明らかにしています。

日銀側が考慮すべきポイントとして挙げている
物価の安定や金融システムの安定との関係
イノベーションの促進
プライバシーの確保と利用者情報の取扱い
クロスボーダー決済との関係
以上の懸念材料が解消された際、日銀がどのように動き出すのか、来年実施される予定の概念実証フェーズ1の結果によってより方向性が明確になっていくとみられます。

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