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雑誌「週刊エコノミスト 2018年 2/6 号:世界が見たビットコインの真実」(2018/2/6発売)

欲望渦巻く“投機マシン”金融市場の撹乱要因に
仮想通貨の代表格「ビットコイン」が1月17日、大暴落した。2017年12月に付けた最高値の1BTC(ビットコインの単位)=230万円超から一気に半値になった。
暴落の引き金について、さまざまな臆測が飛び交った。まず、3月にアルゼンチンで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨の国際的な規制がテーマになるとの観測が流れたことが一つだ。

また、中国と韓国で、仮想通貨への投機の過熱と詐欺の横行を懸念した金融当局が規制強化に乗り出したことも要因の一つと見られる。

▼アマゾンで購入「週刊エコノミスト 2018年 2/6 号:世界が見たビットコインの真実」

【世界が見たビットコインの真実:目次】
20 欲望渦巻く“投機マシン” 金融市場の撹乱要因に ■大堀 達也/松本 惇
22 インタビュー 「Lisk」 機能的なブロックチェーンを開発 マイクロソフトも注目
23 ビットコイン生んだナカモト・サトシの夢 仮想通貨がドルに代わる日は来るか?
25 知らずにビジネス会話は乗り切れない! 仮想通貨の「基礎知識」 ■編集部/監修・志波 和幸
28 金融エリートの挑戦 シリコンバレーと香港の胎動
  シリコンバレー 「Omniex」 数百億円の大口取引を実現する
  香港 「Digitas」 イーサリアムの採掘工場を運営
31 日本の未来? 中国、仮想通貨詐欺が頻発 ■高口 康太
32 仮想通貨はこう動く 乱高下は“2階建てバブル”が原因 相場の7つの材料 ■高城 泰
35 確定申告はどうやるの? 「雑所得」となった仮想通貨益 申告漏れには重いペナルティー ■向山 勇
38 「ICO」の“ババ”を避けるには “本物”見極めは至難の業 ■編集部
39 お宝ICO率=ベンチャー生存率 初心者はHPのチェックから
40 モバイル決済先進国 指紋やQRコードで支払い ■両角 真樹
42 中央銀行もデジタル通貨 現金が消える未来 ■中島 真志
43 100年前に提唱された「マイナス金利」通貨

LINE、平成29年12月期 通期決算説明会より「2018年度事業戦略」ポイント

 コミュニケーションアプリなどを提供するLINE株式会社は、2018年1月31日に平成29年12月期 通期決算説明会を開催。金融事業領域をさらに拡大するため、資産運用や仮想通貨、各種ローンを扱う「LINE Financial」を設立することなどが発表されたが、今後の同社の動向は様々な部分で影響を与えてくると想定されるため、当決算説明会資料よりポイントを抜粋して見ていきたい。

■LINE:月間アクティブユーザー数(主要4カ国)

 こちらは日本、台湾、タイ、インドネシアにおける月間アクティブユーザー数(MAU:Monthly Active Users)推移。主要4カ国で1億6800万人。


LINE:月間アクティブユーザー数(主要4カ国)


■LINE:LINE Payの決済高推移

 こちらはモバイル決済サービス「LINE Pay」の決済高推移。グローバルアカウント登録者数は4000万人を超え、月間取引件数は1000万件超え、2017年間決済高は4500億円を超えています。四半期ベースで96.6%の伸び。


モバイル決済サービス「LINE Pay」の決済高推移


■LINE:金融サービス分野への展開

 そしてこちらは2018年の重要事業戦略として打ち出されたうちのひとつの「Fintech事業」。LINE Payの拡大に加え、資産運用や仮想通貨、各種ローンを扱う「LINE Financial」を設立し、ブロックチェーン等の技術を用いた革新的な金融サービスの構築・提供を行っていくとのこと。既にLINE Financialは、仮想通貨事業関連に関して金融庁への仮想通貨交換業者登録のための手続きを開始しており、現在審査中。
▼LINE、仮想通貨交換や取引所・保険など金融サービスを提供する「LINE Financial株式会社」を設立



 「Fintech」事業は、重要事業戦略の一つである「AI」とともに戦略投資と位置づけられ、2018年度には300億円の投資を見込むとこと。2018年第1四半期以降は、継続成長分野である「広告」事業と、この戦略投資分野の「Fintech・AI」の2セグメント別に損益開示を行う予定とのことで、同社の展開には注目していきたいところ。

▼LINE、平成29年12月期 通期決算説明会 プレゼンテーション資料(PDF)
▼LINE公式サイト

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2/1より尾関高氏によるコラム「尾関高のクリプトポロジー(Cryptopology)」スタート!

  仮想通貨情報サイト「bitpress」(ビットプレス)では、2018年2月1日より、コラム・コーナーで尾関高(Takashi Ozeki)氏によるコラム「尾関高のクリプトポロジー」を開始。
▼コラム「尾関高のクリプトポロジー」公式ページ


尾関高のクリプトポロジー


FXの世界から仮想通貨の世界へと私の領域も広がりを見せ、まだまだ飽きないこの金融の世界をもう少し楽しく泳いでみたいと思う。90年代のアプリケーション革命から、今回のプロトコル革命が私たちの未来にどういう影響を及ぼすのだろうか。

尾関 高(Takashi Ozeki)
1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社、米系企業を経て、現在は日本の金融システム会社勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXや新たな金融市場、特に近年は仮想通貨にかかわる分野においても積極的に発信する。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引~取引の仕組みからトラブル防止まで~」(同友館、2004年6月)、また訳書「CFD完全ガイド」(同友館、2010年2月、著者:デイビッドノーマン)がある。
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第1回:繰り返されるゴックスケースから何を学ぶか/What we can learn from “Mt. Gox” cases.

 まず、初回からこのテーマとなることを若干残念に思うが、しみじみ今回のコインチェックの顧客資産流出事件で、いかに仮想通貨の保管が難しいかを思い知らされる。本件について投資家の目線と業者の目線と規制の目線で少しばかり考えてみる。

■投資家の目線

 まず、コインチェックはまだ金融庁の登録が受理されていない業者だったということ。タレント出川さんのCMで最近かなり露出が大きくなっていたから多くの新たな投資家が口座を開いていたことだろうと思うが、未登録業者であるということをどれだけの人が意識していただろうか。未登録というのは登録を申請していなかったわけではなく何らかの理由で当局が登録を受理していなかったということになる。仮に登録がされていたとしても今回の事件は起きるべくして起きたのだろうが、投資家側にはその事実がどれだけ意識されただろうか。



何もこれに限らず海外の仮想通貨のポータルニュースサイトにはしょっちゅうあっちこっちで盗まれたという記事が載る。取引所はハッカーのEasy Targetになっているのは間違いなく、今のところ大丈夫と思える(その根拠は何もないが)仮想通貨業者も常にその危険にさらされている。

自分の金は自分で守るというなら、余計な金は出金し、仮想通貨は自分のスマホのウォレットに移し替えるという防衛策以外今のところ手はない。プロはみなそうしているように見える。法定通貨なら大丈夫と言えばそうだが、業者がそれでつぶれてしまえばそれすら出金ができず、負債が資産を上回れば最悪それすら返ってこない。忘れてはならないのは、仮想通貨「取引所」という名前であっても東京証券「取引所」のような公的なそれとは違い、信用リスクは「相対」である。その点普通のFX業者と変わらない。FX業者は信託が義務付けられている分はるかに安全である。見た目が注文板の客と客とがぶつかり合うマッチング方式であっても、あなたが預けるお金は業者に対する信用リスクにさらされている。だから仮想通貨に関する内閣府令も「取引所」と一線を画すべく「交換所」という言葉を使って一線を画している(その意図でそうしているかどうかはわからないが私にはそう見える)。

そういう意味で誤解を避けるべく、認可ではない仮想通貨業者は「取引所」と呼ばずすべからく「交換所」と呼んだ方がいいとすら思う。英語にすればどっちもExchangeだけれど。

■業者の目線

 今回の流出がどういうメカニズムで行われたかを知らないので何とも言えないが、秘密鍵を盗まれたために起きたとするなら(それ以外想像つかないが)、やはり鍵の保管は難しいと実感せざるを得ない。つまるところ最後は人の問題でもある。

こういうことは法定通貨では起きない。個人の銀行口座資産がパスワードを盗まれて流出することはあっても、銀行側のサーバーから全顧客資産丸ごと盗まれるということはあり得ない。やはりブロックチェインはまだまだ発展途上の技術だなと思わざるを得ない。今仮想通貨に手を出す個人はその発展のための壮大な実験に身銭を切って参加しているという意識がないと受け入れがたい事件でもある。

顧客が買った仮想通貨をコインチェックは外部から仕入れている形跡がないという批判めいた記事を読んだが、仮に業者のモデルがマッチング方式でなく、交換所(両替所)であっても有り余るその通貨の在庫を持っていれば特に毎回外部に買いに行く必要もない。相対取引だからそこには何ら違法性も不法性もないとだけ付け加えておく。ただその分を区分管理していなかったとしたら問題である(具体的にそれは客の仮想通貨資産分を業者側の個人資産を入れているウォレットとは別にするということになるのだろうが、その気になれば簡単にできる)。

■規制の目線

 今回登録がされていない業者での事件だった。結果、登録させない(保留)という判断はその点では功を奏しているが、結果が伴わなかった。登録を義務づけ、しかし登録が何らかの理由でされない業者が、申請中ということで営業を継続できる例は他の法令の施行や改正においていつもあることだが、こと仮想通貨については、もっと厳しくあるべきかもしれない。多額の個人資産を預かる業者が登録されておらず、かつTVCMも流しまくり、法的には分別管理というレベルの実効性のない顧客資産保護しか義務づけられない状態で、さらなる営業攻勢に出ている状態をいかなる理由で放置できるのか。こういう考え方はあくまでも事実の一面でしかないのは重々承知しているし、今それを言うのはいささか後出しじゃんけんでもある。多面的に見ればそれ以上の規制ができない理由もいくつか想像はできる。しかし、だ。こういう事件は今後も起きることはまずもって間違いないだろう。少なくとも投資家はそういう前提で付き合うことが不可避であると思う。

実態もなければ本源的価値すらない、単なるプロトコルでしかない仮想通貨に個人が群がる(ICOによるコイン-Tokenの方がよっぽど本源的価値を感じるが、こちらはこちらで詐欺まがいのホワイトペーパーがあふれている)。

なぜか。

それは相場のボラティリティが高いからである。人の欲は永遠で無限だ。投機商品としての魅力は満載である。あちらこちらで仮想通貨成金が生まれているという情報を耳にすれば余計に魅力的に見える。

しかし、よく考えてからにしよう。仮想通貨のボラティリティは大まかに10%以上ある。一日で平気で10%以上動くことはざら。FXのドル円はせいぜい3%である。ブレグジットの時のポンドで10%ぐらい、スイスショックのスイスフランで30%ぐらい。しかしそれらは歴史的に数年、十数年に1回。仮想通貨はしょっちゅうである。今は下がっても必ず上がる。そう信じて人は買う。久々に「美人投票」という言葉を思い出す。

そうした市場リスクに加えて、資産の保全リスクという法定通貨にはないリスクがある。さらに盗まれやすいというシステム(内部犯行の場合は+コンプラ)リスクまである。これは取引所のウォレットが狙われるという問題もそうだが、自分のスマホのウォレットも同じリスクにさらされているし、スマホ自体が壊れたりしたら(秘密鍵をメモっていないと)もう取り出せない(生き返らない)という物理的リスクまである。

やるなという話ではない。私も勉強のため少額ながらやっているが、そうしたリスクを理解したうえでやることと、全部なくしても諦められる額にとどめるべきだという話である。


最後に、私は仮想通貨そのものに否定的ではない。むしろその可能性に期待を寄せる。ただ投機商品としてではなく、プロトコルとして、である。ただ、プロトコルとしてだけではこの新たな技術の発展はなかなか望めない。そこには欲から生まれる投資マネーを吸着する仕掛けが必要になる。その意味でこの投機市場は有効に機能する。そんなスタンスで付き合っている。一部の悪意がこの新たな技術の発展を妨げないことを望むが、今日見た米国の巨大ICOを詐欺としてSECが資産差し押さえした記事には忸怩たる思いがする。

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最大級の仮想通貨流出事件は、厳しい規制へ進む分岐となるのか

 2018年1月26日、東京の仮想通貨取引所「Coincheck」から、仮想通貨「NEM」が盗まれた。同社はハッキング被害にあったと発表、被害額は約540億円にのぼり、仮想通貨の流出・盗難としては史上最大級の金額となった。同日夜、Coincheckは緊急会見を開き、事件を公表した。

この出来事は、各国政府が仮想通貨ブームへの対応を策定しているタイミングで起きたことで、それぞれがより厳しい監視体制へ進むことが予想される。日本の財務省当局者は、同社への立ち入り調査を実施するとし、次回のG20会合では仮想通貨問題が中心議題になる可能性が高いと述べた。

仮想通貨市場にも大きな影響を与え、ビットコインとその他仮想通貨価格は当然のように下落を続けたが、Coincheckが返金を一部保証すると発表したことにより、落ち着きを取り戻している。しかし、仮想通貨取引のセキュリティーへの信頼の失効を懸念する報道や、中央集中型プラットフォームに依存しないP2P取引の方法に投資家の一部が向かうのではないかとの見方も出ている。

例えば、シンガポールのIndorse Pte社の共同設立者David Moskowitz氏は、「この流出事案には仮想通貨への直接的な2つの影響があります。1つは取引所に対する当局のより多くの規制が行われるであろうこと、もう1つはブロックチェーンに(分散型台帳)による取引方法のメリットの認識の広がりです」 と語っていることが報道されている。

「このような大規模なハッキングは、グローバルな仮想通貨コミュニティにとっては今日直面する最大のリスクの1つです」と、香港PwC社のHenri Arslanian氏も発言している。

これまで、米国財務省は仮想通貨による送金を「進化する脅威」と表現し、マネロンやテロ資金供与などの違法行為を防止する策の考案を検討するとしてきた。また、英国のメイ首相は規制を検討すると約束し、韓国は仮想通貨取引を完全に禁止するかどうかについて議論している。

しかし今回の事案を受け、各国の対応にはより強い規制へと変化する可能性もある。「今回の出来事は、仮想通貨取引により厳しいセキュリティー要件を強制実装しようとする当局の政策立案者を後押しすることになるでしょう」とシンガポールのアジアフィンテック協会の会長David Shin氏は述べている。中国では昨年仮想通貨取引所を閉鎖、取引の全面禁止を行っているが、このような厳しい規制が広がることになるのかが注目される。

昨年12月、米国では先物取引所運営大手CMEグループとCboe Global Markets Inc. (シカゴ・オプション取引所)の両社がビットコイン先物取引を行うことを発表し、多くの機関投資家が仮想通貨の売買に加わりビットコインは高騰した。東京はいまや仮想通貨の主要取引場所であり、大量の仮想通貨を預かる取引所も多い。

今回の資金流出は、Coincheckが外部ネットワークから遮断されたオフラインでの資金保管をせず、外部ネットワークに接続されたホットウォレットに顧客資産を置いていたことが原因となった。また、送金時に複数名の確認が必要となるマルチシグネチャという設定も行われていなかった。

1月29日、金融庁はCoincheckに対し、2月13日までに、リスク管理と内部統制をどのように強化するのかといった、事態の根本原因と顧客への対応を概説するように要請した。26万人ともいわれる被害顧客への返金について、Coincheckは自己資金によって顧客への返金を行うとしているが、時期も方法などは未定の状態にある。

今後の顧客対応に注目が集まることはもちろんであるが、今回の事件の原因とそれに対する防止策が共有され、業界全体におけるセキュリティー面のさらなる向上へとつながることが望まれる。

《SI》