要点

・サウジアラビア中央銀行とアラブ首長国連邦により実施されていた、CBDC合同テストの結果が発表されました。
・テストは成功を納め、今後の展開拡大への道が開かれたものの、いくつかの懸念も議論されました。

中東2カ国で実施されたCBDC共同テスト終了




SAMA(Saudi Arabian Monetary Agency=サウジアラビア中央銀行)とCBUAE(Central Bank of the United Arab Emirates =アラブ首長国連邦中央銀行)は、日曜日の公式発表によると、CBDC(Central Bank Digital Currency=中央銀行デジタル通貨)共同プロジェクトテストに成功したと述べました。

今回実施されていた「ProjectAber(プロジェクト・アーベル)」と呼ばれる3段階に分かれていたCBDC共同テストは、国境を越えた支払いシステムを構築しながら、世界中のデジタル通貨に対応するように設計され、開始から終了まで1年をかけて実施されていたとのことです。

共同テストで得られたメリット




サウジアラビア、クウェート、オマーン、アラブ首長国連邦などの中東諸国は、長い間石油資源に依存していました。
しかしここへきて、埋蔵量の減少やアメリカの新油田発見などにより、これらの国々は自国経済保護を目的にテクノロジーと観光セクターへ多くの投資を行うよう、依存脱却に向けて歩み始めています。

テストは、CBUAEとSAMA間の国際決済、サウジアラビアとUAEの銀行間の国内決済、および両国の商業銀行間の国際決済を対象としていたとのこと。

参加型銀行は、決済の速度・時間・正確さの点で好結果を報告し、さらにセキュリティやシステムのサードパーティの決済プロバイダーとの相互作用により重点を置く手段として、「リアルマネー」を使用していました。
各銀行はブロックチェーンデータが保存・更新される独自ノードを実行。
これらは最新ネットワークデータと継続的に同期されており、これによってネットワークに単一障害点がないことが保証され、1つまたは少数ノードがオフラインの場合でも、ネットワークは機能し続けることが分かりました。

さらに、テストはプライベートサーバーで実行され、CBUAEとSAMAは、スケーラビリティとセキュリティを向上させるため、最終ネットワークをクラウドベースのサーバーに展開する可能性が高いと述べています。

テストはデメリットも浮き彫りに




プロジェクト・アーベル共同テストは好評だったものの、いくつかの欠点も明らかになりました。


CBDCは法定通貨であるサウジアラビアリヤル(通貨コード:SAR)とUAEディルハム(通貨コード:AED)によって平等に支援されていたため、為替レートは絶えず異なっていることが大きな懸念事項でした。

テストでは固定レートのステーブルコインを使用しましたものの、通貨の価値が変化すると、実際の設定でも50:50の比率を継続的に変更する必要が生まれました(CBDC自体が固定値のままであることを確認するため)。

もう一つの懸念点は、異なる都市や管轄区域が異なる税金を適用したり、異なる金利を課したりする点だった事を明かしています。
これにより、アビトラージ(※裁定取引)の機会が開かれ、広く受け入れられましたが、使用されている単一通貨システムには存在してはならないもので、資金の蓄積やさまざまな金利の不当な利用につながる可能性があるとの懸念点が浮上しました。

さらにもう一つの懸念事項として、発行された資金のトレーサビリティ(※生産から最終消費まで追跡が可能な状態)が潜在的な問題として指摘されました。
中央銀行は理論的に、多くのお金を印刷し、他の法域でより高い価値と引き換えることができると銀行は述べ、これに対して提案された解決策は、CBDCに結び付けられた資金の額に制限を設けることだったと明かしています。

両中央銀行は、国境を越えた二重発行通貨は技術的に実行可能であり、集中型決済システムよりも大幅に改善された分散型決済システムを設計することが可能であるとの結論でまとまりました。
そのため、次のステップとして、サウジアラビアとアラブ首長国連邦両政府は、ブロックチェーン技術の開発と金融セクターへのさまざまな応用に貢献することが期待されています。

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